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January February March April May June July August September October November December
2011(Tue)

「ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ」L ・T ・フォークス著

読感/翻訳小説

「ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ」L ・T ・フォークス著/

テリーは腕のいい大工だったが、ちょっと人生につまずいてしまった。暴力沙汰で刑務所入り。出所したところで金も仕事もなく、妻にも捨てられ今じゃ屋根裏部屋で居候暮らし。やむなく近くのピザ店「カーロ」でデリバリーの仕事に就く。個性派揃いの店の従業員に助けられ、テリーが自分の生活を取り戻しはじめた矢先、嫌われ者の同僚が店の駐車場で刺殺された。前科のせいで容疑者扱いされるテリー。明らかにもっとあやしい人物がいるのにもかかわらず、だ。一向に進まない警察の捜査に業を煮やしたテリーと仲間たちは、自分たちで犯人探しを始めるが…。小さな田舎町を舞台にした働く男たちのミステリー。

↑本の内容紹介から。

新刊が出るとのことで、ちらほらと噂を聞き、好みの匂いがしたので手に取ってみました。
お酒を飲んで暴れたのが原因で刑務所に入っていたテリーが、出所しバイトを始めたピザ屋で、殺人事件がっ!――という、働く男性・テリーが主人公のコージーミステリです。
(テリーは身長195センチ、26歳のガテン系男子)
前科持ちになって、残ったのは親友のダニーだけ。
彼の元に転がり込んだテリーはピザ屋の店員募集を見つけて、働きだします。
このテリーが、働く働く! お金がないから働けることが嬉しいっていうのもあると思うんですが、それでも任された仕事をきっちりこなす。
ピザ屋で出会ったバンプに庭にデッキを作って欲しいと、大工仕事も頼まれ、日中は大工、夜はピザ屋の配達と本当にね、よく働く。
怠けたりしている人がいるから、テリーの働きっぷりが眩しいよ!
もう何か、読んでいるこちらまで労働って、素晴らしい!みたいな錯覚に陥ります(笑)
すべてを失ったかに思えたテリーが気のいい仲間(バンプ、グラフ、ダニーや他にも沢山)と出会えて、活き活きと働いている様子は、読んでいて心地よかったです。
特に好きなのは、あだ名のエピソードかな。
「マジー」という、あまりいい意味ではないあだ名を、テリーは最初は知らずに、後に意味を知りながらも皮肉のつもり(かな?)で、周りに浸透させようとするんですが、仲間たちは全否定(笑)
うん、テリーにそのあだ名は似合わないね。
ミステリとしては、もうちょっとですけれど(まあ、コージーなので、その辺りはぬるめに見ておいて)
仲間たちとの楽しいやり取りが面白かったです。

ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ (ヴィレッジブックス)ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ (ヴィレッジブックス)
(2009/05/20)
L ・T ・フォークス

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↓シリーズの第2巻。早速ポチった(笑)
ピザマンの事件簿2 犯人捜しはつらいよピザマンの事件簿2 犯人捜しはつらいよ
(2011/05/20)
L・T・フォークス

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January February March April May June July August September October November December
2011(Tue)

「この世の涯てまで、よろしく」フレドゥン・キアンプール著

読感/翻訳小説

「この世の涯てまで、よろしく」フレドゥン・キアンプール著/

青年ピアニスト、アルトゥアは死んでから50年後の世界に蘇ってしまう。さらにひょんなことから知り合った音大生ベックに誘われ、幽霊以上に浮世離れしている学生たちと共同生活を送ることになった。突然の新しい人生には、なぜおかしな出来事ばかり起こるのか。幽体離脱ができるようになったり、不気味な“怪人”が現れたり、おまけに殺人事件まで発生するなんて……。不可解な事件をめぐり、青年ピアニストと音大生たちが走る走る! “謎”が奏でる秘密と再会の物語。訳者あとがき=酒寄進一

