ブログランキング
この瞳に映るもの この瞳に映るもの

カレンダー

12 | 2007/01 | 02
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

プロフィール

松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
写真は家のお人形さん

↓本館・夜の夢

↓ブライス写真ブログ

↓「彩」名義のお題サイト
88x31.jpg

Instagram

↓最近読んだ本など。
  




カテゴリー

応援してます!

  • 翻訳ミステリー大賞シンジケート
  • 被災地を応援しています
  • 覆面作家企画5

ブログ内検索

「切り裂きジャック・百年の孤独」 島田荘司著

読んだ本の感想です。

「切り裂きジャック・百年の孤独」 島田荘司著

1988年、西ベルリンで起きた謎の連続殺人。五人の娼婦たちは頚動脈を掻き切られ、腹部を裂かれ、内臓を引き出されて惨殺された。19世紀末のロンドンを恐怖の底に陥れた“切り裂きジャック”が、百年後のベルリンに甦ったのか?世界犯罪史上最大の謎「切り裂きジャック事件」を完全に解き明かした、本格ミステリー不朽の傑作。

↑本の内容紹介から。

丁度この本を手に入れた後、イギリスで連続殺人事件が起こって、「切り裂きジャック」とニュースで騒がれてまして。
何となく、タイミングの悪さを感じて、読むのを先延ばしにしていて昨日、読みました。
サクサクと読めました。
題材が題材だけに、死体描写がアレなので、苦手な人にはキツイかと思われます。
1988年にベルリンで起こった事件に絡めて、1888年の本家切り裂きジャック事件の犯人像を解き明かすという形で、お話は進みます。
どうして、切り裂いたのか?という動機から、犯人像に迫るというのは面白かったです。
何となく、単品作品だと思って読み進めていたのですが。
奇抜なあの方に、もしや、と首を捻り、最後でニヤリとしました。
名前が出ていなくても、あの方だとわかるのは、何と言いましょうか。
(それほど私が心酔しているのか、キャラ作りが徹底しているのか)
本当に、チラリとしか登場していないのに、存在感バリバリですよね。
あの方のシリーズが好きな方だけではなく、切り裂きジャック事件に興味のある方は、解釈の一つとして読んでみるのも面白いかと思います。

top↑

「雪の断章」佐々木丸美著

少し前に読んだ本の感想です。

「雪の断章」佐々木丸美著

雪降る札幌で青年・祐也と出会った天涯孤独の少女・飛鳥。二人の運命と苦しいほどの愛を描いた珠玉の名作。

↑帯の一文から。
(あらすじと呼べるようなものが載ってなかったもので)

前に感想を書いた本「崖の館」の作家さんの、デビュー作品です。
(えーと、三十年前の作品ということになりますね)
「崖の館」での独特の表現に興味を覚えて、復刻されているこの本を手に取りました。
内容は↑にあるとおり、恋愛?(恋愛小説だと言い切れるほど、恋愛小説に馴染みがないので……)
私は少女の成長物語だと、認識しているんですが。
殺人事件は起こりますが、ミステリーとして手に取ると、ちょっと肩透かしを食らいます。それがメインではないです。
飛鳥さんの一人称で書かれたお話は、心理描写が細かく。
そして、少女趣味的と言われている文章は、ここから健在でした。
少女趣味的な文章が好みなのか?と問われれば、そうでもなく。
よくも、こんな表現が思いつくなーという、感心の方が強いです。
故に、他の作品も読んでみたくなるのです。
それに、本に挟まっていたチラシによれば、この作家さんの作品には登場人物に繋がりがあるそうで、その辺を探すのも楽しそうだと。
(辻村さんの作品もこういうの、ありますよね)
はい、他の本も購入決定です。
(とりあえず、孤児シリーズと館シリーズは揃えようと思います)
お話は、最後の方もまた感情移入して、読んでました。

ええっ?そっちを選ぶの?
生き方が不器用にもほどがあるよ! ――みたいな。
(飛鳥さんの考え方、わかるんですけどね。心の内側を誰にも明かせないっていうのは……まあ、私も。私の場合は、言ったってしょうがないっていう諦観によるものですけど)
飛鳥さんの場合は、生い立ちがね。

