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プロフィール

松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
写真は家のお人形さん
・マリア
(レッドデリシャス)
・アリス
(ユニバーシティオブラブ)
・ローズ
(モニークマニフィーク)
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(セイディスプリンクル)
・リディ
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(スコッティマム)
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(サリー・サルマガンディ)
*べべ
(メラニーユビークガール)
・メアリー
(ダークラビットホール)
・ソフィア
(ミンティーマジック)
・メロディ
(プレイフルレインドロップス)
・ルーシー
(デヴィデラクール)
・グリシーヌ
(アドアーズ・アナ)
・クラリッサ
(ホームスウィートホーム)

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↓最近読んだ本など。
  




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  • 2012
  • 06/30
  • Sat

「湿地」アーナルデュル・インドリダソン著

「湿地」アーナルデュル・インドリダソン著/

雨交じりの風が吹く、十月のレイキャヴィク。北の湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。被害者によって招き入れられた何者かが、突発的に殺害し、そのまま逃走したものと思われた。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、現場に残された三つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。計画的な殺人なのか?しだいに明らかになる被害者の老人の隠された過去。レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルがたどり着いた衝撃の犯人、そして肺腑をえぐる真相とは。世界40ヵ国で紹介され、シリーズ全体で700万部突破。ガラスの鍵賞を2年連続受賞、CWAゴールドダガー賞を受賞した、いま世界のミステリ読者が最も注目する北欧の巨人、ついに日本上陸。

↑本の内容紹介から。

アイスランドを舞台にした警察小説です。
本邦初訳なんですが、実はシリーズ三作目(翻訳本は売れないと、シリーズの続きの版権が買えないという事情などもあるので、評価が高いこの本が最初に日本に紹介されることになったみたい)
というわけで、シリーズ物で既に読者が知っている捜査の主要メンバーに対する情報が若干、少ないのが戸惑いました。
その点と、アイスランドの名前に馴染みがないのに、引っかかりを覚えた以外は問題なく読み進めることが出来ました。
(エーレンデュルが男性なのでエーリンボルクも男性だろうと思っていたら、女性だった!とか(笑))
アイスランドは姓というものが基本的にはなく、父親の名前に男性だったら「ソン」、女性だったら「ドッティル」がつくので、姓まで表記してあったら、わかりやすかったと思うんですけど。
(↑というわけで、作者のお父さんの名前はインドリダ(ディ)とわかる。何でもアイスランドでは著名な作家だとか)
そうしたら、関係のない父親の名前まで考えなくちゃならないので、その辺はしょうがないですね。

話を元に戻して。
陰鬱な雨が降り続く、レイキャヴィクのアパートで、老人が死体で発見されます。
計画的ではない、衝動殺人。典型的なアイスランドの殺人と追われた現場には、一枚のメモが残されていた。
主人公の捜査官はエーレンデュルは老人の過去に事件が関係しているのではないかと、その筋で捜査をします。
そうして被害者の過去が見えて来ると、被害者と加害者、二つの間で読んでるこちらの感情が捩じれてきました。
老人は過去に女性に対し、暴行事件を犯していた……。しかも、これがまた酷い形で女性を追い詰めてる……。正直、この被害者はろくでなしだと思わずにはいられない
ミステリとしては大仰な仕掛けもミスリードも特になく、割と展開が読めるといいますか、犯人像は見えてくるんですが。
多分、これはあえて見せているんじゃないかな、と。
犯人との距離を近づけることによって、感情を揺さぶって来るというか(私の勝手な推測だけど)
過去の事件の酷さ、それが後々に及ぼした影響。
幼くして病死した少女が、出て来るんですが。
エーレンデュルは過去に離婚して、幼い頃に別れた子供たちは大きくなっているけれど、娘は麻薬漬けという……。
ジャンキーとかした娘が転がり込んできて、さらに妊娠している様子。一応、娘は麻薬を止めようとする意志を見せているけれど、なかなか止められない。
そのことに対して、死んだ少女を引き合いに出し怒りを爆発させるエーレンデュルが、読んでるこちらと同じ立ち位置で何と言うか、近い。
(うん、親がどうであれ、生まれて来る子は大事にしてあげてよ)
犯人に近づけば近づくほど、募る切なさは辛く。
でも、辛いからこそ、作者が作品を通して訴える声は、響く。
暴力を描くことで、痛みを訴える。そうした社会問題提示は、書く側の作者の精神も削る。それでも知って欲しいと願うからこそ書く覚悟というのが、訳者あとがきのインタビューで、作家本人の声として聞けたことも良かったです。
お話は本筋とエーレンデュルのサイドストーリと、シンプル故に読みやすいと思います。
翻訳ものが苦手な人にも、いいんじゃないかな?
他のシリーズも、読みたいです。