↑本の内容紹介から。

死んでから50年が過ぎたある日、突然蘇ったピアニスト・アルトゥアが遭遇した殺人事件を巡って奔走するお話と要約していいのか、どうか。
上のように説明すると、ミステリやファンタジーに分類される気がしますが、うーん、何か違うような?
かといって音楽小説かというと、そうでもないような(でも、音楽は沢山出てきますし、音楽への愛情は溢れています)ジャンルを特定するのが不思議なお話です。
死んでから蘇ったアルトゥアはいわば幽霊になるわけですが、比較的生身に近いです。物を食べるし、触れるし、見えるし(セックスもする
でも、眠っているときは幽体離脱し、その間は生きている人間を見ることができず、また生きている人間からも見えない(この間、同じ幽霊だけは見える)
そんなアルトゥアが蘇った現世と生前(戦中)が交互に語られながら進行します。
現世では同じように蘇ったパヴェルと再会した先、音楽生が殺されるという事件が起こる。
また生前ではフランスでピアニストとして生活していたのですが、ドイツの侵攻によってユダヤ人であるアルトゥアの身に危機が迫るという。
戦中、アルトゥアパヴェルが隠れ先で出会ったロシア人の老人と、音楽を通して距離を縮めていく中盤のエピソードが印象的でした。

読み終わった直後は、好きだなと思う部分もあるけれど、ちょっと物足りなさも感じていたのですが。
ラストはあっさりしていましたし、登場人物の掘り下げが浅い感も。
(でも、これは書き込まないことで、五十年前の人たちから見る現代人への偏見(ようするに、最近の若者は的な)を表現しているのだろう……と思わなくもない)

感想を書こうとして、色々と考えていたら、「これは何かしら、人生をかけるほど好きなものを持っている人とその同好の士に捧げられた物語だ」と、不意に感じた瞬間、何だかじわじわとこの作品の魅力が沁みてきました。
この物語では、「音楽」が中心にありましたが、その「音楽」の部分を他の何か、自分が好きなもの――例えば、「芸術」や「本」やそれこそ、「ゲーム」でも「アニメ」でも置き換えられる気がします。
同じ好きなものを語ることで、距離感が縮まったり、解釈の違いで憎悪が生まれたりする。
好きだからこそ許せないこと、好きだからこそ可能性を信じたいと言った感覚は……好きなものがある人にはわかるんじゃないかと!
ええっと、わかりませんかね?(笑)
訳者あとがきで、この本を友達にプレゼントするために一ダースも注文する人がいたとか。
うん、これは同じ物を好きな人と分かち合いたいお話かな。
(逆に、そうでない人には読んで欲しくないような)
この不思議な魅力に気づけたら、読んで良かったと思える本だと思いました。
あと、装丁が素敵だと思うんですよね!

表紙イラストを担当された方のサイト→「こちら
凄い素敵なイラストが一杯でした。

この世の涯てまで、よろしくこの世の涯てまで、よろしく
(2011/05/11)
フレドゥン・キアンプール

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09

January February March April May June July August September October November December
2011(Mon)

「プリンセス・ダイアリー」 メグ・キャボット著

読感/翻訳小説



「プリンセス・ダイアリー1」 メグ・キャボット著/

ハイスクールの一年生、超ダメダメ人間のミアがいきなりプリンセスになるなんて!? 全米で百万部以上売れた二一世紀のシンデレラ・ストーリー! 映画「プリティ・プリンセス」原作。

「プリンセス・ダイアリー(2) ラブレター騒動篇」 メグ・キャボット著/

フツーの女子高生ミアが突然プリンセスだと知らされて、はや1ヶ月。おばあさまからのプリンセス教育真っ最中のミアに届いた、匿名のラブレター。これはいったい、誰からのものかしら?もしかしてマイケル?そんな時にママの妊娠&結婚騒動が巻き起こり、田舎からフェロモンむんむんのいとこがやって来た!ますます快調のコメディ第2弾。

「プリンセス・ダイアリー 3 恋するプリンセス篇」 メグ・キャボット著/

突然プリンセスになってしまったフツーの女子高生ミアの日記第3弾!ケニーというボーイフレンドができたけど、ミアの心は揺れるだけ。本当に好きなのはマイケルなのに、話もできないし…この恋はいったいどうなるの!?世界中の女の子たちが夢中になった、ユーモアたっぷりの学園ラブコメディ。「ロマンス命」のあなたに贈ります。

