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2013(Sun)

「亡国の薔薇 上・下」イモジェン・ロバートスン著

読感/翻訳小説

「亡国の薔薇<上> (英国式犯罪解剖学) 」イモジェン・ロバートスン著/

国家の機密情報を狙い、フランスの密偵がロンドンに潜入しているらしい―。解剖学者クラウザーと提督夫人ハリエットは、海軍本部の情報担当武官から、密偵をめぐる謎の調査を依頼された。捜査を開始した二人は、さまざまな思惑が渦巻く、壮麗なオペラ・ハウスに向かう…。稀代の物語力で、歴史ミステリの新たなる地平を切り開く、クラウザー&ハリエット・シリーズ第二弾。

↑本の内容紹介から。

「亡国の薔薇 下」イモジェン・ロバートスン著/

海軍の英雄ウェスターマン提督は、事故で頭部を強打し、別人のようになって、戦いの航海から帰還した。その妻ハリエットは、事故の前に提督が“売国奴”という言葉を発していたことを知る―。絢爛豪華に謎を彩る、パリの歌姫、イタリアから来たカストラート、怪しげな貴族…。歴史ミステリ史上最強の探偵コンビ、厭世家の解剖学者と才気煥発な提督夫人が織なす、物語の愉悦!

↑本の内容紹介から。

「闇のしもべ」に続く、シリーズ第二弾。
前作がもう、凄く面白かったので、楽しみにしておりました!
一応、「闇のしもべ」での事件に対するネタばれはないので、このお話から入っても大丈夫ですが。
この作品の魅力は登場人物にあったりするので、第一作目から読んだ方が断然面白いと思います!
というわけで、前回伯爵家の事件を解決したことで、世間的に有名人になってしまった解剖医のクラウザーと提督夫人のハリエット。
二人の素人探偵コンビは提督が負傷し、治療のためロンドンに身を寄せます(←クラウザーは厭世家の癖に、わざわざ口実を作って追いかけてきた(大笑い)
ロンドンに滞在するのが、前回の事件で二人が助けた幼い姉弟スーザンとジョナサン、この二人の後見人のグレイヴズと。
前作の登場人物たちがこれまた良い役回りで、お話を動かしてくれるから、楽しい。(特にスーザン!)
と、話を元に戻して。
クラウザーとハリエットは国家機密を敵国に流している密偵を探して欲しいと依頼されます。
(国が動くと密偵が警戒してしまうので、素人探偵の二人が動くことで敵を油断させたいという裏事情もあるんですが、そういうことは当然、表には出せない)
また、このシリーズは2パートにお話が分かれて進行するのが特徴で。
密偵探しの探偵コンビとは別に、女性占い師が殺された若妻の事件を追いかけます。
二つで進行する調査を読み手は同時に追うので、犯人などはそう難しくないのですが。
展開するドラマが良い!
女性ながらに捜査に奔走することで周りに眉をひそめられるハリエットだけれど、彼女の在り方を肯定する味方も。
ぶつかりながらもそれぞれを支える信頼感が良いです。前作の登場人物たちの魅力も深まり、新キャラのジョカスタやサムもまた魅力的でした。
そしてよもやの展開に驚愕しつつ、彼女の今後が気になります。
ああ、早く続きが読みたい!

亡国の薔薇<上> (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)亡国の薔薇<上> (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)
(2013/09/28)
イモジェン・ロバートスン

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亡国の薔薇<下> (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)亡国の薔薇<下> (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)
(2013/09/28)
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(2012/09/21)
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(2012/09/21)
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