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プロフィール

松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
写真は家のお人形さん
・マリア
(レッドデリシャス)
・アリス
(ユニバーシティオブラブ)
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  • 2016
  • 06/04
  • Sat

「ヒッキーヒッキーシェイク」津原泰水著

「ヒッキーヒッキーシェイク」津原泰水著/

ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉(JJ)は、いつも度の入ったサングラスを掛けて場当たり的に喋る、実に胡散臭い男だった。あるとき彼はネットを介して顧客たちを連携させ、アゲハ・プロジェクトを始動する。「人間創りに参加してほしい。“不気味の谷”を越えたい」。当惑するヒッキーたちの疑心は、“Jellyfish”を名乗る謎の暗鬼を生み、やがて計画は世間を騒がす事件へと発展していく…。JJの目的は、金か、カウンセリングか、たんなるヒマ漬しか?そして、ジェリーフィッシュの正体とは―。

↑本の内容紹介から。

津原さんの新刊は、現代を舞台にした青春もの。
胡散臭いカウンセラー竺原に巻き込まれ、ヒキコモリの四人はネット上に人間を創り出すことに――という始まりに、SFものかしら?SFものは苦手なので、お話について行けるのかどうか、ちょっと不安になりましたがそんなことは杞憂でした!
SF苦手という人も安心して、読めるよ!
クラスのリーダー的存在に目を付けられ他のがきっかけに引きこもりになってしまった洋介(タイム)、
ハーフであり外国人な容姿なのに英語が出来ないギャップで引きこもってしまった芹香(パセリ)、
上司のパワハラから引きこもりになった聖司(セージ)の三人は、カウンセラー竺原(JJ)のクライアント。
何とも胡散臭い言動のカウンセラーらしくない竺原には何故か他の人とは違って、動かされてしまう。
そんな飄々とした竺原に話を持ち込まれたのは、「アゲハ」という人物をネット上に作り出すこと。
世界的に有名なハッカー・ロックスミス(ローズマリー)も巻き込んで、始まったアゲハプロジェクトが、
JJの言動が胡散臭すぎて、治療なのか、金儲けなのか、詐欺なのか、先が気になる!
振り回されながら、時に抜け駆けをして、それぞれが得意なことで作り上げた「アゲハ」が果てに巻き起こすのは――。
もう、本当に先が気になって、気になって、ページを繰る手が止まらなくなってしまうんですが。
かの人の背景を知ると、これがね、読み終えたくなくなるなったりする。
面白くなくなったとか、そういうことではなく、物語を終わらせたくなくなるくらい、結末をずっと先に延ばしたくなる。
それくらい良かったです。
今まで読んできた津原さんの作品で好きなった要素が沢山詰め込まれていて、もう好き好き、大好き。
津原さんの作品が好きな人は絶対に読んで損は無しです!オススメ!










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  • 2016
  • 05/11
  • Wed

「クロコダイル路地1・2」皆川博子著/

「クロコダイル路地 1」皆川博子著/

1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。帯剣貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、港湾労働と日雇いで食いつなぐ平民のジャン=マリと妹コレット。“革命”によって変転していくそれぞれの運命とは。小説の女王が描く壮大な叙事詩的物語と、仕組まれた巧妙な仕掛け。革命期の貿易都市ナントから始まるフランス篇。

↑本の内容紹介から。

「クロコダイル路地 2」皆川博子著/

革命は終わった。登場人物たちは、フランスを脱出してイギリス・ロンドンへ。ローラン、ピエール、コレットは革命期に負った「傷」への代傷としての「復讐」を試みる。「革命という名の下になされた不条理に、私は何もなし得ない。ゆえに、個が個になした犯罪の是非を糺す資格も、私は持たない。私は、法がいうところの犯罪者になるつもりだ」私は、殺人を犯す。それは罪なのか?あの“バートンズ”も登場!小説の女王の最新ミステリ長編。産業革命期のロンドンを駆け巡るイギリス篇。