↑本の内容紹介から。

コージーミステリの「でぶじゃない」シリーズが面白かったので、この作家の他の本も読んでみようかなということで、手を付けてみた。
アメリカのヤングアダルト向けの、シンデレラストーリー(?)
一応、ディズニーの方で「プリティ・プリンセス」として映画化しているようです。
背高のっぽ(175センチ)で貧乳に悩む平凡な女子高生・ミア(14歳)がある日突然、ヨーロッパの小国(人口は五万人だけど、観光資源で国民は税金を払わずに良いという豊かな国だそう)のプリンセスだと知らされてというお話。
基本的にミアはあまり自己表現できない、自分に自信がない方かな? 貧乳が原因なのかはわかりませんが(笑)
そんなミアがママからノートを貰って、日記をつけ始めたところからお話は始まります。
小説は口に出せないことを日記に書いているという形なので、テンション高いです。
「????」があちこちに散見していたり、授業中ノート代わりにしているらしく、数式が出てきたり、買い物メモやポエムが差し挟まれていたりと。
小説の形に拘る人には向かないかもしれませんが(私はミステリが好きで、実験的な作品も読みますので、小説の定義なんて、あってないようなものと思っています)
シンデレラストーリーと書きましたが、実際のところミアはプリンセスになったことを喜んでない。
むしろ、嫌だと思って、そのことを周りに内緒にしようとすることで、親友との間で仲がこじれたり、またプリンセスとなったミアが目立つようになったことで、憧れだった上級生が近づいてきたりと。
優柔不断で、ちょっと妄想先走りで、それでもって鈍感だったりすることで、色々ともつれたりこんがらがったりしてますが。
グリンピースを支持する動物愛護のベジタリアンで、プリンセスとなったからには成績は落とせないとか、根は真面目で決めるところは決める(と思う)ミアの成長は、追っていて楽しかったです。
恋愛面もなかなか上手くいかなかったりと、じれじれ好きな人にはいいかも。
(三巻は頭っから恋愛色が強くて、個人的には少し……でしたけれど←成長ものが好きなんですよ)

一応、文庫の三巻で一区切りがついているみたい。
(単行本は10巻ぐらい出ているようです)
プリンセス・ダイアリー 1 (河出文庫)プリンセス・ダイアリー 1 (河出文庫)
(2006/06/03)
メグ・キャボット

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プリンセス・ダイアリー(2) ラブレター騒動篇 (河出文庫)プリンセス・ダイアリー(2) ラブレター騒動篇 (河出文庫)
(2006/07/05)
メグ・キャボット

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プリンセス・ダイアリー 3 恋するプリンセス篇 (河出文庫)プリンセス・ダイアリー 3 恋するプリンセス篇 (河出文庫)
(2006/08/05)
メグ・キャボット

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January February March April May June July August September October November December
2011(Sun)

「アイルランドの柩」 エリン・ハート著

読感/翻訳小説

「アイルランドの柩」 エリン・ハート著/

荒涼としたアイルランドの湿原で、赤毛の女性の頭部が発見された。泥炭層の防腐力に守られた死体は、一見しただけでは現代のものか鉄器時代のものかさえわからない。ひょっとすると貴重な歴史的標本になるかもしれないと、考古学者コーマックと解剖学者ノーラは、調査に向かった。だが、現場となる小さな町では、予想外の事件が二人を待ち受けていて……。
学者コンビが、時を超えたふたつの事件に挑む、ゴシックサスペンス!

↑本の内容紹介から。

アイルランドを舞台に、考古学者コーマックと解剖学者ノーラの二人が事件と歴史の謎を追うというミステリです。
湿地から発見された女性頭部。いつの時代ものかわからないけれど、歴史史料になるかもしれないと二人は現場に調査に向かいます。
(長い間泥の中にあった遺体は腐敗することがないそうです。外気にあったたら、細菌で腐食(?)が始まるそうで、そういった遺体の発見はヨーロッパでは珍しくないとか)
その現場では、地元名士の家庭で起こった妻子の失踪事件が起こっていた。
遺体がその失踪事件と関連するのか、失踪した妻子の夫を疑う刑事に話を聞かされたり、名士が地元で起こそうとしている事業の前に、土地の考古学調査を頼まれたことで、考古学者コーマックと解剖学者ノーラの二人はその場に残って調査をすることに。
失踪事件と発見された遺体の持ち主は誰で、どういった理由で殺されたのか。
二つの謎を軸に、登場人物の誰もが胸に傷を抱えていたり(例えばノーラは過去に妹を彼女の夫に殺されていたり(←この犯罪は立証されていないので、失踪事件に固執してしまう)する、心理を丁寧に描きながら、アイルランドの情景描写や悲しい歴史を織り交ぜ語られる、作品全体から漂う哀愁が好みでした。