湿地湿地
(2012/06/09)
アーナルデュル・インドリダソン

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  • 2012
  • 06/29
  • Fri

「光」道尾秀介著

「光」道尾秀介著/

真っ赤に染まった小川の水。湖から魚がいなくなった本当の理由と、人魚伝説。洞窟の中、不意に襲いかかる怪異。ホタルを、大切な人にもう一度見せること。去っていく友人に、どうしても贈り物がしたかったこと。誰にも言っていない将来の夢と、決死の大冒険―。

↑本の内容紹介から。

五人の少年少女たちの、小学校時代を綴ったお話です。
主人公・利一くんの一人称で彼が小学校四年生だったときの約一年が語られています。
大人になった時点から、子供時代を振り返っているので、全体的に取り戻せない時を懐かしむ様な、愛おしんでいる様な雰囲気が漂っています。
それがなんとも言えず、キラキラしている。
リアルタイムでの成長を綴っていたのなら、やや綺麗過ぎる感じがすると思うんですが。
これは大人になった時点からの回想なので、大切な思い出はこう輝いて見えるものだよな、と。とても素直に沁み込んで来る。
眩しいくらいのキラキラ感が、とても良かったです。
(小四という設定が、ある意味絶妙だなと思いました。もう少し年齢が上だと、動くより先に頭で考えていただろうし、ね)
お話は日常の謎的なミステリもありつつ、大人に内緒の洞窟探検といった子供らしい冒険。
友達間でのちょっとしたイタズラや転校する友達への贈り物、思い出作りと。
そうして、事件と。
彼らの思い出を懐かしむように活字の上を追いかけながら、一緒にドキドキハラハラしたり、笑ったり、とってもとっても楽しかった!
そうしながら、道尾さんらしい仕掛けに、「あー」と驚かされたり。
大人の人は童心を振り返って、また子供(それに近い人は)利一くんたちと一緒に駆けまわると、楽しいと思います!

光
(2012/06/08)
道尾秀介

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  • 2012
  • 06/28
  • Thu

「烏に単は似合わない」阿部智里著



「烏に単は似合わない」阿部智里著/

人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか?

↑本の内容紹介から。

松本清張賞を受賞した新人さんの本です。あらすじで、何だか面白うと、飛び着いたら、直感に従って良かった。面白かったです。
お話は平安時代辺りをモデルにした、人が烏に変化する(どちらかというと、烏が人の姿をしている世界で、貴族は滅多に鳥形になることがない)という独創的な世界設定。
そんな八咫烏が支配する世界で、世継の若宮の后候補として登殿した四人の姫君たち。
第一章の視点となる春殿、あせびの君は身体が弱く別邸で暮らし、世間知らずなおっとりした姫君。
寵愛を競い合う他の姫君、夏殿の浜木綿(はまゆう)は凛としたどこか男っぽい女性で、若宮にはあまり関心がなさそう。秋殿の真赭の薄(ますほのすすき)は華やかで自信たっぷりの女性で、冬殿の白珠(しらたま)は人見知りの美少女。
彼女らと対面することで、あせびの君は自分が世間の常識など何も知らないことに気づいて――と。
無知な姫君の成長ものかと思っていたら、登場人物たちの印象が次から次へとひっくり返されて、ビックリでした。
いや、あまり書くとネタバレになりそうですが。もう本当に、可愛いなーと思っていた印象が、××よっ!となったり。
ちょっとどうなのかしら、この人はと思っていた人が、実は健気で素敵だったりと。
第一印象が見事に覆されました。
お話自体も色彩豊かで、柔らかく、優しい感じを受けていましたが、第五章でピリリと引き締まると言うか。
油断していたところでひっくり返されて、わーわーわー。
独特の世界設定が設定だけではなく、この世界でなければ成り立たない。ちゃんと、この世界のお話である必然性というのが仕掛けにも現われていて、ファンタジー設定が生きているのも良かったですし。
それぞれの個性あるキャラも、うん明確で、良かった。
(個人的には、秋殿のファンになった。彼女、いいです。素敵(多分、彼女が一番成長して、大人になった
約一年、姿を見せなかった若宮も、五章しか登場していないのに「わーかーみーやー(やや低い声で)」と、何度唸らされたことかと。
(多分、読んだら、私の気持ちはわかって貰えるかと)
まあ、でも、結構(彼女に対しては策を弄したという感じで、不器用っぽい)一面も見せつつ。
淡い初恋や身分差の恋など、少女小説などが好きな人にオススメです。
ミステリ読みの人も、そう来るかで、楽しいと思います。是非是非!