ラストは、良かったのと悲しかったのが、ない交ぜになっていました。
その人も好きだっただけに。

top↑

「スロウハイツの神様(上・下)」 辻村深月著

「スロウハイツの神様(上・下)」 辻村深月著

猟奇的なファンによる小説を模倣した大量殺人。この事件を境に筆を折ったチヨダ・コーキだったが、ある新聞記事をきっかけに見事復活を遂げる。闇の底にいた彼を救ったもの、それは『コーキの天使』と名付けられた少女からの百二十八通にも及ぶ手紙だった。
事件から十年――。売れっ子脚本家・赤羽環と、その友人たちとの幸せな共同生活をスタートさせたコーキ。しかし『スロウハイツ』の日々は、謎の少女・加々美莉々亜の出現により、思わぬ方向へゆっくりと変化を始める……。

↑上巻の紹介文から。

待ちに待っていた新刊で、楽しみにしていました。
上巻は割りとあっさり目で、先読みできる展開でした。
『天使』の正体も、わかる人にはわかるかと思います。少し物足りないな、と思いながら、下巻へ。
もう、ガッチリ心を捕まれました。
終盤、盛り上げるのが上手いですよ、もう。
第十章、ウルウルです(←私は滅多に泣かない人なので、この状態はかなり、きてます)
片想いが(微妙に違うとは思いますが)切なくて、切なくて。
本当に、好きなんだなっていうのが、伝わってきて。なのに、何か違う方に行っているしで。
かなり、感情移入して読んでました。
最終章は、何度も読み返したいくらいです。
特に、

 この子を、僕の文章が笑わせた。
 どうしていいのかわからないぐらい、それが嬉しかった。

という、ところ。
その気持ち、凄いよくわかります!と、共感しまくりでした。
(私も創作しているので、笑ったとか、感想を貰うと嬉しくてしょうがなくて)
もうどっぷり、はまりました。上巻の物足りないと思った感想なんて、ぶっ飛ぶくらい。

とても素敵なお話でした。
良い作品を読ませて貰って、ありがとうございます。

次回作も楽しみにしています!

top↑

「崖の館」佐々木丸美著

少し前に読んだ本の読感です。

「崖の館」佐々木丸美著

財産家のおばが住まう崖の館を訪れた高校生の涼子といとこたち。ここで二年前、おばの愛娘・千波は命を落とした。着いた当日から、絵の消失、密室間の人間移動など、館では奇怪な事件が続発する。家族同然の人たちの中に犯人が?千波の死も同じ人間がもたらしたのか?雪に閉ざされた館で各々推理をめぐらせるが、ついに悪意の手は新たな犠牲者に伸びる。

↑本の内容紹介から。

東京創元社のサイトで紹介されていた本で、興味を覚えて購入。
三十年ぐらい前にデビューして活躍されていた作家さんの復刻本と言うことで(もうお亡くなりになっている)作品は古いわけですが、舞台が閉鎖されている館の中ですので、古臭さは全く感じませんでした。
館を舞台にした本格ミステリーですが、猟奇的な事件ではないので、流血は苦手という方でも大丈夫だと。
お話は涼子さんの一人称で語られますが、この文章が何と言いますか。
涼子さんの感性によるものなのか、心理・情景描写も(解説では少女趣味的と言われていますが)濃いです。
……何か、勉強になりました。
寒々しい冬の表現も、あんな風に描写できるものなんだな、と。
少女趣味的と言われるその文章を受け付けるか、否かは、人それぞれだと思いますが。
私は他の作品も読んでみたいと思いました。

ミステリーとしては、私がミステリーを読み慣れてしまったせいか、犯人を断定する部分が直ぐにわかってしまったので、「あっ」と驚くようなものではなかったのですが。
(この辺はやはり、古い作品なのでしょうがないかなと)

登場人物では、由莉さんが魅力的だったかな。最初はわがままな女の子だと思っていたけど、誤解が解けると、感情に率直で裏表のない人だと。
表面しか見えていなかった部分が、あることをキッカケにその奥へと踏み込んで理解していく文章部分も好きですね。
ええ、それだけに由莉さんが……。

何にしても、今回の復刻でこの作家さんの存在を知れたのは、良かったです。

top↑