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January February March April May June July August September October November December
2011(Mon)

「メロディ・フェア」 宮下奈都著

読感/国内小説



「メロディ・フェア」 宮下奈都著/

大学を卒業した私は、田舎に戻り「ひとをきれいにする仕事」を選んだ。けれども、お客は思うように来ず、家では化粧嫌いの妹との溝がなかなか埋まらない。そんなある日、いつもは世間話しかしない女性が真剣な顔で化粧品カウンターを訪れて――いま注目の著者が、瑞々しさと温かさを兼ね備えた文体で、まっすぐに生きる女の子を描く、ささやかだけど確かな“しあわせ”の物語。

↑本の内容紹介から。

幼い頃から何故か口紅に心惹かれていた主人公の結乃さん、化粧品に関心を持たない母と妹との間でわかりあえない気がして家を出ていたけれど。
人を綺麗にする仕事がしたくて田舎に帰り、ビューティーパートナー(お店の化粧品カウンター内にいる美容店員)になった……わけだけど。
就職できたのは大手ではなく中堅どころで、まして職場はデパートではなくショッピングモール。
前任者はかなり美人だったらしく、色々と比較され。
そして職場の同僚は凄腕で、お客さんはそちらを指名してくる。
やりたいことはあるのに、理想どおりにいかない現実に、くよくよしてしまう。
そんな誰もが抱えているような悩みを、派手さはないけれど、等身大で描かれていて。
方言を交えた穏やかな文章が、するりと言葉が内側に沁みてきて、柔らかく心をほぐしてくれる感じでした。
読み終わった後は、うん、何だか自分もがんばりたくなっちゃうような温かさで。
自分の好きなもの、好きなこと。
それを一つ確信するだけでも強くなれると思わせくれるお話でした。
女性にオススメです。
きっと、読み終わった後は口紅をつけて、気分を変えたくなちゃうのではないでしょうか。

メロディ・フェアメロディ・フェア
(2011/01/14)
宮下奈都

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22

January February March April May June July August September October November December
2011(Sat)

「ちあき電脳探偵社」 北森鴻著

読感/国内小説



「ちあき電脳探偵社」 北森鴻著/

桜町小学校に転校してきた鷹坂ちあきは、サラサラ髪にえくぼがかわいい女の子。でも、不思議な事件に遭遇すると大変身! 鋭い推理力とアクティブさで謎に挑んでいく。学校の前の桜の花が一夜にして消えた謎に迫る「桜並木とUFO事件」。あかずの倉庫に出没する幽霊の正体を暴く「幽霊教室の怪人事件」ほか、 2010年1月に急逝したミステリーの名手が遺していた、謎解きの魅力に満ちた連作推理短編集、初の書籍化。

↑本の内容紹介から。

低学年の児童向けに書かれた短編連作集です。
北森さんがデビューした後、不遇時代に生活を支えていた連載で、一回20枚という制約が故に、余計な枝葉をつけられない分キャラは特徴を端的に出していると言いますか。
うん、真顔で言ってしまうなら今時、こんな可愛い子どもたちはいないよ!(←マテ)と突っ込みが入るかと思います。
ええ、多分、小学生でももう少しひねていると思うし、小狡さも持っている気がします。
でも、このお話に出てくる子供たちは、何と言うか、良いこと、悪いことは知っていても、狡さとかは知らない感じ。
それ故に純朴と言いましょうか、子供たちが可愛く、読んでいてニッコリしちゃうお話でした。
子供向けに書かれていますが、大人が読んでも楽しいと思います。
(難しいことを考えようとせずに、子供に戻って)
出来ればイラストをふんだんに使って、児童書用に装丁して欲しかった気がします(小さい子にプレゼントしたい)
多分、北森さんのファンに向けての文庫化だったのだろうなー。
それでも読めて、嬉しかったです!

