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January February March April May June July August September October November December
2011(Tue)

「サヴァイヴ」近藤史恵著

読感/国内小説



「サヴァイヴ」近藤史恵著/

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。

↑本の内容紹介から。

「サクリファイス」「エデン」のロードレースを題材に扱ったシリーズの短編集です。

「老ビブネンの腹の中」「スピードの果て」「プロトンの中の孤独」
「レミング」「ゴールよりもっと遠く」「トウラーダ」

 ――の、六編収録。

レース以外での内側でのバトル(自己葛藤・嫌がらせ・陰謀?)とでも言いますか。
今まで気づかなかった恐怖や、仲間内の嫌がらせ、またはロードレースをスポーツとしてではなく、ビジネスとして考える人たちが、大事なレースを汚そうとしたりと。
壁にぶち当たりながらも、それらを乗り越えていく人たちがやはりカッコいいです!
一応、他の本の重要なネタバレはしていないので、こちらの短編集からお試しに入るのもありだと思いますが。
「サクリファイス」の前日談にあたるお話と、後日談になるお話で構成されているので、どちらかというと長編の方を読んでからの方が、より楽しめるかな?
「サクリファイス」であの人が下した決断は、こういう下敷きがあったからなんだと、改めて強く噛みしめたり
赤城さんと石尾さんのお話を読むと「サクリファイス」を再読したくなりました。

サヴァイヴサヴァイヴ
(2011/06)
近藤 史恵

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サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)
(2010/01/28)
近藤 史恵

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エデンエデン
(2010/03)
近藤 史恵

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22

January February March April May June July August September October November December
2011(Fri)

「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」 石井好子著

読感/その他



戦後まもなく渡ったパリで、下宿先のマダムが作ってくれたバタたっぷりのオムレツ。レビュの仕事仲間と夜食に食べた熱々のグラティネ―一九五〇年代の古きよきフランス暮らしと思い出深い料理の数々を軽やかに歌うように綴った名著が、待望の文庫化。第11回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。

↑本の内容紹介から。

半世紀前に書かれたという料理エッセイです。
知っている人は多いかもしれませんが、私は今回の文庫化で知りました。初読です。
シャンソン歌手である著者の海外生活の思い出話を料理と絡めて、語っています。
実に美味しそうに食べ物を語り、また人に美味しいものを食べさせたい、教えてあげたいという――文章からは、熱せられたフライパンの上で溶けたバタの香ばしい匂いが立ちあがって来るようで、本を読んでいるだけなのに料理を作りたくなったり、食べたくなったり!と、食欲を刺激します。
他にも、今では割と普通に知られている料理(外国料理も含めて)も、半世紀前という時差に、その頃はまだ珍しい料理だったんだ、と発見したり。面白いです。
「しゃぶしゃぶ」って、当時はまだ珍しかったんだ、とか。
後、サラダにフルーツが入っているのは、アメリカからの流れなのか、とか。
本の中では料理の手順も書かれているので(細かいレシピはついていないけれど)料理好きの方は試してみては。
著者の作る料理は実に美味しそうですが、最初から料理上手だったわけではなく、とんでもない失敗談なども語られているので、料理は苦手という人にも楽しめると思います。
このエッセイの姉妹版も近々、文庫化されるようなので楽しみです。

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)
(2011/07/05)
石井 好子

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東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)
(2011/08/05)
石井 好子

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18

January February March April May June July August September October November December
2011(Mon)

「飲めば都」 北村薫著

読感/国内小説





日々読み、日々飲む。書に酔い、酒に酔う。新入社員時代の失敗、先輩方とのおつきあい、人生のたいせつなことを本とお酒に教わった―文芸編集女子小酒井都さんの酒とゲラの日々…本を愛して酒を飲む、タガを外して人と会う、酒女子の恋の顛末は?リアルな恋のものがたり。

