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松原冬夜

Author:松原冬夜
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  • 2010
  • 01/31
  • Sun

「香菜里屋を知っていますか」 北森鴻著


では、読感。

「香菜里屋を知っていますか」 北森鴻著

お客さまが持ち込む謎と、その解決。それが当店の裏メニューです。マスターの工藤が作るちょっとした料理と、アルコール度数の異なる4種のビールが自慢のビア・バー香菜里屋が消えた…。人気「香菜里屋」シリーズ完結編。

↑本の内容紹介から。

文庫化を待っていたのですが、作者様の訃報に手を取りました。

シリーズを通して、全体的にほろ苦く、切ないお話が多いです。
舞台がビアバーであることから、登場人物たちの年齢層が高く、大人向けといったところでしょうか。
勿論、なかには読後爽やか、ほのぼのと言ったお話もあります。短編連作なので、色々な趣向が楽しめます。

そんな、「花の下にて春死なむ」「桜宵」「 螢坂」に続く香菜里屋シリーズの最終巻。

お話のテーマがお別れ(旅立ち)で、読んだこのタイミングもあるかもしれないけれど、色々と感慨深いです。
「ラストマティーニ」などは、もう……。
最終話「香菜里屋を知っていますか」では、もう会えないと思っていた他のシリーズのキャラが出てきて、嬉しかった。
(雅蘭堂の越名さんや安積ちゃん。しんみりとした雰囲気の中で、この二人のやり取りはコミカルで楽しい)
お話に添えられる、工藤マスターの作る料理はやっぱり美味しそうです。

ポイントは二種類の玉ねぎなのだそうだ。といっても、炒めかたが違うだけのこと。一方は、あめ色になるまでじっくりと炒めた玉ねぎで甘みとコクを出し、一方はしゃきしゃき感を残した玉ねぎで歯ごたえと香りを出すのだとか。恐れ入りましたとしかいいようがない、ひと口ミートコロッケの出来上がりであります。圧倒的に肉が多いからミートコロッケ。でも断じてメンチカツではない。

(「香菜里屋を知っていますか」 P108より)


他にも、ジャガイモと牛肉を甘辛く煮詰めたいわゆる肉じゃがを中味にしたオムレツだとか。
作り方の手順も書かれているので、いつか挑戦したい。
香菜里屋の閉店に、お別れは寂しいけれど、ごちそうさまでした。
ありがとうございました、と言いたいです。

北森さんの作品には、お酒や美味しそうな料理がよく登場します。
その辺りの描写も「お酒」や料理の名前だけで片づけない。
ので、ミステリということに拘らず、美味しい料理やお酒が好きな方は、読むと胃が刺激されるのではないでしょうか。

香菜里屋を知っていますか香菜里屋を知っていますか
(2007/11/29)
北森 鴻

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花の下にて春死なむ (講談社文庫)花の下にて春死なむ (講談社文庫)
(2001/12)
北森 鴻

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桜宵 (講談社文庫)桜宵 (講談社文庫)
(2006/04/14)
北森 鴻

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螢坂 (講談社文庫)螢坂 (講談社文庫)
(2007/09/14)
北森 鴻

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  • 2010
  • 01/27
  • Wed

「論理は右手に」 フレッド・ヴァルガス著

「論理は右手に」 フレッド・ヴァルガス著

パリの街路樹の根もとに落ちていた犬の糞から出た人骨。元内務省調査員の変わり者・ケルヴェレールは、独自の調査を開始する。若い歴史学者マルク=通称聖マルコを助手に、彼はブルターニュの村の犬を探り当てる。そこでは最近老女が海辺で事故死していた。骨は彼女のものなのか?ケルヴェレールが、聖マルコ、聖マタイとともに老女の死の真相に迫る。“三聖人シリーズ”第二弾。

↑本の内容紹介から。

三聖人シリーズの第二弾ということだけれど、主人公はケルヴェレールだったんじゃ…。
何しろ、三聖人のルカこと、リシュアンはマルクの荷造りを手伝うのに顔を出しただけ。マタイこと、マティアスは後半ちょっと活躍した。
マルコこと、マルクは何だかんだと言いながら、結局放っておけずに、ケルヴェレールを助けて、首を突っ込んでいる。
そんなマルクが好きだ。
出番があまりなかった二人の穴を埋めているケルヴェレールのキャラが、また個性的。
ヒキガエルをポケットに入れて、連れて歩いているよ! 話しかけているよ!
個性的なキャラは、魅力的でした。
内容は事件そのものを探すというところから入る。
ので、お話がどういう方向へ転ぶのか、わからないじれったさはあるものの、キャラが面白いので飽きることはありませんでした。
この作者の本がもっと翻訳されて欲しいです。
(後、作者のもう一つのシリーズとちょっと関連性が見えて、個人的に「おっ」と思った)