↑本の内容紹介から。

皆川さんの新作はフランス、イギリスを舞台にした歴史長編です。
貴族ではないけれど富豪のテンプル家嫡男ローラン(ロレンス)、平民のジャン=マリと妹のコレット、帯剣貴族フランソワの従者のピエールらは、フランスに巻き起こった反乱の嵐に巻き込まれます。
ジャン=マリは革命の混乱期に妹のコレットと生き別れ、ピエールは革命軍に対抗するフランソワに付き従い、戦い続けます。
最初は貴族だけがターゲットだったものが、果ては富を持つ者へと波及していく市民たちの憎悪によって、ローランは両親祖父をギロチンにかけられます。
元は屋敷に仕える家庭教師たちの手によって。
そうして下克上とも言えるような環境下で屈辱をなめる日々、運命の巡り合わせで、ローランはジャン=マリやピエールなどとと共に、イギリスへと脱出します。
だけれど、彼の知らないところでは……。
イギリス篇では命の心配はなくなったものの、それぞれが抱えた傷跡は深く。
月日は巡れど、奥底に隠された憎悪がやがて――と。
革命がもたらした闇は重く、虚無は満たされることなく、狂気は理性を蝕んでと。
なかなか救いが見えないそんな中、新たに登場したオコナー兄妹とベニーのエピソードが貧しき中にも心和ませて、癒やしでした。
特にメイが可愛い。
もしかしたらメイは、凄惨な時を知らずに生きることができた、彼女のもう一つの姿だったのかもと、ぼんやり思ったり。
イギリス篇では、懐かしのバートンズ(「開かせていただき光栄です」に出てくる)も顔をみせたりして、ミステリ小説としての読みどころもあり。
大変読み応えのある、二冊でした!






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  • 2015
  • 09/06
  • Sun

「無名亭の夜」宮下遼著

「無名亭の夜」宮下遼著/

極東の島国・日本。場末の「店」で「彼」は、店主の従兄弟が語る不思議な物語に耳を傾ける。それは、遙か遠いオスマン帝国の時代、皇帝の近衛兵となった「少年」が、詩に魅せられ、当代一の語り手へと登りつめるめくるめく物語だった──。
時空を往還しながら、物語を形作る七つの神秘に迫る、七夜の旅。壮大な世界観と文学的な仕掛けに満ちた野心作!

↑本の内容紹介から。

オルハン・パムクの翻訳家として知られる方の初の小説です。訳文が好みなので、小説のほうも楽しみにしていました。
(やっぱり内容も勿論だけど、文章も好みに合うほうがいい)
お話は極東の島国・日本(←ある人の視点からはこういう表現になる)とある「店」に、客である「彼」が二十年という年月をかけて、通い続けます。
「彼」が通うその目的は、店主の従弟である語り部が語るお話。
それは遥か昔のオスマン帝国で「詩」に魅せられた少年の物語――と。
小説は幾人もの語り手によって、遥か昔のオスマン帝国とそして現代の日本を行きつ戻りつな感じで進んでいきます。
無名亭という、小説のタイトルからある通り、メインとなる登場人物は「彼」「従弟」「少年」などと、
名前は出てこない(ある者の名は後々、ある答えとして語られる)ので、まあ、それは語り部の作り話かそれとも?と輪郭は曖昧なれど。
読み進めていくと、ちょこちょこと見え隠れする伏線で、語り部や店主の正体にニヤリ。
また少年の物語も面白ければ、「彼」のある種の成長物語としても読めたりと、色々面白かったです。

そんな表題作と一緒に収録されているのは、高級紙に写字されていた妙な詩編の意味するところは?――「ハルキファキル」。
「ハルキファキル」も現代と、紙に記されていた昔の帝国と行きつ戻りつ。
ちょっとばかり「無名亭の夜」と関連ある部分もありますが。
荷運びの兄と詩人の弟の、兄弟物語として楽しめました。仲が悪そうで、良さそうという関係は好きだな!
どちらのお話も詩が題材としてあるので、文章は平易だけど描写は表現豊かで、良かったです。
「語り」で構成されるお話が好きな人、「物語」が好きな人、そして「物語」を書く人におススメ!