↑本の内容紹介から。

女性編集者・都さんのお酒呑みの日常(失敗)を綴った、短編連作集です。

「赤いワイン伝説」「異界のしり取り」「シコタマ仮面とシタタカ姫」
「指輪物語」「軽井沢の夜に消えた」「コンジョ・ナシ」「知恵子抄」
「カクテルとじゃがいも」「王妃の首飾り」「割れても末に」「象の鼻」
「ウィスキーキャット」

 ――の12編収録。
新人時代から、恋愛、結婚、新婚時代と数年を柔らかな語り(三人称)で、お酒呑みの日常が綴られています。
(読み始めた当初は作者よりの視点かなー?と思っていたんですが、もしかしたら都さんの回想っぽい語りかな。昔の自分はこんなだったという距離感が段々、後半になると同化していくような?)
よっぱらいを――みっともないと、思っていた十代の都さんも、社会人となり宴席でちょっとばかし盃を重ねれば、まあ色々失敗があるわけで。
そんな都さんやまあ、酒のみ仲間の同僚たちの失敗談がオモシロ可笑しかったです。
酔った勢いで、ちょっと赤ワインをぶちまけちゃったり(まあ、それでぶちまけられた男性が家に帰って、背筋が凍る思いをする「赤いワイン伝説」)
酔っ払った人同士の間では、会話が成り立ってんだか、成り立ってないんだかな「異界のしり取り」
ホテルに泊まれば酔っ払って、うっかり部屋から閉め出されたり。「軽井沢の夜に消えた」
解放感を求めて服を脱いだりしたら――まあ、朝になったらパンツを穿いてなくて。そして、消えたパンツを追う(←何か違う)「王妃の髪飾り」
などなど、読んでいてクスクス笑わせて貰いました。
「王妃の髪飾り」は、思いっきり大笑いしたけれど!(勘違いが可笑しい)
と、特に大事件が起こるわけでもなく、壮大なテーマが語られるわけでもありませんが。
日常に寄り添うようなお話には、難しいことを考えることもなく、するりと内側に入り込んできて。
いい感じにほぐされると言いますか。
多分、お酒を飲む人はお酒を飲んで、こういう感じに癒されているんじゃないかと思うんだけど(私は飲まない人なので、実際のところはよくわかりませんが)
まるでお酒に気持ち良く酔ったような(←あくまで想像ですが)、楽しい気持ちになれたのが良かったです!

飲めば都飲めば都
(2011/05)
北村 薫

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January February March April May June July August September October November December
2011(Thu)

「特捜部Q ―檻の中の女―」 ユッシ・エーズラ・オールスン著

読感/翻訳小説

「特捜部Q ―檻の中の女―」 ユッシ・エーズラ・オールスン著/

「特捜部Q」未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。カール・マーク警部補は「Q」の統率を命じられた。しかし、あてがわれた部屋は暗い地下室。部下はデンマーク語すら怪しいシリア系の変人アサドひとりのみ。上層部への不審を募らせるカールだが、仕事ですぐに結果を出さねばならない。自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手すると、アサドの奇行にも助けられ、驚きの新事実が次々と明らかに。北欧の巨匠が本邦初登場! デンマーク発の警察小説シリーズ、第一弾。