烏に単は似合わない烏に単は似合わない
(2012/06/24)
阿部 智里

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  • 2012
  • 06/24
  • Sun

更新。

「恋星」、「みらい星・後日談」を更新しました。

「みらい星」は一話完結シリーズにしたいなーという、希望を抱いておりましたが。
続きを書いては、途中で止まったままで。
いつまでも目次に希望の文字を載せておくのも、何だと思いつつ、今日まで……。
今回掲載の話は、もう何年も前に書いていましたが、後日談ということで編集し直しました。
……今さらも、今さらですし。
お付き合いくださる場合は、お好みで。
もうちょこっと、書いている原稿は残っているので……また後日談はあるかもしれませんが、予定は未定ということで!(こら、待て)

最近は何だか、全然書けなくて……一行に執筆が進んでおりません。
決して、書くのが嫌になったと言うわけじゃないんですが……。
一応、サイトを続ける気はあるんだよ!という感じで、今回の更新です。
うん、お話が区切りがいい感じで完成しないだけで、未完の原稿は山ほどある。
(……完成を目指して、がんばります)

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  • 2012
  • 06/23
  • Sat

「天使の帰郷」キャロル・オコンネル著

「天使の帰郷」キャロル・オコンネル著/

ルイジアナ州デイボーン。姿を消したマロリーをさがし、彼女の故郷を訪れたチャールズは、子供を抱いた天使の石像を見て驚いた。これは確かにマロリーの顔だ。17年前に惨殺された女医を悼んで刻まれた天使。腕の中の子供は、行方不明になった彼女の娘だという。一方、デイボーンでは、自閉症の青年が両手を負傷させられ、町の一角を占拠する宗教団体の教祖が殺された。そして、容疑者としてよそ者が勾留されているという。その名は、マロリー。誰にも一言も告げず、ひそかに帰郷した彼女の目的は?いま、石に鎖された天使が翼を広げる―過去の殺人を断罪するために!鮮烈無比なヒロインの活躍を描くシリーズ第4弾。

↑本の内容紹介から。

マロリーの過去が明らかになった、シリーズの第四弾です。
前作のラストでチャールズさんに(キスして、距離が縮まったかと思いきや。チャールズさんの告白の手紙(というか、石つぶて?)は、無人の部屋に放り込まれて、届くことなく))マロリーさんは消えた!
えっー!と、思いつつの四作目は少し時間が経過して(半年くらい?)失踪したマロリーを追って、彼女の故郷をチャールズさんが訪れたところから始まります。
そしたら何と、カルト教団の教祖が殺されており、マロリーが拘留されている。
心配で堪らないチャールズさんだけど、そこはあのマロリーさんですよ。
新人の保安官助手を手玉にとり、また経験豊富な保安官さえも翻弄しては、うん、華麗に(脱走)してます。
さすがです、マロリーさん。
しかし、森の中で銃撃されて、負傷。ちょっと弱った一面を見せたりしたけれど……そういうときに限って、チャールズさんは傍に居ないんだなっ!
(その前に、ちょっと喧嘩みたいなやり取りで、チャールズさんの方から背中を向けて去っており、それが弱っている風に見せた感じでもあったのだけど)
そうしてチャールズさんがはいい人過ぎて、沢山の人に翻弄されては誰を信じて良いのやらと、振り回されていましたが。
(教祖の兄の口車に乗せられて、押してダメなら引いてみろという感じで、マロリーの前から去るべきかと悩んだり。オーガスタという女傑の言葉に凹まされたり)
また、ライカー刑事もマロリーを追ってきては、冷酷無慈悲なマロリーさんは何を仕出かすかわからないお人なので、彼女の目的は殺された母親の復讐で、母親をリンチした者たちを皆破滅させようとしているのではないかと、止めようとする。
死んだ教祖をマロリーが殺していても不思議ではない、と。誰もが思っているところに、オイオイと思わなくもないのですが(実際、やりかねないキャラであると思います)
何とか、彼女を連れ戻そうとするライカー刑事やマロリーの目的を叶えようとするチャールズさんと。
どちらもマロリーのことを思っているんですが、敵味方にわかれて。
他にもマロリーを味方する人たち(オーガスタや保安官も経ち位置は違えど、彼女の味方ではあるんだけど)もまた相手の立ち位置がわからないのでそれぞれが本心を隠して、化かし合い染みたところが読んでておかしかったです。
終盤は(西部劇か?)というよう様なアクションもありつつ。
過去と決着をつけるマロリーさんは、やっぱり(強かった!

