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松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
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  • 2008
  • 10/29
  • Wed

「七つの海を照らす星」 七河 迦南著

読んでから、間が空きましたが。
読感です。

「七つの海を照らす星」 七河 迦南著

様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。
孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル……七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。

繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。

↑本の内容紹介から。

●収録作品
「今は亡き星の光も」「滅びの指輪」「血文字の短冊」
「夏期転住」「裏庭」「暗闇の天使」「七つの海を照らす星」

児童養護施設「七海学園」に勤める保育士、春菜さんが子供たちを通して謎に出会い、児童相談所の福祉司、海王さんが「新しい物語」として語ることで謎を解く、日常の謎(殺人が起きない)系ミステリです。
七つの短編一つ一つに新しい物語を紡ぎながら、「不思議なことは不思議のまま」残された謎が最後に繋がって、また一つの物語を作るという仕掛けは意外なところから伏線が張られており、思わず××を見返してみたり。
児童養護施設ということで、ときにハードな家庭環境にある子供たちが出てきたりしますが、そんな子供たちをこの作品は何というか、「可哀想」という部分を描くのではなく、その辛い過去などを抱えながらも生きている子供たちを、乗り越えた大人を描いていて。
その「強さ」が凄く、キラキラして眩しく見える。
日常ミステリは優しいお話が多いし、そういう話が私は好きだけれど。
このお話のキラキラした眩しさは、初めて出会った気がしました。それがこのお話が好きだと思えたところです。
後、やっぱり作者さんも私と同じように日常ミステリが好きなんだろうなーと思える部分が感じられて、何だか勝手に親近感を覚えるというか。
書きたいことが色々とあったりもしましたが、思いのままに書いたら、まとまりのない感想になりそうなので、短く端折りましたが。
出会えて良かったと思えた本でした。
シリーズ化されるようだったら、次も買います!

七つの海を照らす星七つの海を照らす星
(2008/10)
七河 迦南

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  • 2008
  • 10/28
  • Tue

「ロードムービー」 辻村 深月著


「ロードムービー」 辻村 深月著

誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用…。それぞれの物語を優しく包み込んで真正面から描く。「冷たい校舎の時は止まる」から生まれた珠玉の3編を収録。

↑本の内容紹介から。

「冷たい校舎の時は止まる」を読んでいなくても作品自体は単品として楽しめると思います。
が、やっぱり先に読んでおくことがお勧め。
辻村さんのお書きになる作品には、心にぐさりと突き刺さる痛みがあって、辛い、苦しい、重い、とか思うんですが。
多分、その痛みが生きているということを実感させる。
そして、その痛みが小説の登場人物を介して、他人に目を向けさせる。
(辻村さんの主人公はあまり共感できないところから入るんですが、読み終わった頃にはその人物の心理を理解している)
そういう考えの人もいるんだと、思わされる。
自分の痛みだけでなく、他人の痛みにも敏感になれる人間になりたいと、読み終わっていつも感じさせられます。
(いや、自分に対する痛みは鈍感な方がいいのか?)
子供時代特有の歪な人間関係は、本当に苦しくて。
表題作の「ロードムービー」は、何で、子供ってこうも残酷になれるんだろうと思うんですが、同じ子供でも真っ直ぐなまま揺るがない子もいて。
その強さが変わらないように、また苦しさに負けてしまわないようにと願います。
そして「道の先」で、少しだけ、世界が広がれば、大人になれば、苦しさを癒す方法を見つけられるはずだから――そう優しく教えてくれる。

とまあ、読みながら色々と感情を掻きまわされて。
だけど、その感情一つ一つに向き合えば、何か答えを見つけた気がする。
とても充実した読書でした。
良かったです!

ロードムービーロードムービー
(2008/10/24)
辻村 深月

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  • 2008
  • 10/25
  • Sat

「夜の光」 坂木司著


「夜の光」 坂木司著

慰めはいらない。癒されなくていい。本当の仲間が、ほんの少しだけいればいい。

本当の自分はここにはいない。高校での私たちは、常に仮面を被って過ごしている。家族、恋愛、将来……。問題はそれぞれ違うが、みな強敵を相手に苦戦を余儀なくされている。そんな私たちが唯一寛げる場所がこの天文部。ここには、暖かくはないが、確かに共振し合える仲間がいる。そしてそれは、本当に得難いことなのだ。