ちあき電脳探偵社 (PHP文芸文庫)ちあき電脳探偵社 (PHP文芸文庫)
(2011/01)
北森 鴻

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16

January February March April May June July August September October November December
2011(Sun)

「蛇、もっとも禍し 上・下」 ピーター・トレメイン著

読感/翻訳小説


「蛇、もっとも禍し上」 ピーター・トレメイン著/

女子修道院で、頭部のない若い女性の死体が見つかった。腕に結びつけられた木片には、アイルランドの古い文字オガムが刻まれ、掌には十字架を握りしめていた。事件を調査すべく海路修道院に向かう途中、フィデルマは乗組員がいきなり消え失せたかのように、無人で漂う大型船に遭遇、船内で思いもよらぬ物を発見する。王の妹にして弁護士、美貌の修道女フィデルマの推理が冴える。

「蛇、もっとも禍し 下」 ピーター・トレメイン著/

女子修道院での調査は困難をきわめた。高慢な修道院長に、敵意に満ちた修道女たち。地方代官と修道院長は、兄妹であるにもかかわらず憎みあっている。さらに地方代官のもとには、修道院長の元夫や、フィデルマの兄であるモアン王と対立している小王の子息らが滞在していた。複雑に入り乱れる人々の感情と思惑。そして第二の殺人が…。好評フィデルマ・ワールド、長編第三弾。

↑本の内容紹介ら。

「幼き子らよ、我がもとへ」のほぼ直後のお話です。
女子修道院で首なし死体発見され、事件の調査に向かったフィデルマの前に無人の大型船。
まるで、幽霊船のようなそこには、彼女の友人であるエイダルフ修道士がいた痕跡が残されていた。
フィデルマとしてはその行方が気になりつつも(信頼のおける友人という間柄ながらも、自分にとって大事な人だと気づく辺りのフィデルマにちょっとニヤついてみたり)
修道院での捜査に取り組めば、まあ……毎度のことながら、鼻もちならない人たちが登場するわけで(笑)
修道院長や彼女の権力の笠に着た若い修道女たちの傲慢さと、例のごとく、バチバチと火花散るやりとりがあったり。
そんななかにも新たな殺人に、さらには陰謀の影と、入り組むお話の展開に目が離せませんでした。
犯人は割と怪しい人が怪しかったりするのですが、犯人探しだけに留まらないお話の盛り上げ方が上手く、最後までグイグイと読ませるのがこのシリーズの魅力かと。
ドロドロとした人間関係やフィデルマの性格が受け入れられたら、ハマります(ハマりました)

蛇、もっとも禍し上】 (創元推理文庫)蛇、もっとも禍し上】 (創元推理文庫)
(2009/11/10)
ピーター・トレメイン

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蛇、もっとも禍し下】 (創元推理文庫)蛇、もっとも禍し下】 (創元推理文庫)
(2009/11/10)
ピーター・トレメイン

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↓今月末に出る新刊が楽しみです!(予約済み)
死をもちて赦されん (創元推理文庫)死をもちて赦されん (創元推理文庫)
(2011/01/26)
ピーター・トレメイン

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15

January February March April May June July August September October November December
2011(Sat)

「プラスマイナスゼロ」 若竹七海著

読感/国内小説



「プラスマイナスゼロ」 若竹七海著/

ある時、センコーがアタシらを見てこう言った―「プラスとマイナスとゼロが歩いてら」。不運に愛される美しいお嬢様・テンコ、義理人情に厚い不良娘のユーリ、“歩く全国平均値”の異名をもつミサキの、超凸凹女子高生トリオが、毎度厄介な事件に巻き込まれ、海辺にあるおだやかな町・葉崎をかき乱す!学園内外で起こる物騒な事件と、三人娘の奇妙な友情をユーモアたっぷりに描いた、学園青春ミステリ。