「神よ、記憶力なき異教徒に慈悲を垂れたまえ……。物語の身体は七つのものから出来ておると、教えられたであろうが。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、そして知性。ではもう一つ、何が欠けていると思う?」
(「無名亭の夜」P47より)


無名亭の夜
宮下 遼
講談社 ( 2015-08-26 )
ISBN: 9784062195164





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  • 2015
  • 01/27
  • Tue

「雪のマズルカ」芦原すなお著

「雪のマズルカ」芦原すなお著/

夫が残したものは、滞納した事務所の家賃とリボルバー、そして苦い思い出だけ。夫の跡を継ぎ、私立探偵となった笹野里子の活躍を描く、直木賞作家・芦原すなお初のハードボイルド連作集。非行女子高生の行状に迫る表題作ほか、「氷の炎」「アウト・オブ・ノーウェア」「ショウダウン」を収録。最強(最驚!?)の女探偵がたどりつく衝撃の結末とは。

↑本の内容紹介から。

「ミミズクとオリーブ」のシリーズが面白い芦原すなおさんの新刊「猫とアリス」が来月出るのを知って、ちょっと気になるとチェックしていたら、どうやらシリーズ物らしい。
第一作目を覗いていみたら、電子書籍版があったので、気がついたらポチリしてました!(←)
主人公は笹野里子、四十代。
愛人と共に乗った車で事故死した夫が残したのは、探偵事務所とリボルバー。
事故死のショックでほぼ一年、引きこもり失意のどん底に。
そこから立ち直った里子は跡を継いで探偵になり、そんな彼女の活躍を描くハードボイルドミステリの短編連作です。
「雪のマズルカ」
「氷の炎」
「アウト・オブ・ノーウェア」
「ショウダウン」の四編収録。

財閥の総帥から孫娘を非行の道から戻して欲しいという依頼から始まる、「雪のマズルカ」
依頼人の代理から入ってきた電話。
その会話が、里子さんがちょっとツレなくて、面白いなと思っていたら、お仕事がまあ探偵といっても正攻法の探偵とはちょっと違うといいますか。
非行(←これがかなりヤバイ)に走っている女子高生に足を洗わせるために、脅しを掛けようとするなど……。
わお、何か一風変わっているなと思っていたら、まあピンチに陥り、気がつけば殺人犯に仕立てられそうになって、その果てに――。

わー、わー、わー。
正直、国内の小説でこういうことやっちゃう主人公と出会うのは初めてかも。
(まあ、日本には×が一般的に存在しない感じだから、あれなんだけど)
ええっ?いいのっ?と戸惑いつつも。
家族が誰もいない故に、里子さんの失うものは何もないという強さと、失いものは何も持っていないという空虚さがドライでカッコ良かったです。
あと、里子さんに報われない想いを抱いている遠藤刑事さんとか、会話が面白い。
倫理観やリアリティなどといった、細かいところにツッコミを入れる人にはオススメしません!(えっ?)
ですが。
久しぶりに、フィクションならではのカッコ良い主人公に、私は大満足でした。
続編「猫とアリス」が楽しみです。

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  • 2014
  • 12/28
  • Sun

「中尉」古処誠二著

「中尉」古処誠二著/

敗戦間近のビルマ戦線。ペスト拡散防止の使命を帯び、メダメンサ部落に派遣されてきた軍医の伊与田中尉と、彼を護衛する尾能軍曹。ごましお頭の中尉の立ち居振る舞いは尾能の目にことごとく役職不適格に映るが、周囲の評価はなぜか十人十色。外部からの接触を遮断していた折も折、部落で若者の脱走と、武装強盗団(ダコイ)による伊与田誘拐事件が起こる。自分はいったいあの男のどこを見ていたのか―?懊悩する軍曹の心に疑念が浮かんでは消えてゆく。第一線を寡黙に支えた男たちの記憶をあぶり出し、静かに心揺さぶる人間ドラマ!戦争小説の新たな到達点!

