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January February March April May June July August September October November December
2010(Tue)

「ノンストップ!」 サイモン・カーニック著

読感/翻訳小説



「ノンストップ!」 サイモン・カーニック著/

電話の向こうで親友が殺された。死に際に僕の住所を殺人者に告げて。その瞬間から僕は謎の集団に追われはじめた。逃げろ!だが妻はオフィスに血痕を残して消え、警察は無実の殺人で僕を追う。走れ、逃げろ、妻子を救え!平凡な営業マンの決死の疾走24時間。イギリスで売上40万部、サスペンス史上最速の体感速度を体験せよ。

↑本の内容紹介から。

タイトル通り、事件が起こってから息をつく間もなく疾走する、(エピローグを除けば、一昼夜の話)ジェットコースター小説です。
前置きの長い小説が多い中、早々から事件は起こり、主人公は自分が巻き込まれた状況がわからないまま、ただ命の危険があることだけは理解しつつ、逃げる!
同じように読んでいるこちらも、何が起こっているのか気になって追いかける!
主人公の一人称だけで突っ走るかと思いきや、捜査側の視点や殺し屋の視点も入のですが、状況が掴めるどころか、複雑な背景に先が読めず、気が抜けません。
何度かのどんでん返しに、誰が味方で誰が敵なのかもわからなくなる。
主人公は特にスポーツマンってわけでもなく、平凡な営業マンで、かなり傷だらけになっていて痛々しいやら……。
そうして、ようやく主人公が巻き込まれた経緯がわかったと思ったら(ネタバレ反転→奥さんが殺された主人公の親友と不倫していて、その結果という……。それを主人公は初めて知ったとか。主人公は本気で、無関係だったとか!)踏んだり、蹴ったりな状況に思わず同情を覚えます。……が、がんばれ。
後、捜査側の刑事コンビが何気に好き。ボルト警部補とモー巡査部長。互いに信頼し合っている感じが良かったです。(ボルト警部補が主人公のシリーズとか出たら、読みたいなー)
ただ、主人公は巻き込まれ、勢いで突っ走っている話なので、事件の細かな謎は残されている部分があります。
二時間ぐらいの娯楽サスペンス映画を見る感覚で読むのが、丁度いいかも。

ノンストップ! (文春文庫)ノンストップ! (文春文庫)
(2010/06/10)
サイモン・カーニック

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January February March April May June July August September October November December
2010(Mon)

「ポロメリア」 Cocco著

読感/国内小説



「ポロメリア」 Cocco著

過去も未来も愛してるけど、“今”が要らないんだ―。朝一番グランドの隅っこで校舎の4階から飛び降りた私は地べたに転がって、まだ生きている。その花の香りと、二度と戻らない日々の記憶。アーティストCocco、初の小説。

↑本の内容紹介から。

中学生に入学した少女の一週間(回想で過去が色々と語られている)の、作者であるCoccoの自伝的小説です。
強く見えて、繊細な思春期がCoccoの歌の歌詞同様、ときに剥き出しで凶暴な、表現で綴られていました。
同時に沖縄や家族への溢れんばかりの愛情も。
中学生になって、少女から女性(初潮を迎えて)に変わった瞬間、「今」が「今」のままでは在り続けられないことを知ったから、未来に夢があって、愛すべき人たちに囲まれていても、投げ捨ててしまいたい「今」があるのかな、と感じたり。
Coccoの歌を知っていると、あの曲のエピソードだと思うところもありました。
「2 おさげ」の書き出しは、ママ譲りの赤毛~と「Raining」の唄い出しだったり。

後、昨今の基地移転問題があったから、小説の中で下の一文が余計に胸に響いて痛かったです。

 戦争はもう遠い昔の遠い国のお話だろう。ビッグジャパンから遊びに来る人や、転入生を見ているとそう想った。彼らにとって“戦争”はもう終わった出来事だった。繁華街や学校の裏に残るガマも、島中に眠る何万といわれる不発弾も、その爆破事故も、けたたましい米国の演習や、国道を普通に走る武装したトラックや戦車も、彼らにとっては、物珍しいオキナワの見所の一つのようだった。
(「ポロメリア」Cocco著 P69より)

ポロメリアポロメリア
(2010/05)
Cocco

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January February March April May June July August September October November December
2010(Sun)

読感。

読感/国内小説



「薔薇を拒む」 近藤史恵著

施設で育った内気な少年・博人は、進学への援助を得るため、同い年の樋野と陸の孤島にある屋敷で働き始めた。整った容姿の樋野には壮絶な過去が。博人は令嬢の小夜に恋心を抱くが、陰惨な事件で穏やかだった生活は一変する。それは悪意が渦巻く屋敷で始まる、悲劇の序章に過ぎなかった―。