↑本の内容紹介から。

容姿端麗、品行方正ながらに不運に恵まれている(←そんなの恵まれたくない)お嬢様テンコと義理人情に厚い不良娘ユーリ、そして平凡なミサキの三人の凸凹女子高生の高校生活を描いた青春ミステリです。
短編の連作なので、サクサク読めました。
(一話一話もそんなに長くない)
この作者さん特有の毒(人の悪意をシビアに描くところ)を含みながらも、凸凹三人組女子高生の軽快なやりとりが楽しく、笑いながら読めました。
キャラ描写がまあ、大袈裟なんだけど。そこが笑えて、毒を中和してくれ、後味もそう悪くないと思います。
爽やか青春!――と言ったものをお求めの方には、向かないかもしれませんが。
三人の友情の発端「なれそめは道の上」とかは、結構いいかな(この作家さんの本は、ええまあ、本当に毒があって、後味がいいものは少ないのですが←でも、私はそういうの嫌いじゃない)
全部が全部、ミステリ仕立てというわけではなかったですけれど。
安楽椅子もの、叙述トリックと。
三話目は騙されたー。
お気軽に楽しめるミステリをお求めの方には、オススメかと。
(正し、毒があることを忘れずに!)
ちなみに書き下ろしが一編入っているので、文庫本がお得です。

プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル)プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル)
(2010/11/05)
若竹 七海

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January February March April May June July August September October November December
2011(Mon)

「幼き子らよ、我がもとへ 上・下」 ピーター・トレメイン著

読感/翻訳小説



「幼き子らよ、我がもとへ 上」 ピーター・トレメイン著/

疫病が国土に蔓延するなか、王の後継者である兄に呼ばれ故郷に戻ったフィデルマは、驚くべき事件を耳にする。モアン王国内の修道院で、隣国の尊者ダカーンが殺されたというのだ。このままでは二国間の戦争に発展しかねない。殺人現場の修道院に調査に向かったフィデルマは途中、村が襲撃される現場に行きあうが…。美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を解き明かすシリーズ第二弾。

「幼き子らよ、我がもとへ 下」ピーター・トレメイン著/

殺人現場の修道院で、調査を始めるフィデルマ。尊者ダカーンは、そこで何を調べていたのか?人々の証言から次第に浮かびあがるダカーンの真の姿。調べ進むうちに、なぜか絡まり合った幾本もの糸が、モアンと隣国の間にある小王国につながっていく。裁判の日が迫るなか、フィデルマは、祖国の危機を救うことができるのか。七世紀のアイルランドを舞台にした好評シリーズ第二弾。『蜘蛛の巣』に続くケルト・ミステリ。

↑本の内容紹介から。

日本刊行順では第二段になりますが、シリーズでは三番目です。
先日の「蜘蛛の巣」より前の話となります。
兄に呼ばれたフィデルマは、隣国名のある修道士の死を巡って、二つの王国内で戦乱へと発展しそうなる事態を回避すべく、調査を頼まれます。
この時代は「五王国」時代で、大王(ハイキング)の下、五王国、その下に小王国、そして氏族(クラン)という――国家体系があり、弁償という形で罪を償うことからによるものです。←このような当時のアイルランド社会が、個人的に興味深く読んでいて楽しいです。
(尊者として名高い司祭の死の責任を、モアン王国に隷属している小王国を寄越すことで償えと、隣国が要求してきて、当然ながら受け入れられないわけで)
大王の元で開かれる裁判までに、事態を回避できないかとフィデルマが事件調査に乗り出します。
シリーズを通してフィデルマのワトソン役を務めるエイダルフ修道士は今回は不在。
そんなエイダルフ修道士の不在を気にするフィデルマがちょっと可愛い(この時代は、修道士や修道女の結婚は認められていました)
と、そういうわけで、今回の助手役はフィデルマの兄の信頼が篤い戦士カース。ちなみにフィデルマと兄であるコルグーお兄さま(←何か好きなタイプで)は、互いを尊敬し合う仲の良い兄妹と言った感じでした。
調査に向かう途中で、フィデルマは疫病に侵されたという村出の襲撃場面に出くわします。
何とか生き残った子供たちを保護し、修道院へ向かった先では様々な思惑が絡まり、引き起こされた惨劇が読んでいて辛かった……。
(うん、ちょっと重いです。ネタバレ反転→今も昔も大人の欲に子供たちが犠牲になることは少なくないし……これはフィクションだと頭では理解してても、心がジクジクと痛む
その惨劇にフィデルマが怒り、その衝動からまた起こった出来事も……辛かった。
(ネタバレ反転→個人的にフィデルマとカースのコンビもそう悪くない気がしてたので
そうして、戦争を回避できるのか、お話の展開に最後までハラハラしました。