天使の帰郷 (創元推理文庫)天使の帰郷 (創元推理文庫)
(2003/02)
キャロル オコンネル

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  • 2012
  • 06/18
  • Mon

「クローバー・レイン」 大崎梢著



「クローバー・レイン」 大崎梢著/

作家=小説を書く人。
文芸編集者=小説のためになんでもする人。

老舗の大手出版社に勤める彰彦は、過去の人と目されていた作家の
素晴らしい原稿を偶然手にして、どうしても本にしたいと願う。
けれど会社では企画にGOサインが出なくて――。
いくつものハードルを越え、本を届けるために、奔走する彰彦。
その思いは、出版社内の人々に加えて、作家やその娘をも巻き込んでいく。
本に携わる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる一作。

↑本の内容紹介から。

出版社文芸編集の青年が主人公のお仕事小説です。
舞台となる出版社は同じ作家さんの「プリティが多すぎる」の千石社。
老舗の大手で文芸の編集者を務める・工藤彰彦さん。人気作家を担当し、そこそこ順調の編集者人生(まだ二十九歳だけど!)
そんな工藤さんがある賞のパーティーで、酔っぱらって寝込んでしまった作家・家永さんを家に送り届けた先で、まだ発表されていない長編原稿を見つけます。
是非にと読ませて貰い、惚れ込んだ彼は、この小説を本にしたいと思うのですが、家永さんからは渋るような声。
「どうしても」という工藤さんに家永さんもようやく頷いたものの、そこには思わぬ壁が。
過去は売れていたけれど、多作になったことで小説の質が落ち、今では過去の作家となっている家永さんの本を出すには、大手のブランドと格が合わないみいな……。
もう一度、世間的に評判になったらと――編集長からもいい返事が来ない。
それでも諦めきれない工藤さんの奮闘ぶりを読んでると、読み手の手元に届くまでには、沢山の人の想いと時間が積み重ねられているのを、改めて実感しました。
(編集長が認めたところで、今度は営業。そして本が作られたところで、それが売れなければ、文庫化の際には他の出版社に持って行かれる――などなど)
また家永さんの原稿に書かれた一編の詩。そこに見え隠れする、作家さんの家族のすれ違い、と。
その問題を通しての工藤さんが自分が作った本を読んで欲しいと思う人との、複雑な関係など。
本が好きな人、本が出来上がるまでの過程に興味ある人だけではなく、誰かに何かを届けたい人――そういう人には色々と感じるところがあるのではないでしょうか。
何にしても、本好きさんにはオススメです!

「クローバー・レイン」と「プリティが多すぎる」のコラボ小説が、公開中とのこと。→「こちら
未読の方も、チェックしてみては。

クローバー・レイン (一般書)クローバー・レイン (一般書)
(2012/06/07)
大崎梢

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プリティが多すぎるプリティが多すぎる
(2012/01)
大崎 梢