↑本の内容紹介から。

北欧のデンマークを舞台にした警察ミステリです。
昇進という名の左遷(新設される部署のボスという名目ですが、実際のところ厄介払い扱い)で、地下室で過去の未解決事件を調査する部署に追いやられた刑事カールが主人公。
カールは元々同僚と折り合いが悪かったんだけど、とある事件で信頼する仲間を失い、軋轢が酷くなって持て余された結果、未解決事件を扱う部署のボスに。
とはいえ、部下は誰もいない状態で、仕事もあまり期待されていないんですが(カール自身、事件があってから屋や投げやりになっている)、国家予算として下りてくる金額が他の部署に流れていることを知ったカールは、上司に色々と掛け合った結果、謎のアラブ人・アサドが助手に。
このアサドがまあ、仕事熱心なせいで、カールとしては仕事をせざるを得ない状況に(笑)
そうして、選んだのが女性議員の失踪事件(二人が興味を持った理由が、その議員が美人だったからという)
二人が捜査に乗り出すパートと、失踪した議員ミレーデの過去パートが交互に進んでいきます。
失踪事件の真相は先読み出来ましたが、××の命運が気になってページを捲る手が止まりませんでした。
(ネタバレ反転→失踪したと思われていたミレーデが実は監禁されていたという。彼女がその状況下で、諦めずにたった一人残されている弟ウフェの元へ変えるんだという強い意思が、もうね。助かれー、誰か助けてあげてー、と。祈るような気持ちでページを捲らせるのです
カールとアサドの噛み合わない凸凹コンビも良かったのですが、個人的にはミレーデとウフェ(事故で脳障害を負っている)の姉弟が良かったです。
映像映えしそうな(テレビや映画向き)お話なので、刑事ドラマとか好きな人にはいいんじゃないかなと思います。
続編が出たら、また読みたいです。

特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)
(2011/06/10)
ユッシ・エーズラ・オールスン

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January February March April May June July August September October November December
2011(Tue)

「ウェディングケーキにご用心 カップケーキ探偵1」 ジェン・マッキンリー著

読感/翻訳小説

「ウェディングケーキにご用心 カップケーキ探偵1」 ジェン・マッキンリー著/

メルとアンジーは小学校からの大親友。
スイーツ好きなふたりは、念願かなって故郷に小さな
カップケーキ・ショップをオープンした。
お店の評判は上々で、幸行のいいスタートにほっとするメル。
そこへお店の共同経営者でもある幼馴染みのテイトの
いけすかない婚約者から、ウェディングケーキの依頼が。
いやいや引き受けたものの、これがお店を危うくする大事件に発展するなんて・・・・。
恋と、甘いスイーツと、ミステリがいっぱいのキュートな新シリーズ第1弾!

↑本の内容紹介から。

幼馴染みのアンジーとカップケーキ屋を始めたメルが主人公のコージーミステリです。
メルとアンジーのもう一人の幼馴染みで出資者でもあるテイトの婚約者に、ウェディングケーキを作るよう頼まれます。
この婚約者がまあ、色々問題ありでして、メルが作るウェデングケーキレシピを独占したりしようとする。
テイトのために引き受けて、その婚約者のところへ向かったところ、彼女の死体を発見。
しかも、死体の手にはメルのカップケーキ(毒入り!)
テイトとの仲を疑われ、容疑者候補としてメルのところに家宅捜索が入ったりして、汚名をそそぐためにメル自身が事件調査に乗り出すという、コージーとしては割と王道です。
ロマンスも入ってます。
もう少し、お笑い要素があってもいいかな(←この辺、好みの問題です)
カップケーキを作るシーンやまたメルが作ったカップケーキを美味しそうに食べる人達。そこに喜びを見出すメルなどは、読んでいて心地いい。
他に気に入ったところでは、思い込みの激しいメルの母親やアンジーの七人のシスコン兄たちが可笑しかったです。
警察がメルを疑うより先に、ママが一番最初に娘を疑うなんて! まだ捕まってもいないのに、弁護士を雇おうとしたり。ママ、そこは娘を信じてあげようよっ!(大笑い) 
後、妹と連絡が少しの間付かなくなったからと、GPSで追跡してくるアンジーの兄たちっ!
(メルの片想いの相手で、アンジーの兄の一人、ジョーは比較的、シスコン度が低いような気がしますが)
アンジーの恋の行方と、彼女の兄たちが全員でそろっていないので、今後が楽しみです。
(ネタバレ反転→一応、メルの恋はこの巻で上手く行ってます
アンジーが××と恋愛関係になったら、お兄ちゃんたちどうするだろ?(ワクワク)
ということで、続きが楽しみであります。