論理は右手に (創元推理文庫)論理は右手に (創元推理文庫)
(2008/04)
フレッド ヴァルガス

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  • 2010
  • 01/26
  • Tue

「幽霊の2/3」 ヘレン・マクロイ著



「幽霊の2/3」 ヘレン・マクロイ著

出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで絶命してしまう。招待客の一人、精神科医のベイジル・ウィリング博士が、関係者から事情を聞いてまわると、次々に意外な事実が明らかになる。作家を取りまく錯綜した人間関係にひそむ謎と、毒殺事件の真相は?名のみ語り継がれてきた傑作が新訳で登場。

↑本の内容紹介から。

序盤は人間関係、その立ち位置を説明する感じであまり入り込めませんでしたが、事件が起こってからは割と引っ張られるように読めました。
アメリカ出版業界の裏事情は興味深く読め、またそれを題材にしている作者の皮肉が面白かった。
ある種、喧嘩を売っているような(笑)
きっと、自分が言われたことあるんじゃないかなと邪推したり。
「プロットがある小説は売れない」「ミステリ小説は本のうちに入らない」とか、云々。
これは自分の小説に自信がないと書けないんじゃないかな。
トリックは50年以上前の作品なので、目新しくもないですが、色々と面白かったです。

幽霊の2/3 (創元推理文庫)幽霊の2/3 (創元推理文庫)
(2009/08/30)
ヘレン・マクロイ

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  • 2010
  • 01/11
  • Mon

「死者を起こせ」 フレッド・ヴァルガス著



「死者を起こせ」 フレッド・ヴァルガス著

ボロ館に住む三人の失業中の若き歴史学者たち。中世専門のマルク、先史時代専門のマティアス、第一次大戦専門のリュシアン。隣家の元オペラ歌手は、突然庭に出現したブナの木に怯えていた。脅迫ではないか? 夫はとりあわず、三人が頼まれて木の下を掘るが何も出ない……そして彼女が失踪した。ミステリ批評家賞受賞の傑作。

↑本の内容紹介から。

貧乏暇ありの三人の歴史学者がそれぞれ個性的です。
先史時代専門のマティアスは落ち着いた感じですが、縛られる感じが嫌らしく、自室では真っ裸(←そうして、うっかり靴を履き忘れたり、そのままの格好で(この時は真夜中だったけれど!)外に出る)
第一次大戦専門のリュシアンは、マティアスと反対に落ち着きがなく、日常会話に戦争用語を混ぜ込む。
そして、中世専門のマルク。
歴史馬鹿とも言うべき三人は、自分が専攻する時代以外を推すそれぞれに難色を示しながらも、貧乏故に妥協しボロ館で同居する。
そんな三人プラス、マルクの伯父さんの四人の、会話ややり取りが楽しいです。
そんな彼らは隣人から悩み事を相談され、事件に首を突っ込む形に。
そうしながら、マルクとマティアスはそれぞれ恋をしては、彼女たちの疑いを晴らそうと犯人捜しをすれば、どんでん返しに真相は二転三転と、ミステリとしても読んでいて楽しかったです。

死者を起こせ (創元推理文庫)死者を起こせ (創元推理文庫)
(2002/06)
フレッド ヴァルガス

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  • 2010
  • 01/11
  • Mon

「Another」綾辻行人著

「Another」綾辻行人著

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。

↑本の内容紹介から。

語りが中学三年生の一人称ということで、文章は読みやすく、670ページ近くありましたが、サクサクと。
止めるに止められず、一気読み(読み終えたのは、丑三つ時!)
前半部分は「何が?」「何で?」という部分が明らかにされず、違和感がざらざらした感触で気持ち悪いような。
少しずつ、主人公が置かれている立場が明確になっていけば、呪いを解くためとはいえ、それらを行ってしまう部分が怖い。
(追い詰められているのはわかるけれど、でもな……)

後半部分は「誰が?」を伏線がちゃんと張ってあるので、読んでいるこちら側も推理できる、ミステリ的な楽しみもあり、面白かったです。
(私は、いいところまで詰めたけれど、その人の肩越しに別の人を指差してしまったという……苦笑)

一応、ホラー小説ということですが、呪いの条件がある程度決まっているので、読んでいるこちら側はそれほど恐れ戦くといった怖さはないと思います。
(登場人物たちの行いに、私は怖れを抱きましたが)
ただ、死が出るシーンではスプラッタ的な描写があるので、流血が苦手な方は注意した方がいいかも。

AnotherAnother
(2009/10/30)
綾辻 行人

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