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  • 2012
  • 06/11
  • Mon

「ラバー・ソウル」井上夢人著

「ラバー・ソウル」井上夢人著/

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。

↑本の内容紹介から。

「オルファクトグラム」や「魔法使いの弟子」などと、奇抜な発想が面白い、井上夢人さんの新作です。
病で容貌が醜く、世間と関わり合いを避けて暮らしていた主人公が、モデルの絵里に心を奪われ、彼女に近づく男を排除していく――という、ストーカー小説。
だけど、それだけでは終わらないよ!
お話は、主人公視点の手記と複数人の証言から綴られています。
病気で醜くなった容貌に、誰もが目を逸らし、実の親でさえ彼を見捨てた。家は裕福なので、暮らしには困ることなく、ビートルズの評論を書くことだけが、世間との唯一の繋がりだった主人公の鈴木誠。
自分の容貌の醜さを自覚していて(マスクに帽子にサングラスと、極力顔を隠すようにしている)外に、人に顔を見られるのも嫌がっていた彼ですが、自らの存在を受け入れてくれた雑誌の依頼で、所有している高級車を撮影に貸すことに。
その撮影現場で事故が起こり、彼はモデルの絵里を送って行くことになり、彼女を車の助手席に乗せた――。
その、「乗せた」というか、「乗った」ことにより、彼は絵里に頼られたと感じる。
今まで誰もが彼を顧みることがなかったなかで、彼は頼られたことに感動し、彼女に初めての恋をするわけですが……。
彼女の前に姿を晒すことが出来ない彼は、彼女の近くに部屋を借り、車で追跡し、果ては盗撮・盗聴。彼女に近づく男がいれば、その男を排除すべく――と。
もう、この辺りの彼の手記は、妄想過多というか、思い込みが激しいというか、どうやったらそんな風に、自分の都合のいいように解釈できるわけ?と言いたくなるくらいで、正直怖いです。
ストーカー心理が本当によく書かれているというか、ちょっと理解不能の考え方にぞわぞわと、背筋を震わせながら読み進めて行くと、終盤、真相が明かされたときの衝撃は――。
読了後、全てを知ってからもう一度、読みなおせば、色合いが変わってくるお話だと思いました。
ネタバレしてます。出来れば、読後に手記は実は、ある人を守るためにわざと自分を怪しく書いたものだった!というね。
うわー、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。と謝りたくなる。
だって、自分の化け物のような容貌を自覚し、沢山傷ついていながら、それでも初めて愛した人を守るために自分をわざと貶めて書くだなんて……。
どんな想いで、自分を気持ち悪いストーカーとして書いたのかと思うと、ね。
初読の際は、ただただ気持ち悪かったお話も、切なく感じてくるわけですよ。
個人的に、それだけのことをしてあげる相手だったのかと思うんですけど。そこにしか「価値」を見いだせなかった彼は世間から冷たく拒絶されてきたのだろうと思えば……また(涙)

二度、三度と楽しめる作品だと思いますので、良かったら是非!

ラバー・ソウルラバー・ソウル
(2012/06/02)
井上 夢人

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  • 2012
  • 06/07
  • Thu

「死のオブジェ」キャロル・オコンネル著

「死のオブジェ」キャロル・オコンネル著/

画廊で殺されたアーティスト。若き芸術家とダンサーの死体をオブジェのように展示した、十二年前の猟奇殺人との関連を示唆する手紙。伏魔殿のごときアート業界に踏みこんだマロリーに、警察上層部の執拗な捜査妨害が。マーコヴィッツの捜査メモを手掛かりに再捜査する彼女が見た、過去に秘められたあまりにも哀しい真実とは?

↑本の内容紹介から。

マロリーシリーズの第三弾です。
画廊で殺されたアーティスト。十二年前の猟奇的殺人事件との関連を示唆する手紙が届いて、殺人事件を捜査するマロリー。
過去の事件は犯人(精神を病んで実刑は受けていない)がわかっていることで、警察の上層部は過去の事件を掘り返そうとするマロリーを捜査から外そうとします。
FBIに捜査権を譲渡しようとしたりする、直属の上司コフィーやライカーは、マロリーを守ろうとする。
冷酷な美貌の刑事マロリーさんは、何だかんだと、愛されております(笑)
まあ、放っておけない雰囲気がマロリーには、あるんだよな(そういうわけで、何だか目を離せないわけなんですよ)
そうして、過去の関係者に近づくために、マロリーはチャールズさんにパーティに連れて行って欲しいと頼めば、マロリーに恋をするチャールズさんはお目目をキラキラさせて(←勝手な想像です!)