ウェディングケーキにご用心 カップケーキ探偵1 (RHブックス・プラス)ウェディングケーキにご用心 カップケーキ探偵1 (RHブックス・プラス)
(2011/07/09)
ジェン マッキンリー

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January February March April May June July August September October November December
2011(Sun)

「儚い羊たちの祝宴」 米澤穂信著

読感/国内小説

「儚い羊たちの祝宴」 米澤穂信著/

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。

↑本の内容紹介から。

「身内に不幸がありまして」
「北の館の罪人」
「山荘秘聞」
「玉野五十鈴の誉れ」
「儚い羊たちの晩餐」

――五編収録の連作短編集です。
上流階級に属する人々とそこに仕える人たちが主人公と言いますか、登場人物たちです。
財産家で地元でも有力な名家のお嬢様や、それに仕えるメイドとか。
昭和の前半ぐらいかな?(ちょっと言及されていないけれど)
故に各話の語り口はお上品です。
なのに話の中身は、ブラック! 
特に描写自体は、先も言いました通り、上品なんです。
残虐な描写がそんなにあるわけではない。でも、その上品さの奥にはとても残酷な毒が隠されていて、ラストの一撃とでも言いましょうか。
最終的に、「……うわぁぁぁぁっ!」みたいな(←どんなだよ)
いや、もう本当にね。
怪奇ではなく、あくまでも現実よりで話が展開していくので、これは狂気なのか、それとも悪意なのか。
背筋を冷たい指でなぞられる様にぞくりとしたり、お話の毒に痺れたり。
ある意味、とっても後味の悪いお話です。
個人的にはこういうお話、嫌いじゃなくむしろ大好きなので(←人格を疑われそうですが)、面白かったです。

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
(2011/06/26)
米澤 穂信

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05

January February March April May June July August September October November December
2011(Tue)

「今をたよりに」 ジル・チャーチル著

読感/翻訳小説



「今をたよりに」 ジル・チャーチル著/

ナチスの脅威が伝わってきつつある四月。ブルースター兄妹の兄ロバートは、ふとしたことから町の郵便事情に問題があることを知り、事態の改善に乗り出す。一方で、ドイツから引き揚げてきた仕立屋の店先に鉤十字が描かれる事件が発生。さらに、兄妹たちが暮らす屋敷の庭から白骨が見つかり、人畜無害な駅のポーターが殺される。ロバートは妹リリーやウォーカー警察署長と協力し、これらの事件にも関わることに……。好評シリーズ第6弾。訳者あとがき=戸田早紀

↑本の内容紹介から。

大恐慌時代のアメリカを舞台にしたコージーミステリの第六弾です。
大恐慌の際、財産を失い金持ちから貧乏に堕ちたブルースター兄妹(ロバートとリリー)。
金持ちの伯父の遺産を受け継ぐ条件は、田舎の屋敷で十年間暮らすこと。
そんな生活が約一年と数カ月。
ドイツでヒットラーが政権について、ヨーロッパが緊迫するなか、ドイツからアメリカに帰って来た仕立て屋さんに対する嫌がらせが起こったり、白骨死体が発見されたり、そして殺人事件が起こったりする中、今作はロバートが大活躍!
(事件解決とは関係のないところでですが)
駅に運ばれる郵便を誰もが漁れる状況下、穿鑿好きのお婆さんたちが他人に来た手紙を勝手に処分しようか(←ちょっと待て!)と、話しているのを耳にして、ロバートは改善策を考えます。
郵便の仕分けセンターを作り、生活に困っているポーターに仕事を預けて、生活の足しになればと、署名を集めたりと奔走。
誰かのためにと考えて、実行できるのは素敵ですね!
成長したじゃないか、ロバート!(←何だこの、上から目線は)と、シリーズを追ってきた私としては、妙に感慨深くなりました。
うん、だって最初の頃は金持ちの坊ちゃん気質が抜けず、他人を思いやるところなんてなかったよ(悪い奴じゃないけれど、気配りが足りない部分があって)
それだけにねー。
人助けをしたかった肝心のポーターが殺されてしまったけれど、(一応、伏せとく?→ロバートのがんばりはちゃんと実を結んで、違う誰かを幸せにしました。
その辺の人情話が、個人的には読んでいて心地よかったです。
ただ、リリーの出番が少なかったのが、少し残念でした。
ところで、白骨死体の件が……(あんまり、本筋とは関係なかったので、何だったの?と。今後の伏線なのかな?(リリーが学問に興味を持つきっかけにはなっていたので)
そんなわけで、続きが楽しみ! ……なのですが。
本国でも次回作がまだ出ていてないということ。き、気長に待ってます。

