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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万里著

「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万里著

1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。

↑本の内容紹介から。

少女時代に出会った舞踏教師オリガ・モリソヴナ。
彼女の謎を解いていくミステリー仕立ての、ソビエトのスターリン時代の粛清を描いた歴史小説とも言うべきですか。
とにかく、濃厚。
オリガ・モリソヴナという女性の謎を追いかける過程で、さまざまな人がオリガを語る。そこでの語り手の半生をも描いている気がします。
オリガ・モリソヴナの話でありながら、彼女と関わった女性たちの物語のようにも感じました。
粛清によって、逮捕され強制収容所での悲惨さ。それを乗り越える過程での、苦しみ。
痛々しく、色々と考えさせられ、けれど憂鬱にならないのは、反語によって罵倒し、その苦しみを乗り越えた強さを知るからか。
最初の志摩さんの回想で、オリガ・モリソヴナに魅了され、彼女を知りたいという欲求が主人公の志摩さんと同調し、ページをめくる手がなかなか止められない。
(さすがに、徹夜できないので途中で一端、本を閉じましたが)

面白かった!

オリガ・モリソヴナの反語が良いね!
彼女の反語は褒め言葉が痛烈な皮肉です。痛い痛い(笑)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
(2005/10/20)
米原 万里

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「薔薇密室」 皆川博子著

「薔薇密室」 皆川博子著

ドイツ・ポーランド国境に、人知れず建つ古びた僧院。そこは、咲き乱れる薔薇に閉ざされた狂気の世界だった。やがて外界は第二次大戦の波に呑まれ、僧院は接収されるが―。現と夢幻のあわいを貫く物語が、歴史をも従えて迸る。

↑本の内容紹介から。

死にかけている士官を薔薇と融合させて生き延びさせようという禁断の実験を語る導入部分は、少々耽美的で、この調子で続くのはちょっと苦手かなーと思ったところで、視点が変わり、元男娼のヨリンゲルへ。
そして、ドイツに占領されたポーランドで暮らす少女ミルカが語り手へと、移行。
後は交互に入れ替わり、語られる。
ミルカから見る戦時の光景は、それはそれで興味深く読ませてもらいました。
また、ミルカとヨリンゲルの視点が変わることで、それぞれの記憶の曖昧さに、どこまでが本当の記憶で、どこからが幻覚なのか惑わすような展開に、先が(真実)気になり、読む手が止められず、500ページ以上の本を一気読みしてしまいました。
別々の、それでいてそこかしこに繋がりが見える物語が、一つの結末を描き出す過程は本当にドキドキ。
お、面白かった!
幻想小説と歴史小説が融合したようなお話、たっぷり楽しませて貰いました。
「死の泉」よりも、こっちの方が私は好きです。
この方の他の作品も読んでみたいと、強く思ったもん。
(「死の泉」の読後はそこまで思わなかった)

薔薇密室薔薇密室
(2004/09/25)
皆川 博子

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