↑本の内容紹介から。

「ルール」以降、戦争を題材にして書き続けておられる古処さんの新刊です。
敗戦間際のビルマの部落でペスト収束に従事する軍医・伊与田中尉(衛生兵二名)と彼らを護衛する尾能軍曹の部隊。
敗戦の報が聞かれ、ペスト収束を宣言したその夜に軍医がダコイに攫われて――。
お話は伊与田中尉が攫われた晩から、尾能軍曹が伊与田中尉との出会いへと遡った回想で綴られる戦争小説です。
古処さんのご本は全部読んできて、感想もブログをつけるようになってからは書いて来て、その度に古処さんがお書きになる小説の、誠実さというものをしみじみと感じます。
敵味方の善悪を断罪したり主張せず、賛美も自虐もなし。
今回の小説に限って言えば、戦場の悲惨さも死も暴力も書かれてはいない。
戦争小説って、陰惨で読むのが辛い――と思っている人は、読まず嫌いをせずに今作は是非手にとってください。
特に、現在の日本の在り方に違和感を覚えているような人には、そのざわざわしたものが明確に描き出されていると思います。
小説の前半は、伊与田中尉の出会いから中尉が攫われるまでが語られていますが、そのときの尾能軍曹は何だか今の日本の悪い姿を見ているよう……。
軍人とはこうあるべきという「形」や「枠」からはみ出る人を蔑み、他人の背景に目を向けず、自らの尺でしか人をはからない。
だから何でもないところを思い込みで、探っては疑心暗鬼で相手を傷つけ、敵を作る。
もう……読んでいて、ざわざわする。
視野狭窄が如何に思考を狭めるか、今の時代にも通ずることで考えさせられました。

あえて断定するなら、自分の義務を重んじすぎたのがむなしいのである。よく言えばわたしたちは実直すぎたのであり、悪く言えば愚直だったのである。それがために視野狭窄に陥っていたことは誰にも否定できまい。「もし日本に優秀な指導者がいたら今ごろ君たちはインドに駐留している」というインド兵の弁は「君たちは指導者に無関心すぎた」との意味にも取れる。 (P138)

そうして伊与田中尉が攫われ、敗戦を迎えたとき、ようやく尾能軍曹は自分の欠点を知り、視野を広げようとする。
そこから今まで見えていなかったことが見えてきたとき――。
沢山の真実が人の数だけ、生まれてくる。
真相に対して、尾能軍曹は最後まで自説に拘りますが。
これは世の中に答えが決して一つではないこと、を語っているような気がしました。
今の世の中、善と悪、黒か白の二拓で、どちらかが正しくて、もう片方は間違いだとクッキリわけがちだけど。
人それぞれに思うことは沢山あっていいと、言ってくれているようで。

「国を愛するならば、それこそ女子供の幸せ(ようするに自国民)なくしてあり得ない」←要訳ですが。

今苦しんでいる自国民を無視したり蔑んだりして、他国の人を敵に回すこと、それのどこが愛国心なんだろうと?
現行の「愛国心」の在り方に疑問を覚える私は、同じように感じてくれる人がこうした形で語ってくれて、
ホッと嬉しくて涙が出そうになりました。とても良かったです。

中尉中尉
(2014/11/29)
古処 誠二

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先日、huluの方でみた映画。
ヒットラー政権下で、抵抗運動をした女学生の最後の数日を描いたもの。
ここでも、現在の日本を見ているかのようで、苦しくなりました。

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