「ダンスパーティーに? もちろんいいよ」
 ああ、ぜひとも! (P97より)
 

で、会場を訪れてみれば、マロリーは事件関係者について行って、チャールズさんを置き去りに!
酷いよ、マロリー!(涙)
その辺りを指摘されても、彼女はチャールズさんなら大丈夫と言いきるも、謝ることに(←ちょっと、柔らかくなった?と思わせる)
その方法が、窓ガラスに石を放り込んで、その石に「ごめんなさい」と一言、添えるとか。(何やってんですか、マロリーさんっ!
と、まあ、事件は猟奇的で、シンドイ部分もあるんですが。
(娘を失って、狂った母親とか……ね。辛い……)
それでもやっぱり、後を追いたくなる登場人物の魅力や描写が、堪らない。
(今回はライカー刑事の部分とか、よかった(ネタバレ反転→生きることを放棄しようとしていたんだけど、マロリーの影響で生きようと思ったところとか
マロリーが事件を通して過去に近づくことで、感情というか、冷酷な天使が人に戻って行くようなところも良かったです。
そうして、終盤チャールズさんとの距離も縮まったかと思いきや……。
え、ええー?(折角、チャールズさんが告白したのに(←ごめんなさいと同じ方法で!
続きが気になる終わりなので、続刊「天使の帰郷」は傍に置いておくことをオススメします!(笑)

死のオブジェ (創元推理文庫)死のオブジェ (創元推理文庫)
(2001/08)
キャロル オコンネル

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  • 2012
  • 06/02
  • Sat

「英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!?」久賀理世著


「英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!?」久賀理世著/

令嬢記者、新聞広告の謎に挑む──!?
世紀末ロンドン。ある目的のため、身分を隠して見習い記者として働く子爵令嬢セシル。性別さえも偽る生活だが、仕事上の相棒であるジュリアンとの仲は良好。ある日、怪しい新聞広告を見つけたセシルは!?

↑本の内容紹介から。

男装して新聞記者見習いとして働く子爵令嬢セシルのシリーズ第二弾です。
貴族相手に盗みを働く怪盗に、怪しい新聞広告と。
ミステリ好きな私の心をくすぐるキーワードが散見して、かなり早い段階からテンションが上がる上がる。
(アルセーヌ・ルパンが好きな私は、「怪盗」の文字にときめいてしまうのです!)
怪しい新聞広告では、E・A・Pという偽名の差出人。
その文面といい、頭文字といい、
(これって、エドガー・アラン・ポーよねっ!と推理を働かせてみれば、当たった←この謎は、解かる人には直ぐにわかる謎なので、自慢にもなりませんが(笑)
情報集めに貴族の集まりにセシルが潜入すれば、そこで出会った新しいお友達アメリアお嬢さんが結構な性格をしていて、いい。
貴族社会を書いていますが、ロマンチックな夢見がちな世界ではなく、当時の窮屈さみたいなものもちゃんと描かれてあるし、当時の文化なども書かれてあって好き。
第1話は、うん、本好きさんには気持ちがわかるでしょう。あの同好の士を見つけた時の喜びとか。
そうして長兄も相変わらずのシスコンで、それでもってちょっぴり不憫(笑)
長兄とジュリアンの秘密会議は、笑う。
今回も面白かったです!

英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!? (英国マザーグース物語シリーズ)英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!? (英国マザーグース物語シリーズ)
(2012/06/01)
久賀 理世

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英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け! (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)英国マザーグース物語 婚約は事件の幕開け! (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)
(2012/02/01)
久賀 理世

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  • 2012
  • 06/01
  • Fri

更新。

「秘密を閉じ込めて」、「心、乱されて」更新しました。

しました。
しました。

……昨日の日記に書いたので、書くことがない。
まあ、そんなこんなで、目次には14番目のお話のタイトルを書き込んでおります。
更新は…………不明です。うん、まあ、今月更新できなくても、来月は一回更新できるよ!
(個人的にストックがあるのとないのでは、気の持ちようが違うと言いますか。……待っている人が居てくれましたら、どうかご理解くださいませ)
とりあえず、闇鍋を基本に、進めていきたいと思ってます。

新しいイラストソフトを導入したので、闇鍋のイメージ作りも兼ねて、お絵描きなどもしたいと思いつつ。
秘密のイラストもラフなんか描いたりしてるけれど、あまり表にイラストイメージを出すのもあれかなと思いつつ。
まあ、それはこれ。あれはこれ。

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