アイルランドの柩 (ランダムハウス講談社文庫)アイルランドの柩 (ランダムハウス講談社文庫)
(2006/01/22)
エリン・ハート

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↓こちらは、シリーズ第二弾(まだ読んでないけど)
アイルランドの哀しき湖 (ランダムハウス講談社文庫)アイルランドの哀しき湖 (ランダムハウス講談社文庫)
(2008/01/07)
エリン ハート

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January February March April May June July August September October November December
2011(Fri)

「マーチ家の父 もうひとつの若草物語」ジェラルディン・ブルックス著

読感/翻訳小説



「マーチ家の父 もうひとつの若草物語」ジェラルディン・ブルックス著/

妻と四人の娘を残し従軍牧師として北軍に加わったマーチは、激戦の合間に立ち寄ったヴァージニア州のとある農園を見て、以前ここに来たことがあるのに気づいた。20年前の春、若き行商人として訪れて長逗留したことがあり、それは美しく気高い奴隷女性グレイスとの出会いの時であり、また奴隷制度の残酷さを目の当たりにした日々でもあった。その後の歳月―マーミーとの結婚、哲人ソローやエマソンとの交流、逃亡奴隷の支援活動への加担、次々と生まれる娘たち…懐かしい思い出がマーチの脳裏をよぎる。だが、そうした思いをよそに、国を二分する戦争は彼の理想や信念を打ち砕き、運命を大きく変えていくことになる!世界中で愛された家庭小説の古典を下敷きに、豊かな想像力と巧みなストーリーテリングでアメリカの動乱の時代を生きる人々を描きあげた歴史フィクションの比類ない傑作。ピューリッツァー賞受賞作。

↑本の内容紹介から。

名作「若草物語」の父親を主人公に据えて描かれたお話です。
従軍先から妻への手紙を綴りながら回想を交え、青年時代から妻との結婚、そして従軍に至るまでの心の変遷。
従軍先での理想と現実の温度差。
(実際に北軍兵士の全てが奴隷解放を目的として戦っているわけではないこと)
時代背景に奴隷解放の南北戦争がありますので、そこに描かれるものは重たいです。
「若草物語」の語られることなかった裏側――とはいえ、著者あとがきを読めば、かなり資料を読み込んで書かれているので、まるで実際にその現場を見ているかのように胸に迫ってきました。
南部大農園で、自由人となった元奴隷たちが賃金を対価に働いて、その農園の一時的な持ち主である青年と距離を縮めていく場面とか――その後に訪れた悲劇とか。
第一部は父であるマーチ氏のこと、第二部では「若草物語」を知っている人はあれです。
父危篤と手紙で、母が旅立った先でのマーチ夫人の視点が入ります。
そこで夫人は、(夫とグレイスとの関係を疑ったりと、かなり俗な人として描かれています
そんな人の弱さ、嫉妬といった感情の生々しさが小説という枠組みを超えて、何とも……。
個人的には、理想的というか、聖人と呼べるようなマーチ夫妻に対するこの血肉のつけ方は、凄いなと。
ただ、生身の人間と化したこのお話は、「若草物語」を好きな人の中には、受け入れられない人もいるのではないかなと思われます。
(かといって、「若草物語」を壊しているとも思わない)
私は上にも言ったように、「物語」をある種、リアルに感じさせた作者の筆力に感嘆するばかりですが。
あと、扱われた題材、奴隷問題や戦争といったものに色々と考えさせられました。

不当な行為を、不当な行為によって正すことはできない。
(ジェラルディン・ブルックス著「マーチ家の父」P280より)


……うん、戦争(暴力)でしか奴隷問題は解決できなかったのかな、とか。
(皆の意識改革でよって解決出来ていたら、とか)

マーチ家の父 もうひとつの若草物語マーチ家の父 もうひとつの若草物語
(2010/05/20)
ジェラルディン ブルックス

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ちなみにこちらの作者は「古書の来歴」の方です。
(何度もしつこいと思われそうですが、こちらもいいよ)
古書の来歴古書の来歴
(2010/01/21)
ジェラルディン ブルックス

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「若草物語」は私は↓でみましたが、こちらも良かったです。
若草物語 コレクターズ・エディション [DVD]若草物語 コレクターズ・エディション [DVD]
(2009/09/02)
ウィノナ・ライダー、スーザン・サランドン 他

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