付け加えて、今回登場する大王は王位継承の際、フィデルマにとある事件を解決して貰っています。
そのエピソードは短編集「修道女フィデルマの叡智」に収録の「大王の剣」
(大王は公明正大な方だと思う)

幼き子らよ、我がもとへ〈上〉 (創元推理文庫)幼き子らよ、我がもとへ〈上〉 (創元推理文庫)
(2007/09/28)
ピーター トレメイン

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幼き子らよ、我がもとへ〈下〉 (創元推理文庫)幼き子らよ、我がもとへ〈下〉 (創元推理文庫)
(2007/09/28)
ピーター トレメイン

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修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)
(2009/06/20)
ピーター・トレメイン

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January February March April May June July August September October November December
2011(Sun)

「蜘蛛の巣 上・下」 ピーター・トレメイン著

読感/翻訳小説



「蜘蛛の巣 上」 ピーター・トレメイン著/

緑豊かなアラグリンの谷を支配する、氏族の族長エベルが殺された。現場には血まみれの刃物を握りしめた若者。犯人は彼に間違いないはずだった。だが、都から派遣されてきた裁判官フィデルマは、納得出来ないものを感じていた。七世紀のアイルランドを舞台に、マンスター王の妹で、裁判官・弁護士でもある美貌の修道女フィデルマが、事件の糸を解きほぐす。ケルト・ミステリ第一弾。

「蜘蛛の巣 下」 ピーター・トレメイン著/

殺人現場で捕らえられたのは、目も見えず、耳も聞こえず、口もきけぬ青年だった。本当に彼が殺したのだろうか。フィデルマは捜査を開始する。高貴な一族の血をひく族長の未亡人、族長後継者の年若い娘、ローマ・カソリックの教えを厳しく説く神父、年老いたドゥルイドの隠者。白日のもとに暴かれる、アラグリンの谷に秘められた真実とは?“修道女フィデルマ・シリーズ”第一弾。

↑本の内容紹介から。

弁護士(ドーリィー)であり、裁判官(ブレホン)の資格を持つ修道女フィデルマシリーズの長編です。
日本刊行第一弾。でもシリーズでは五作目とのことです。
シリーズ順では「幼き子らよ、我がもとへ」→「蛇、もっとも禍し」→「蜘蛛の巣」の順。
シリーズの第一弾は「死をもって赦されん」が今月末に出る予定です。
どの順番で感想書こうか、ものすごい悩んだ結果、読んだ順(日本での刊行順)にしました。
人様に読むのをお勧めする際は……うん、やっぱり刊行順がいいかな?(短編で様子見がいいかも)
個人的には長編も面白かったけど「幼き子~」は最初に読むには、ちょっと重たすぎるかもしれませんので。

あと、人様のレビューなどでは、フィデルマが偉そうで嫌な奴と目にしましたが、個人的には「そう?」という感じした。短編で割と慣れてしまったかもしれない(笑)
傲慢な相手に対しては偉そうだけど、ね。
何と言うか、大した実力もない癖に権威に笠を着て、偉そうにしている相手をフィデルマがアンルー(上位の弁護士で、大王とも言葉を交わせる権威がある)であることを示して、相手の傲慢な鼻先をペチンとするのが、何か読んでて楽しかったりもします(←読み手の私自身が性格悪い!)

