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松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
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  • 2009
  • 03/28
  • Sat

「半身」 サラ・ウォーターズ著


「半身」 サラ・ウォーターズ著

独房からは信じがたい静寂が漂ってきた。獄内の静けさを残らず集めたより深い静謐が。それを破ったのは溜息。わたしは思わず、中を覗いた。娘は眼を閉じ…祈っている!指の間には、鮮やかな紫―うなだれた菫の花。1874年秋、倫敦の監獄を慰問に訪れた上流婦人が、不思議な女囚と出逢う。娘は霊媒。幾多の謎をはらむ物語は魔術的な筆さばきで、読む者をいずこへ連れ去るのか?サマセット・モーム賞受賞。

↑本の内容紹介から。

日記という形式で綴られています。
陰鬱な監獄の描写が緻密で、息が詰まるような重苦しい感じが、生きることに希望を抱けない主人公マーガレットの心情と重なって、重い。
そんな中で慰問のマーガレットが出会った、霊媒という妖しい雰囲気を持つ女囚シライナ。
段々と女囚に傾倒していく様が、重々しい雰囲気の中で読む者を引っ張ります。
そうして、驚く真実。

ネタバレ反転→(真相は、割と私が予測していたところに落ち着いたので、そこまでビックリ感はなかったのですが。
マーガレットのシライナへの傾倒ぶりがアレだったので……ラストは痛々しくて、少し辛かったです。


同性愛(レズ)傾向にあるので、読む場合にはご注意を。

半身 (創元推理文庫)半身 (創元推理文庫)
(2003/05)
サラ ウォーターズ

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  • 2009
  • 03/22
  • Sun

「北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く」 北村薫著


「北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く」 北村薫著

「早稲田大学で教えた二年間、教室でこんな事を話していました」―ドラマ、映画、落語、朗読、短歌、舞台美術、音楽…さまざまな表現に“スパークする”小説家の創作魂。「その人でしかありえない」表現の秘術。より深く味わうための心得、「伝える」こと「分かる」ことの奥義。小説家の頭の中、胸の内を知り、「読書」で自分を深く探る方法を学ぶ。

↑本の内容紹介から。

大学の講義を本にまとめたもので、録音から本にしたものだからか、穏やかな語り口調で綴られています。それ故に実に素直に、頭の中に入ってきます。
小説を書くための技術的なことを教えるというよりは、「伝えること」「わかること」の他にも、「見ること」「聞くこと」「読むこと」といった、自分を作る感性を磨くことの大事さを教えてくれるご本でした。
もう、小説を書く人や本を読む人だけでなく、誰もがこの本を読めばいいと、オススメしたいです。
そうすると、自分の世界が広がる。今までと違う見方ができる。少しだけかもしれないけれど、人に優しくできると思います。
また、歌人や編集者を招いて話を聞いたりしているので、その辺りのお話も興味深く、講義に使われた塚本邦雄の瞬編小説が載っていたり(こんな機会がなければ読まなかったと思うんだけど。読んだら、惹きこまれた)
色々とまた、私の世界を広げて頂きました!この本に出会えたことに、感謝。

↓北村さんらしいなと、心に残った言葉。

すたすたと歩いているいつもの道、いつもの生活の中にも、そういう《はてなの種》は転がっている。それを見つめられる柔らかな心を持つことが、やがては他を思いやることにも繋がっていく。――そんなことを考えた。 「P144」

分からないものを、ただもう全否定するのではなく、敬意をもって見つめてみると、そこから何かが見えてくるか知れません。 「P312」

「北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く」 北村薫著から


北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)
(2008/05)
北村 薫

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  • 2009
  • 03/16
  • Mon

「孔雀狂想曲」 北森鴻著


「孔雀狂想曲」 北森鴻著

日々是好日? 骨董品をめぐって今日も事件が…。
いつも開店休業状態の下北沢の骨董屋・雅蘭堂。でも人々の思いのこもった「モノ」をめぐって事件が起きれば、雅蘭堂主人は名探偵となって謎を解決! 傑作ミステリ連作短編集。

↑本の内容紹介から。

流行っているとは言い難い骨董屋「雅蘭堂」の、店主・越名集治と押しかけ女子高生アルバイト・安積のやり取りが可笑しくて、楽しいのに加えて、骨董品への興味をそそるうんちくの数々。
また、骨董品につきものの「贋作」を巡っての狸と狐の化かし合いなど。
短編なのに中身が濃い作品集でした。
特に越名さんの兄と因縁のある犬飼という骨董商とのお話は「古九谷焼幻化」「幻・風景」は面白かった。
時に殺人事件に発展しますが、直接事件に遭遇しているというわけではなく、物を挟んで遭遇しているのでそこまで生々しくなく。
上記に書いたやり取りが、殺伐さを解消して、読後は悪くない。
越名さんも取り立てて人格者とは言えないけれど、固くもなく、柔らかくもなく、熱血でもないけれど冷め過ぎてもいない。
絶妙なぬるさを感じる魅力的なキャラでした(←言ってて、よくわからない)
そんな越名さんの一人称で大抵は語られる(幾つかは他人視点が入っていたり)短編八編。良かったです。この作家さんの他の作品も読んでみたい。

