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松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
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  • 2011
  • 06/29
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「物語 スウェーデン史―バルト大国を彩った国王、女王たち」 武田龍夫著



「物語 スウェーデン史―バルト大国を彩った国王、女王たち」 武田龍夫著/

歴史を動かし、あるいは歴史に翻弄された多くの国王、女王たちを中心に、その治世と周辺の対外関係、経済、文化、社会状況を織り込みながらスウェーデン史の変遷を「物語風」に描き出す。

↑本の内容紹介から。

皆川博子さんの「聖餐城」を読んでから、ちょっとスウェーデン王・グスタフ2世アドルフとその娘・クリスチーナにちょっと興味がありまして。
それと、昨今の北欧ミステリブームもあり、ちょっと知識としてスウェーデンの歴史など仕入れておきたいなとか思っていたら、この本を見つけたので読んでみました。
1500年代にグスタス・ヴァーサがデンマークから独立してからスウェーデン王朝の歴史が始まるとのこと。
そこから各歴代の国王・女王たちのエピソードで綴られています。
初っ端のグスタス・ヴァーサところでは「ストックホルムの血浴事件」と、何だか小説にしたら面白そうな(いや、史実的には結構、陰惨な)歴史的エピソードが語られたりと、北欧は遠いだけに(あまり知る機会もないだけに)面白かったです。
デンマークとの因縁が深かったり、外交問題で他国とのエピソードも色々出てきたり。
マリー・アントワネットの愛人であったと言われるフェルセン将軍の末路が語られていて……うん、悲惨な最期でした……(←フランス革命とは関係ないところで)
あと、私が日本人であるからか、血統ではないところで王様が選ばれたりしたところが、新鮮に思えたり。
(フランスの将軍が国王として迎えられたりとかね)
最後に番外的な要素で入っていた、ノルウェーのホーコン7世がカッコ良いと言いますか、素晴らしい国王様だ。
(国を追われながらも、ナチと徹底抗戦していた)
大変、興味深かったです!

物語 スウェーデン史―バルト大国を彩った国王、女王たち物語 スウェーデン史―バルト大国を彩った国王、女王たち
(2003/10)
武田 龍夫

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(↑クリスチーナ女王には、私が知りたかったところはあまり載ってなかったけど。
↓一応、伝記を入手しているので、そのうちに読みたいな)
スウェーデン女王クリスチナ―バロック精神史の一肖像 (中公文庫)スウェーデン女王クリスチナ―バロック精神史の一肖像 (中公文庫)
(1992/02)
下村 寅太郎

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  • 2011
  • 06/24
  • Fri

「犯罪」 フェルディナント・フォン・シーラッハ著




「犯罪」 フェルディナント・フォン・シーラッハ著/

一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。―魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きあげた珠玉の連作短篇集。ドイツでの発行部数四十五万部、世界三十二か国で翻訳、クライスト賞はじめ、数々の文学賞を受賞した圧巻の傑作。

↑本の内容紹介から。

弁護士が遭遇した異様な事件を語る短編集です。

「フェーナー氏」「タナタ氏の茶盌」
「チェロ」「ハリネズミ」「幸運」
「サマータイム」「正当防衛」「緑」
「棘」「愛情」「エチオピアの男」

――の、11編収録。
弁護士が主人公かというと、ちょっと違う。
お話のメインは、タイトルどおり「犯罪」かな。
簡潔な文章と少ないページ数の中に、「犯罪」を起こすに至った犯人たちの内側で、積み重ねられていった澱や歪みといったものが明確に浮かんでくるのが、個人的に凄いなと思いました。
(「フェーナー氏」や「チェロ」「棘」)
こんな風に語られたら、何だか理解できる気がする。
(どんな理由があったところで、犯罪なんて許されちゃいけないと思いますが……それでも、壊れてしまうのが解かるような)
収録されているお話は、どれも「犯罪」を取り上げているのですが、色々な傾向があって真相は闇の中と、決して答えが出されているものばかりではなかったりします。
そうしてやっぱり「犯罪」であるがために、苦さがつきまとう。
「正当防衛」などは、この中に出てくる男が実際にそれだったら……弁護士さん、辛いんじゃないかなーとか。
「愛情」も……うん、未来を予測はできないわけだけど……。
勿論、弁護士さんの存在で助かった人もいたりして、順番通りに読んでいった最後の「エチオピアの男」を読み終えて、本を閉じたときは不思議と読後感は悪くなかったです。
第二作の翻訳刊行も決まっているようなので、とっても楽しみ。
先に言ったように、簡潔な文章で綴られているので、翻訳ものが苦手という人にも読みやすいのではないかと思われます。
苦いものに耐性がある方に、オススメ。