と、話の本筋に戻して。
兄であり、モアン王国国王から族長の殺害事件を調査することを望まれ、友人であるエイダルフ修道士と共にアラグリンの谷に向かえば、先に言ったように権威を笠に着た族長の後継者や未亡人、司祭など。
まあ、どいつもこいつも傲慢で鼻もちならない奴らばっかり!
(そんな相手とフィデルマの火花散るバトルもまた読んでいて、個人的に楽しいのですが)
それに対応するときのフィデルマもまあ、ちょっと鼻もちならない傲慢さを見せつけます(傲慢な相手を前にすると自らも傲慢さを出してしまうのが、悪癖と彼女自身認めている)
けれど基本的には、純真なモーエンやアルフーたちに対応したときの態度が彼女の本質ではないかと思うのです。
盲目聾唖者のモーエンが族長殺しの犯人と決め付けられ、障害者であるだけで獣と見下されている現状を前に、フィデルマは偏見ではなくまだ有罪を確定されているわけではない人として向かいあい、彼が犯人であることに疑問を覚え調査を始めます。
族長殺しとは別件で、伯父に土地を狙われているアルフーなど若者たちを助けたりしたことが、色々と絡み合って事件が複雑化していき、新たな殺人が起こったり。
アイルランド社会におけるブレホン法や罪に対する罰を処刑ではなく、弁償という形で償うといった興味深い文化など、ぐいぐい読み進められました。
少しずつ得る手がかりを元に、事件を解いて、最後に関係者を集めて「犯人はあなた」をやるところなどは本格ミステリが好きな私としてはたりません。
面白かったー。
ちょっと、ドロドロしている部分もありますが、中世アイルランド社会などといった部分はミステリ読みではない人にも楽しめるのではないでしょうか。

蜘蛛の巣 上 (創元推理文庫)蜘蛛の巣 上 (創元推理文庫)
(2006/10/24)
ピーター・トレメイン

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蜘蛛の巣 下 (創元推理文庫)蜘蛛の巣 下 (創元推理文庫)
(2006/10/24)
ピーター・トレメイン

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05

January February March April May June July August September October November December
2011(Wed)

「修道女フィデルマの洞察 (修道女フィデルマ短編集)」 ピーター・トレメイン著

読感/翻訳小説

拍手、読了ボタンなど、ありがとうございますねっ!
コメントには「お返事」ページにて、返信していますので、よろしければ覗いてくださいませ。


「修道女フィデルマの洞察 (修道女フィデルマ短編集)」 ピーター・トレメイン著/

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが解き明かす事件の数々。宴の主人の死の謎を探る「毒殺への誘い」、殺人犯にされた修道士を弁護する「まどろみの中の殺人」、競馬場での殺人を扱う「名馬の死」、孤島での修道女の不可解な死を調べる「奇蹟ゆえの死」、キルデアの聖ブリジッド修道院での事件を解く「晩祷の毒人参」の5編。日本オリジナル短編集第2弾。
 
↑本の内容紹介から。

短編集の第二弾です。
「毒殺への誘い」
「まどろみの中の殺人」
「名馬の死」
「奇蹟ゆえの死」
「晩禱(ばんとう)の毒人参(ヘムロック)」

の五編収録で、前半の三編は人を罠に貶めるような企みをフィデルマが挫くところが、良かったです。
「毒殺への誘い」は何と言いますかね……。
(ネタバレになるかも知れないので、反転→殺されても文句が言えないような酷い)人間が毒殺されて……その毒殺の裏にあった企みの、狡さと言うか汚さと言うか。
お前最低っ!――と思わず叫びたくなるような、他人を貶めようという企みをフィデルマの事件解決で、挫いてくれて気持ち良かった。
(まあ、このお話には最後にちょっとしたどんでん返しがあったりしますが) 

そんな感じの短編が三編続いて、その頃には何と言いますか。
ちょっと高慢なところがあるフィデルマですが――何処までも付いて行きますぜ、姐さん! という気分になっていました。(笑)
後半の二編はフィデルマに法律家としてあるか、人としてあるかと問うようなお話でした。そこに葛藤はありましたけど。
法律家としての誇り高い彼女ですが、それでも人として選んだ答えは、何かフィデルマらしい。
その辺り↓の台詞に、現われているかなーと思いました。

「法が定める正義より、人間としての正義のほうが優先することもありますわ」(P55より)

修道女フィデルマの洞察 (修道女フィデルマ短編集) (創元推理文庫)修道女フィデルマの洞察 (修道女フィデルマ短編集) (創元推理文庫)
(2010/06/20)
ピーター・トレメイン

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