今をたよりに (創元推理文庫)今をたよりに (創元推理文庫)
(2011/06/29)
ジル・チャーチル

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03

January February March April May June July August September October November December
2011(Sun)

「暗い鏡の中に」ヘレン・マクロイ著

読感/翻訳小説



「暗い鏡の中に」ヘレン・マクロイ著/

ブレアトン女子学院に勤めて五週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。彼女への仕打ちに憤慨した同僚ギゼラと、その恋人の精神科医ウィリング博士が調査して明らかになった“原因”は、想像を絶するものだった。博士は困惑しながらも謎の解明に挑むが、その矢先に学院で死者が出てしまう…。幻のように美しく不可解な謎をはらむ、著者の最高傑作。

↑本の内容紹介から。

長らく絶版だったのが新訳となって復刻した、精神科医ベイジル・ウィリング博士が探偵役となるシリーズのものです。
(八作目にあたるけれど、そもそも翻訳がまばらだったりします)
既読は「幽霊と2/1」がありますが、「暗い鏡の中に」はそれ以前のお話。
(ベイジルとギゼラが結婚していない)
と、お話はギゼラがドイツ語教師を務める女学院が舞台です。
同僚の女性教師が突然解雇され、憤慨したギゼラがベイジルに手紙で相談したことで、ベイジルが関わってきます。
女性教師フォスティーナが解雇されたその理由は(一応、ネタバレ注意?→フォスティーナの生霊(ドッペルゲルガー)が学園内に現われ、ときおり彷徨っているということ
フォスティーナには、30歳になったら受け取れる宝石などの遺産があり……彼女を追い詰める悪意ある企みか、それとも実際に彼女自身の××か。
そうした中で、死者が出る。その場には××の姿があり、でもギゼラと電話中だったという鉄壁のアリバイが!
超常現象か、否か。
どちらかわからない不安感に答えを求めて、というか、先が気になってしょうがなくってページが進みます。
そして、とうとう(フォスティーナ自身が××に?
ベイジル最終的に引き出された、答えというか、ラストがね。
余韻といいますか……(一応、解決されたはずのに、読了後も悩まされるような仕組みで、胸の奥に棘をさされたかのように印象に残ります

事象に対して論理的に検証していく過程は、「ゴースト・ハント」シリーズが好きな人は楽しめるんじゃないかなと思うのですが、うん、このお話のラストは……(白黒ハッキリしないと駄目って言う人には、向かないかな?)

個人的には、こういう余韻も嫌いじゃないので、復刻してくれて良かったです!

暗い鏡の中に (創元推理文庫)暗い鏡の中に (創元推理文庫)
(2011/06/21)
ヘレン・マクロイ

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↓ベイジル・ウィリング博士シリーズ
家蝿とカナリア (創元推理文庫)家蝿とカナリア (創元推理文庫)
(2002/09)
ヘレン・マクロイ

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幽霊の2/3 (創元推理文庫)幽霊の2/3 (創元推理文庫)
(2009/08/30)
ヘレン・マクロイ

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同作家では、ノンシリーズのサスペンス小説「殺す者と殺される者」が好きです。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)殺す者と殺される者 (創元推理文庫)
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ヘレン・マクロイ

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