犯罪犯罪
(2011/06/11)
フェルディナント・フォン・シーラッハ

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  • 2011
  • 06/20
  • Mon

「紳士と月夜の晒し台」ジョージェット・ヘイヤー著

「紳士と月夜の晒し台」ジョージェット・ヘイヤー著/

月夜の晩、ロンドンから離れた村の広場で、晒し台に両足を突っ込んだ紳士の刺殺体が発見された。動機を持つ者にはこと欠かないが、浮世離れした容疑者たちを前に、ハナサイド警視は苦戦する。そんなとき、思わぬ事態が発生して…。ヒストリカル・ロマンスの大家として知られる一方、セイヤーズも認めた力量を持つ著者による、巧みな人物描写と緻密なプロットの傑作本格ミステリ。

↑本の内容紹介から。

本格ミステリということで、飛び付いたわけですが。
作家さんはヒストリカル・ロマンス小説の大家として知られているとのことで、(日本でも何冊か、出てる。ハーレクイン?)ちょっとドキドキしてました。
何しろ私は大人向けのロマンス小説なんて、読んだことないしね!(多分、今後も縁がない気がしますが)
それこそ大人向けの性描写があったら、挫折しそうだなーとね(←ドキドキする方向が間違ってると思うんだ)
そうして読み始めたら、ロマンスも含みつつも、そこまで恋愛恋愛していない、ほどよい匙加減のミステリでした。
あまり評判の良くない資産家が殺され、その親族関係者である容疑者候補たち(腹違いの弟妹にその婚約者、または死んだと思われていた弟)の誰も彼もが動機を持ち、そして誰も彼もが疑ってくれとばかりな言動。
この人たち、馬鹿なの? それとも演技派なの? と、笑いながら気がつけば読了。
まあ、犯人じゃない人は当然ながら自分がやっていないことをわかっているので、挑発していたわけだったんでしょうが……それでも普通は、警察に対して心証を良くしようとするもんじゃないのっ?
可笑しな会話のやりとりが多かったので、サクサク読めたこともあるかと思います。
ハナサイド警視シリーズの第一弾ということだけど、警視……脇役ぽい。
これ、疑われている親族たちの弁護士であるジェイルズさんが主人公ですよね?(笑)
(そんなジェイルズさんのロマンスが本書の中で展開していきます。
とはいえ、あれあれ、もしかして、もしかしちゃう? というほんのり具合ですが。
何となくジェイルズさんの気持ちに気づいたら、そちら方面も楽しくなってくる)
ロマンス小説の大家というだけあって、収めるところに収めてくれて、ニヤリみたいな。
ミステリとしても、丁寧に伏線が張ってあって、推理でもって事件解決してくれるので、ミステリ好きな人間には嬉しいところでした。
(まあ、今回は私の予想が早くから当たったけれど)
続編の刊行も予定されているとのことで、楽しみです!

紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)
(2011/05/28)
ジョージェット・ヘイヤー

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↓読んだことないけれど、この作家さんのロマンス小説。
愛の陰影 (MIRA文庫)愛の陰影 (MIRA文庫)
(2009/11/15)
ジョージェット ヘイヤー

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悪魔公爵の子 (MIRA文庫)悪魔公爵の子 (MIRA文庫)
(2011/05/13)
ジョージェット ヘイヤー

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  • 2011
  • 06/14
  • Tue

「黄昏に眠る秋」 ヨハン・テオリン著



「黄昏に眠る秋」 ヨハン・テオリン著/

霧深いエーランド島で、幼い少年が消えた……
母ユリアをはじめ、残された家族は自分を責めながら生きてきたが、二十数年後の秋、すべてが一変する。少年が事件当時に履いていたはずの靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに送られてきたのだ。急遽帰郷したユリアは、疎遠だったイェルロフとぶつかりながらも、愛しい子の行方をともに追う。
長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた父娘を待つ真実とは?
スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞、英国推理作家協会賞最優秀新人賞をダブル受賞した傑作ミステリ!

↑本の内容紹介から。

スウェーデンのエーランド島、夏は観光客で賑わうけれど、それ以外の季節は村人が数人という寂れたステンヴィーク。
そこで二十数年前に幼い少年・イェンスが消えます。
お話の主人公は、少年の母ユリアと祖父のイェルロフ。
イェンスが行方不明になったことを二十年近くたっても受け入れられずにいるユリア。
ユリアは現実を直視できず、いつかイェンスが成長して帰ってくるのでは、と思い続けている。そのせいで、周囲の人間との間に溝が……(周りはもうイェンスが死んでいると思っていて、それを受け入れないユリアに苛立ちを感じている)
ユリアの父親である元船長イェルロフとの間にもわだかまりができている。
でも、イェルロフの元に子供の靴が送られてきたことから、ユリアはステンヴィークに戻ってくる。
事件を調べ直そうとする現在(といっても1990年代)のお話と、戦前から島で悪名高いニルス・カントの生い立ちが挟まれてという形で進行していきます。
最初事件を調べる気などなかったユリアが、イェンスのことを受け入れていく過程などやイェルロフの後悔など(事件があってからユリアとの間に距離を置いてしまったこと)
登場人物たちが抱える物悲しさが、寂れた村の情景と重なって、タイトルにぴったりな雰囲気を醸し出してます。
関節痛から時に歩くこともままならない状況ながらも、がんばるイェルロフさんに目頭が熱くなったり。
派手さはないですけれど、静かに沁みてくる感じが、とても良かったです。

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2011/04/08)
ヨハン テオリン

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  • 2011
  • 06/11
  • Sat

「首なし騎士と五月祭」 ケイト・キングスバリー著

「首なし騎士と五月祭」 ケイト・キングスバリー著/

ここは紳士淑女御用達の静かな隠れ家、ペニーフット・ホテル。そんなホテルの常連客の大佐が、村のパブからの帰り道に首なし騎士に遭遇。さらに逃げる途中で、五月の柱に縛られた女性の死体を見たというのだ。本気にする者はなかったが、翌日ホテルの宿泊客から、妻が行方不明との訴えが。すわホテルの危機とばかり、女主人セシリーは、支配人の心配をよそにまたも調査を始める。

↑本の内容紹介から。

二十世紀初頭、ロンドンから離れた、貴族たちの隠れ家的なホテル「ペニーフット・ホテル」を舞台にしたコージーミステリの第四弾です。
このシリーズはオーナー・セシリーに振り回される堅物支配人・バクスター楽しくってしょうがない(←マテ)
ええ、今回もホテル客が殺害された事件を解決しようとするセシリーに、苦虫を噛み潰しながらバクスターは追随するわけで。
そんな二人の主従関係も、前巻で登場したお医者様(セシリーに気があるそぶりを大っぴらにしている)の登場で進展があるのかと思いきや……肝心のお医者様が、殆ど出番がなかったのがちょっと意外でした。
でも、割とセシリーがバクスターのことを異性として意識しているのが垣間見えて、ニヤニヤでした。
(バクスター視点がないので、彼の方がセシリーのことを主人以上に思っているのかはまだ謎ですから、今後も気になるところ)
後、バクスターのちょっとした過去が語られていました。
事件とは別に、従業員サイドでのドタバタ騒動の方は、ロンドンから一人の女性が男性を探しに来る。
「このホテルにいるはずなんです」と言って来る女性に、聞かれた皆は「はては、ミシェルか?(ホテルのシェフ)」と(皆が皆、第一にミシェルを浮かべるのが可笑しいの)
が、実際に探していたのは(ネタバレ反転→前巻でメイドのガーディと結婚したイアンで。しかも探しに来た女性はイアンの妻で……つまりは重婚。さらにはその女性は妊娠してるとか!
ええっ、ちょっ待って!(ガーディも妊娠しているというのに、なんだこの展開はっ!
とりあえず×××の馬鹿野郎!と叫ばせてください。
そんなこんなで、悲嘆にくれるガーディをミシェルやチャッブ夫人(メイド頭)が親身になってくれるところは温かい。
コージーはドタバタありで、笑いを沢山提供してくれますが、他にも人情話が温かかったりしてお気に入りです。
このお話もそんなところが気に入っていて、続きが楽しみであります。