↑本の内容紹介から。

陸の孤島のような、湖畔の淵に佇む洋館で紡がれる物語は、静穏の中に一滴の毒が緩やかに滲んでいくように進行します。
理数系が好きで大学進学を希望している主人公の博人さんは、孤児で施設育ち。そんな彼の下に持ち込まれたのは、数年、人里離れた別荘で住み込みで働けば、大学進学資金を援助してくれるというもの。
施設でも身の置き所がなかった博人さんは別荘地へ向かいます。そこには同じ条件で雇われた樋野くんも。
二人の共通点は帰る場所がないことと、整った容姿。
そして、別荘には二人と年頃が近い美少女が。博人さん、樋野君はやがてその少女に惹かれていくが……。
こう書くと、愛憎ドロドロのイメージを浮かべるかもしれませんが、お話は静謐です。
現実離れした感じのある空間に、ただ静かに……毒が(何者かによる思惑が)滲んでいく。
初めて落ち着ける場所を見つけた博人さんが、現状が一日でも長く続くことを願う中で、毒が内側から彼の夢を蝕んでいくような物語は、物悲しく、ラストはほろ苦かったです。
劇的な謎解きはなく、耽美な(っても、エロくはないよ)雰囲気を味わうお話でした。

薔薇を拒む薔薇を拒む
(2010/05/27)
近藤 史恵

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08

January February March April May June July August September October November December
2010(Tue)

「ぼくの名はチェット」スペンサー・クイン著

読感/翻訳小説


「ぼくの名はチェット」スペンサー・クイン著

リトル探偵事務所に持ち込まれた、ある優秀な女子高校生の失踪事件。母親の心配をよそに、一度は何事もなく帰宅した娘が再び姿を消し、元刑事でバツイチの私立探偵バーニー・リトルは誘拐事件と判断、相棒の大型犬チェットと調査を開始した。しかし、身代金要求はなく、父親である不動産業者は、単なる家出だと主張して誘拐事件とは認めず、バーニーは解雇されてしまった!警察犬訓練所を優秀な成績で卒業…は、できなかったが、とにかく優秀で愛すべき名犬チェットも、おのれの嗅覚を信じ、危険もかえりみずバーニーをサポートするが…。チェットが犬の視点、犬の心ですべてを語る、全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作ミステリ。

↑本の内容紹介から。

警察犬学校を優秀な成績で卒業しそこなった……(具体的に理由は書かれていないけれど、何となくわかるぞ)チェットの一人称で、このお話は全編綴られています。
犬視点です。
勿論、人間の言葉が話せるわけではありません!(人間の言葉はわかるけれど、難しい言い回しは理解できずに勘違いします)
そんなチェットのキャラが魅力的。
バーニーの相棒は自分だと、一人前ぶっている男の子みたいな感じです。
落ちている食べ物には目がなく、目先のことに囚われると大事なことを忘れてしまう、落ち着きのない名犬です。
そんなチェットの飼い主、バーニーは私立探偵。従軍経験があり、射撃の名手、警察からも信頼されているけど……基本的に、金欠。
こちらのバーニーもチェットを大事にし、自然を愛し(砂漠で水資源を無駄にしているのを見ると不機嫌になる)お金にならないとわかっていても、最後まで捜査を続ける。
そんな二人の絆がね、いいんですよ!
途中で、チェットとバーニーが引き離されるんですが。
(ネタバレを考慮して反転→チェットが誘拐される。そこでチェットを飼い慣らそうとする奴が出てくるんだけど、チェットは「自分の飼い主はバーニーだけだ」とヘロヘロに弱りながらも、抵抗する
再会するまでにも、また色々と波乱があって、ハラハラドキドキ。
そうして再会できたときには「良かった、良かったね!」と心の底から思った←この時点で、お話はまだ半分!
その後もまた色々とハラハラドキドキで、最後まで手に汗握りました。面白かった!
犬を飼っている人や犬好きさんだけではなく、YA世代にもチェットの冒険小説として、楽しめるのではないかと思います。
二作目刊行が、今から待ち遠しいです!

ぼくの名はチェット (名犬チェットと探偵バーニー1) (名犬チェットと探偵バーニー 1)ぼくの名はチェット (名犬チェットと探偵バーニー1) (名犬チェットと探偵バーニー 1)
(2010/05/28)
スペンサー・クイン

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January February March April May June July August September October November December
2010(Sun)

「ハーレムの女たち」 澁澤幸子著

読感/その他


「ハーレムの女たち」 澁澤幸子著

16世紀後期、オスマン宮廷は、カドゥンラール・スルタナトゥ(女人政治)と呼ばれる時代に入った。スルタンの母后、寵姫、皇女たちが権力を握り、幼帝や無気力、凡庸なスルタンを操って政治に介入した時代…。妖艶かつ残酷に繰り広げられる歴史ロマン。

↑本の内容紹介から。

16世紀後期〈女人政治〉時代の、女性たちを中心に歴史を語っています。
当時の風習とか、覇権争いなど、色々と興味深く読めました。
即位した皇子以外の兄弟たちは皆処刑とか(……残酷ですね)
後に血筋を絶やさぬために幽閉処分するようになったけれど、そうして幽閉された皇子が後に即位すれば、無気力だったりとか。
そんなスルタンの背後で、ハーレムの覇権を握る皇太后。
寵姫に力を持たせないよう、スルタンの寵愛が一点に集中しないよう、他の美女を差し出したりとか。
女たちの争いなども書かれていましたが、女性の内面から描くと言うより作家がこういう人だったのだろうと言う、推測の視点から描いているので、愛憎劇はあれど、さほど生々しいドロドロ感はなく、読みやすかったです。
ハーレムの内部に興味ありの方には、オススメかと。

ハーレムの女たちハーレムの女たち
(1999/04/26)
澁澤 幸子

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