↑本の内容紹介から。

高校生活を「戦場」に見立て、その中で少しばかり馴染めない自分を「スパイ」として、日常を描く語り口調が面白いです。
多分、誰もがひっそりと自分の中にある悩みを抱えながら、戦って生きている。
それを知られたくない。馴れ合いたくない。
馴れてしまったら、戦えなくなってしまうから。
そんな登場人物たちの気持ちがよくわかってしまうのは、私も馴染めない人間なんだろうなーと思います(自覚ありさ)
でも、戦っているのは自分だけだと思ってしまったら、駄目なんですよね。
人それぞれ、悩みの形は違えど、戦っているんだと思えたら、まだがんばれる。
ほんの少し、この不器用さを理解してくれる人がいたら――ただ、それだけでいい。
それがタイトルの「夜の光」つまりは星なんだろうな。
傍にはいないけれど、同じように戦っている存在を夜空に見つけられたら、このお話のとても優しい温もりに気づけるんじゃないかと……真面目に語ってみたりして。
とても、良かったです!

話変わるけれど、坂木さんのご本に出てくる食べ物が、本当に美味しそうだ!

夜の光夜の光
(2008/10)
坂木 司

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  • 2008
  • 10/12
  • Sun

「ヘルマフロディテの体温」 小島てるみ著


「ヘルマフロディテの体温」 小島てるみ著

ある日、母が「男」になった。
それが始まりだった。
以来、シルビオの世界は少しずつゆがみはじめた。
人に言えない悪癖にとりつかれ、他者と交わることもできなくなったシルビオ。
そんなとき、背徳と情熱の町ナポリで
男でもない女でもない、謎めいた大学教授に出会う。
教授の出す奇妙な課題はさらに尋常ならざる世界へとシルビオをいざなう・・・・。
年老いた女装街娼や去勢された男性歌手、
伝説の人魚や両性具有の神たちが織りなす哀しくも優しい異形の愛の物語。

↑本の内容紹介から。

この間読んだ本「最後のプルチネッラ」
その作者さんの同時デビュー作「ヘルマフロディテの体温」読了。
(「最後~」感想、書きたいと思っていますが、なかなかまとまらず)
どちらの作品も、お話の中に別のお話を織り込むという構成で一つの作品を作り上げています。
「最後~」にしても「~体温」にしても、テーマが明確で、胸に一つの答えのようなものが残って、しっかりと「読んだ!」という充実感に浸れました。
新人作家ということで、これから追って行きたいと思います。
「ヘルマフロディテの体温」の方は、題材に両性具有といった「性」が扱われているので、どちらかというと大人向けでしょうか。
(そういった描写もあるので)
とはいえ、「性別」を取り立てて書きだしているということはなく、「人間」として男であるとか、女であるとか、そういった性別で、自分を縛るのではなく、何よりも自分らしくあること、それが一番自分を好きになる方法なんだな、と。
読み終わって思いました。

ヘルマフロディテの体温ヘルマフロディテの体温
(2008/04/03)
小島 てるみ

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  • 2008
  • 10/09
  • Thu

「花の旅 夜の旅」 皆川博子著



「花の旅 夜の旅」 皆川博子著

新人賞を受賞後、作家としては芽のでなかった鏡直弘の元に、ある旅行雑誌の編集者から連作小説の依頼が舞い込んだ。花の名所を題材としたグラビア「花の旅」に小説を添えるというその企画に張り切って取り組んだ鏡は、撮影班の取材旅行に同行するのだが…。作家自身の覚え書と作中作を交互に配置して驚愕の物語を紡ぎあげてみせる幻の初期傑作『花の旅夜の旅』、皆川ミステリの最高作との呼び声も高い、甘美かつトリッキーな恐怖小説『聖女の島』。現代最高の語り部・皆川博子の、まさに完璧な二長篇を一挙に収録。

↑本の内容紹介から。

「花の旅 夜の旅」は、内容紹介にあるように、作中小説と作者のノートによって書かれた、長編ミステリー。
構成が面白いです。
作中の短編やノートによって語り口調が変わるのも味があって、一気読みしました。
ネタバレしちゃうと嫌なので、あまり詳しく書きませんが。
別作品に出ていた、とある名前が出てきて、もしや猫はこれか?と本編とは全然関係ないところで、妄想しては笑ったり(本当、本編とは関係ない)
あとがきにあった作者様がやりたかった企みにも、くすり。
そうして、この文庫には「聖女の島」も収録されております。
(ちなみに、先日別本で「聖女の島」は読んだので、今回は再読しておりませんが)
長編二本が収録されたなかなかお買い得な文庫でした!
うん、「聖女の島」のノベルスと同じぐらいのお値段で、二作品も読めちゃうよ! お得ですね!