↓気にいっているシーン(かわいそうな子を見るような表情を想像すると、笑う)

「その言い方、ひっど~い。安積だって傷つくんだからね」
「大丈夫だ、お前の打たれ強さは日本でも五本の指に入る」
「まあ、そこまで褒めてくれるんなら許してあげる」
 ――救いようのない性格だな。
 少しだけ不憫な気がして、それ以上の小言は止めることにした。

「孔雀狂想曲」 北森鴻著から


孔雀狂想曲 (集英社文庫)孔雀狂想曲 (集英社文庫)
(2005/01)
北森 鴻

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  • 2009
  • 03/04
  • Wed

「小袖日記」 柴田よしき著



「小袖日記」 柴田よしき著

不倫に破れて自暴自棄になっていたあたしは、平安時代にタイムスリップし、『源氏物語』を執筆中の香子さまの片腕として働くことに…。平安の世も、現代も、女は哀しくて強い―。「夕顔」「末摘花」「葵」「明石」「若紫」をめぐる物語。

↑本の内容紹介から。

紹介文にあるように、不倫していた相手の奥さんが妊娠したことによって別れを持ち出された「あたし」が「死んでやる」と自暴自棄になっていたところを雷に打たれて、パラレル平安時代に(実際の過去とはちょっと違う)タイムスリップ。
タイムスリップと言っても、肉体は当時その場にいた人の身体。
中身だけが入れ替わったという設定で、その肉体「小袖」は香子さまこと紫式部に仕え、「源氏物語」のネタを仕入れてくる担当だった。
というわけで、小袖は色々とお話のネタになりそうな噂を聞き回る。
「夕顔」の死の真相、「末摘花」は何故、ブスとして描かれたのか?などの視点から、源氏物語の裏側を語っていく(勿論、フィクションですよ)過程はミステリっぽく、楽しめました。
現代人の感覚で平安時代をわかりやすく語ってくれるので、さくさく読めます。
また現代人の視点を通すことで、当時は怪異の一言で片づけられていたことも、違う真相が見えてきたり(この辺り、日常の謎的なミステリとして私好みでした)
そうして、この時代に生きる女性たちの哀れさ、強さなどを通して「あたし」が成長していく。
「葵」のお話などは、特に好きでした。
出て来る女性たちが、また魅力的に描かれていました。
サクサク読めるので、重厚感はないですけれど。
とても楽しめました!

小袖日記小袖日記
(2007/04)
柴田 よしき

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  • 2009
  • 03/03
  • Tue

「読み違え源氏物語」 清水義範著

「読み違え源氏物語」 清水義範著

夕顔は実は生きていた! その驚くべき正体と、事件の黒幕とは? ミステリー「夕顔殺人事件」を始め、源氏物語を斬新に解釈する八篇

↑本の内容紹介から。

源氏物語を色々な切り口から、語り直した八編の短編集です。
源氏物語を下敷きにしているだけで、一つ一つに繋がりはありません。
「夕顔殺人事件」推理小説を一万冊以上読んだミステリー・マニア千原章太郎(←何か、私好みの変わり者の匂いがした)が源氏物語を推理小説として読むと面白いという。
いや、普通はそんな読み方しないだろというところを、ミステリとして読みこんで語る千原の推理に思わず、「夕顔は××だったのかっ?」と、丸めこまれそうになりました(笑)
「プライド」は六条御息所を熟女女優に据えて、現代風に描いています。「愛の魔窟」も企業の派閥を源氏物語の人間関係に重ねて、朧月夜の話を。
「ローズバッド」は末摘花のお話を海外を舞台に、「最も愚かで幸せな后の話」は藤壺の話を寓話風に、フジツボーシャ、ヒカリッぺと言った感じで。
「かの御方の日記」は葵の上の視点から。「うぬぼれ老女」は典侍の視点から。
「ムラサキ」は園芸趣味の干刈源一が希少な高原植物「ムラサキ」を育てるという。
どれも原作とは違う角度や味付けで描かれておりますが、うん、源氏物語だった!(笑)
「ムラサキ」なんて、花を育てている話なのに、もうそのまま源氏物語の紫の上の話と言えるような。
ざっくりと「源氏物語」の流れを知っていると、面白い。
逆にこの本を読んでから「源氏物語」に入ると、古典という取っ付きにくさを払拭してくれるんではないでしょうか。
楽しかったです!

読み違え源氏物語読み違え源氏物語
(2007/02)
清水 義範

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