首なし騎士と五月祭 (創元推理文庫)首なし騎士と五月祭 (創元推理文庫)
(2011/05/11)
ケイト・キングスバリー

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  • 2011
  • 06/07
  • Tue

「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン著

「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン著/

ハリーは冴えない中年作家。シリーズもののミステリ、SF、ヴァンパイア小説の執筆で食いつないできたが、ガールフレンドには愛想を尽かされ、家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末だった。だがそんなハリーに大逆転のチャンスが。かつてニューヨークを震撼させた連続殺人鬼より告白本の執筆を依頼されたのだ。ベストセラー作家になり周囲を見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に向かうのだが…。ポケミスの新時代を担う技巧派作家の登場! アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補作。

↑本の内容紹介から。

 小説は冒頭の一文が何より肝心だ。唯一の例外と言えるのは、結びの一文だろう。結びの一文は、本を閉じても読者の中で響きつづける~(P11より)

――という冒頭から始めるのは、売れない売れないゴーストライター(ポルノ雑誌のライター、SF、ヴァンパイアもの、ミステリと、ペンネームを使い分けて活動しているけれど、自分の名前や顔を出して出版したことがない)ハリーの物語です。
売れないので、女子高生クレアの家庭教師になってみれば、課題の代作をするアルバイトをクレアをビジネスパートナーにして始めていたり(←オイ)
また時にはヴァンパイアもの(女性著者として書いてる)の著者近影をしてくれていたお母さんが亡くなってしまったので、しょうがなく女装したりとか。
この人が主人公なの? 大丈夫なの? と心配してしまう、駄目駄目ヘタレなハリーが連続殺人で死刑を宣告された死刑囚の告白本を書くことに。
売れるチャンスを前にしても、尻込みしたりして、クレアから尻を叩かれる(比喩ですよ)ハリーの駄目駄目っぷりを楽しむかのような、前半でしたが。
200ページを過ぎたところで、これはミステリというような事件が。
後、終盤(ネタバレ反転→死刑囚の告白が……はい、残酷描写がすさまじく)個人的に重かったです。
でもジャンル小説への考え方とか、作家としての考え方など、(「読者のいやがる場面を書くとき、いや、何より自分自身が不快に感じる場面を書くとにこそ、作家はどこよりも力を入れるべきなんだ~」と語っている部分などなど)、あいだにハリーの小説(↑に書いたヴァンパイアものやSF、ミステリ)色々と興味深かったです。
あと、何だかんだと、ハリーの成長ものでもありました。

血が苦手な方は、ちょっと用心が必要かなと思われます。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2011/03/10)
デイヴィッド・ゴードン

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  • 2011
  • 06/06
  • Mon

「キミは知らない」 大崎梢著


「キミは知らない」 大崎梢著/

研究者だった亡父の手帳を渡した直後、突然姿を消した先生。
ほのかに想いをせていた高校2年生の悠奈はたまらず後を追う。
ところが再会したのは穏やかな先生とは別人のような鋭い眼差しの男。
さらに悠奈の前に、「お迎えにあがりました」と謎の男たちが現われて――。