私は、先にノベルス版買っちゃったけどね!(……あう)

作中小説とか、別々の話だと思われたものが一つの結末に繋がる(答えを導き出す)といった作品が、私的に割と好きなので、楽しめました~。

↓アマゾンの方では、何だか値が上がっておりますが。
私は「セブン&ワイ」の方で、新品定価で買えましたよ。色々と探せば、新品で手に入るかも。

花の旅・夜の旅―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)花の旅・夜の旅―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)
(2001/08)
皆川 博子

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  • 2008
  • 10/08
  • Wed

「火村英生に捧げる犯罪」 有栖川有栖著


読感です。

「火村英生に捧げる犯罪」 有栖川有栖著

京都で、30歳のエステティシャンが扼殺された。ほどなくして、大阪府警に「これは火村英生に捧げる犯罪だ」という文面の挑戦状が届く。一方、作家の有栖川有栖のもとには「先生に盗作されたと言っている人物がいる」との怪電話が……。気鋭の犯罪社会学者・火村英生と、ワトソン役の作家・有栖川有栖が登場する人気シリーズ。表題作含む短篇4本、そして携帯サイトに掲載された掌篇4本の計8本、本格ミステリーの旗手の精緻かつ洒脱な作品世界にどっぷりお浸かり下さい。

↑本の内容紹介から。
「長い影」「鸚鵡返し」「あるいは四風荘殺人事件」「殺意と善意の顛末」「偽りのペア」「火村英生に捧げる犯罪」「殺風景な部屋」「雷雨の庭で」の八編収録。
掌編から短編ということで、さくさく、読めました。
表題作は、火村先生とありますが、何気にアリスが活躍(?)している。
しかして、この作品内で森下刑事と茅野刑事の会話の中で、コケにされているシーンが……。
「いつも見事に外してくれますもんね、あの人」って、本当のこととはいえ、森下さんっ!(何気に酷いな)
が、がんばれ、アリス!
そうして、アリスはやっぱりロマンチストだわと思うエピソードにくすり。
「殺意と善意の顛末」の謎は直ぐにピンときましたが……これに気づく私って、やっぱり、腹黒なんだと自覚したり。
他「殺風景な部屋」でのアリスが――いついかなる時もダイイングメッセージが書けるようにしておかなくては、と。
「ミステリー作家とはいえ、アンタ」と読みながら突っ込み入れつつ、そんなアリスが大好きさ。
うん、この本はくすくすと笑える部分がちりばめられてあって、軽快に楽しめました。
推理小説って難しそうと躊躇している人には、お勧めかも。

火村英生に捧げる犯罪火村英生に捧げる犯罪
(2008/09/25)
有栖川 有栖

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  • 2008
  • 10/01
  • Wed

皆川博子作品精華 「伝奇」 皆川博子著

途中だけど、読感。

皆川博子作品精華 「伝奇」 皆川博子著

ミステリー・幻想小説・時代小説の各分野にわたって活躍する著者の、入手困難な作品を含むジャンル別傑作選集完結編。伝奇時代小説編では、幻の初期長篇「海と十字架」と絵双紙「朱鱗の家」を完全収録。作品リスト付き。

↑本の内容紹介から。

ちまちまと読み進めていたこの本に収録されていた「絵双紙妖綺譚「朱鱗の家」」を読み終えたので(本全体からすると三分の一なのですが)途中だけど、読感。
全十二話からなる怪談集。
和風だったり中華・朝鮮風だったりと読み切りの短編が十二編、美しい文章で描かれていて……もう、うっとり。
このお話は絵双紙というように、挿画と対になっています。
(この挿画も一見の価値があると思いますよ!)
あとがきも収録されていて、それを読むと五本の話は絵の方が先に出来ているという。
ええっ?(びっくりするくらい、お話と絵がマッチしている)
怪談ということですが、切ない恋を描いたものもあって。
こういうお話が好きな人、結構多いんじゃないかなーと思ったり(ジャンルがジャンルなので、その手のお話が好きな人がこの本を取る機会はなさそうな気がします)
美しい文章に色気があって(そういう描写をしているわけではない)妖艶という言葉が似合う。
しかも、私好みの妖しい世界を(妖しいといっても、「あやかし」の妖しいね!)描いていて、もうこの「絵双紙妖綺譚「朱鱗の家」」だけで、本代の元をとったと思えます。堪能堪能!
さらに驚くことに、一編の作品は20枚だっていう。たった、20枚の文章量の中に、あれだけ濃密な世界が描かれているなんて……す、凄いです。
機会がありましたら、是非、図書館などで手にとってみてくださいな。
「幻妖」と違って、まだ買えそうでもありますが。
「寵蝶の歌」「闇彩の女掛」「双笛」「孔雀の獄」が私的に、好きです。

皆川博子作品精華 伝奇―時代小説編皆川博子作品精華 伝奇―時代小説編
(2001/12)
皆川 博子日下 三蔵

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