↑本の内容紹介から。

悠奈さんの父親は、旅先のペンションの火事に巻き込まれて彼女が幼い頃に死亡。その際に、一人の女性と一緒だったことで、父親のことはお母さんとの間では何となく禁忌に。
そんな亡くなった父親のことを話せた気心の知れた先生が突然姿を消して、気になってしょうがなくって、ほんの一日の探索のつもりで、手掛かりがつかめた先に行方を追ってみれば――。
穏やかでありつつも野暮ったかった先生が、再会して見ればモテモテのイケメン俺様だった!という――話が転がり出したら、ノンストップでした。
(先生の秘密がメインじゃないけどね(笑)
帰るつもりが、父親の事故現場に赴けば、ダークスーツの男たちに迎えられ、辿りついたお屋敷では当主の孫だと言われて後継者だと言われたら、その後、蜂が襲ってくる――命が狙われてる?と、逃げだしてみたはいいけれど。
次から次へと動いた先で厄介事に巻き込まれる(帯に超き込まれ型ドラマチックミステリーとあるように)
このお話は、一気読みする時間を確保してから読んだ方が良いかと思われます。
入れ替わり立ち替わり、助けてくれる人が味方だと思っていたら、思惑があったりと。
誰が敵味方かわからず、ハラハラでした。
息つく間もなく展開してく面白さがありましたが、ただ話が駆け足というか(スピード感を重視されていると思いますので、この辺は仕方がないかと思われますが)キャラの魅力をじっくり味わう余裕がなかったような。
その辺が少し惜しかったかな。
先生は周りから先生という柄じゃないように見られてましたが、割と先生してました(面倒見が良かったです・笑)
少々、YA向けかなという気がしましたが、面白かったです。

キミは知らないキミは知らない
(2011/05)
大崎 梢

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  • 2011
  • 06/05
  • Sun

「オーダーメイド殺人クラブ」 辻村深月著



「オーダーメイド殺人クラブ」 辻村深月著/

中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。

↑本の内容紹介から。

中二病と称される世代まっただ中の、中学二年生のアンが主人公の青春小説です。
クラスの女子と上手くいかないことや価値観の合わない母親と、閉塞した現実から逃れるように自らの殺人計画を――ただ自殺して、消えていくのではなく、事件となることで多くの人たちの記憶に自分を「特別な存在」として刻みつけたいと考え――同級生に持ちかけてというのが基本的な筋。
その計画を練っていく過程を、この時期にありがちな心情。女子たちの間で日によって変化してしまうような微妙な人間関係を描く筆力はさすがと言いますか……過去に思い当たるようなことがあった私には、実に痛い、イタイよ(涙目)
アンのように「特別な存在」になりたいとかは、欠片にも思ったことはないのですが……。
ええ、何だか世のなかの全てを理解した気になって、勝手に絶望していた(生きるのが嫌になっていた)黒歴史は……うん、もう……。
(読みながら、嫌な汗が出てくる、出てくる)
それでも、アンと徳川くんが向かおうとする先が気になって、逃げられませんでした(笑)
(ネタバレ反転→最後に辿りついた先は、まあ自分を省みれば、そうだな、と。死にたいと思っていても、実際に死ぬ人は多くなく。時を過ぎれば、何であんなことに悩んでいたのだろうと
己の過去を思い出して、苦笑いが込み上げてきました。
昔の傷を抉られる感じですが、今笑って振り返ることができることは、良かったのだろうと思います。
ラストは恐らく、現在、それこそ閉塞感の真っただ中にいる子たち。
今、自分がいる場所が世界の全て、息苦しさを感じている子たちに読んで欲しいかな。
世界は不変ではなく、変化していくものですから今苦しくても、答えを早急に出す必要はないんだよ、と。

オーダーメイド殺人クラブオーダーメイド殺人クラブ
(2011/05/26)
辻村 深月

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  • 2011
  • 06/02
  • Thu

「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」 奥泉光著

「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」 奥泉光著/

日本一下流の大学教師、クワコーこと桑潟幸一と女子大生探偵たちの活躍を描くユーモア・ミステリー。たらちね国際大学に首尾よく職を得たものの、薄給と田舎暮らしに意気上がらないクワコー。そのうえ顧問をつとめる文芸部の部員たちはファッションがゴスロリだったり、学校の裏庭でホームレスのような生活をする変わり者ぞろい。だがそんな彼女たちが抜群のチームワークで、クワコーの周囲で発生する怪事件を次々解決していく。

↑本の内容紹介から。

低偏差値の大学に移った桑潟幸一准教授こと、クワコーのとてもスタイリッシュとは言い難い、駄目駄目で自虐的な日常を描いた短編ミステリ。

「呪われた研究室」
「盗まれた手紙」
「森娘の秘密」

――の、三編収録。

定員数激減で廃校の危機にあった女子大から、四年生に変更したたらちね国際大に移動したクワコー。
何だか、表紙ではイケメン(笑)っぽいですが、まあ、蓋を開けたら、

レータンでは、「気弱でクライ怠け者、引きこもり系教師クワコー」、これが基本イメージだったが、たらちね国際大学ではこの際、「やや偏屈な孤高の勉強家、桑潟幸一」で行こうと考えた。まあ眼鏡からコンタクトに変えてみような感じである。 (P43より)

と、いう評判を周囲に植え付けようとして夜遅くまで研究室に居残りしたりする(実際に居残って、勉強しているかと言えば、そんなことはない)姑息で、

~略~わかっているよ、罠にはまった獣を見下ろして快哉を叫んでいるんだろう。ああ、どうぞ、どうぞ。この際、思う存分みんなで嗤ったらいいだろう。心で叫んだ桑幸がなお伸びたままでいたのは、情けなくも恥ずかしい姿を万人の眼に余すところなく晒したいという欲望に、このとき不意に捉えられたからである。
 ほら、どうだい、負け犬は腹を晒しているからね。くうんくうん鼻を鳴らしながら腹を見せているからね。だからよく見ろよ。よく見えない? だったらシャツをはだけようか。はだけてスイカみたいなまるい腹を見せようか。甲虫の幼虫みたいに白いぽってり腹を見せようか。見なよ。だって、そっちが見たいっていったんだろう? ほらほら、これがぼくの腹だよ。バカな負け犬のぼて腹だよ。 (P88より)


妄想肥大で、自虐的すぎる!
プライドはない癖に虚栄心はあるという、そんなクワコーの言動に、終始突っ込み入れまくりました。

深夜の研究室で女子大生と二人きり。セクハラと訴えられたら、くびになると恐れるところから思考が暴走して、
何ならやっちゃう?やってないのに捕まるくらいなら、やった方がマシじゃないかと――至る経過には、
思わず、はぁ? いやいやいや、やっちゃ駄目だろっ! 
っていうか、捕まってないしっ!
と、読みながら突っ込む突っ込む。
(あくまで、クワコーの頭の中でだけの暴走です)

他にも色々、可笑しなエピソードがあって紹介したいけれど、読む楽しみを奪っては駄目だと、自重自重。
(コスプレやら同人編集やら、森ガールやら貧乏ネタやら)

そんなクワコーだけでなく、クワコーが顧問することになった文芸部の面々もおかしな人たちばっかり。
うん、低偏差値という言葉がしっくりくるくらい、女子大生たちの会話は頭わるそー。
……女子大生だけじゃなく、オンリーワンの男子学生もまた頭わるそーな(本気で、頭わるそーに描かれている、そのことに妙な感動を覚えた)
そんななか一人、妙に鋭いジンジン(でも、ホームレス女子大生)が、クワコーの周りで起こった不可解な事件を解決してくれます。
うん、ミステリだったよ!(←うっかり忘れそうになったが、ミステリです)
(文章が割と濃密ですが、細かく章区切りされているので、ちまちまと読んでも面白いと思います。一話、100ページぐらいありますが、クワコーの自虐的日常が楽し過ぎて、長いと感じない)
いやー、もう、笑った笑った。笑い過ぎて、お腹が痛かったです(笑)

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
(2011/05)
奥泉 光

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