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プロフィール

松原冬夜

Author:松原冬夜
「夜の夢」というサイトで小説などを書いています。
現在、ブライスさんに夢中。
写真は家のお人形さん

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  • 2013
  • 08/31
  • Sat

更新。

「君が呼んだ、その先で」、「後日談 私は世界を探る(前編)」更新しました。

その後に興味ありの方だけ、お付き合いくださいな。
正直、前半はあまり話が動いていませんが……。
でも順を追って書いて行こうと、主人公が言うので(←登場人物のせいにする)
この主人公はやたらと細かいことを気にしたり、突飛な発想をしてくれたりするので、作者としてもかなり迷走した感がありますが……。
何とか、落ち着くとこに落ち着いたような……午前のお話です(まだ二日目の、午前……)

後半は近日中にでも……。

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  • 2013
  • 08/29
  • Thu

お買い物。

お人形さんのお洋服買ったり、手帳を買ったり。ステッカーを買ったり。
DVDボックスを買ったり。

えへ。この週末のお楽しみは一杯あるんですけれど。
とりあえず、小説を……。

そして、台風が接近しておりますね。
被害が出る前に、熱帯低気圧に変わってくれたらいいな……。
こちらでも風雨が強くなってきているので、台風圏内の方はどうぞお気を付けください。


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  • 2013
  • 08/23
  • Fri

新しいお洋服。

新しいお洋服を買いました。
ってもう、写真ブログの方には載せてるけど。

うふふっ。
可愛いです!

帽子とジャケットがカッコよくって、ハードチュールのスカートがふわふわと女の子っぽくって、イイですね。
イイですね!

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  • 2013
  • 08/20
  • Tue

写真加工。

暑い日が続いてますね。
というか、日々、今年の最高気温を更新続けているような気がしますが。
私の住んでいるところは。

……あれ、八月ももう半分過ぎたのにね……。
(過ぎたのに、まだ小説は1文字も書いてない。ところへまた、忙しくなってきたりして……)

そうしながらも息抜きにお人形さん写真を整理して、癒されております。

可愛い。なんて、可愛いんだろう、うちの子たちは!(←親バカ)

インスタさんの写真加工が無駄に楽しかったり。

2_201308202037087a2.jpg

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  • 2013
  • 08/18
  • Sun

「刑事たちの三日間 上・下」アレックス・グレシアン著

「刑事たちの三日間 上」アレックス・グレシアン著/

1889年、切り裂きジャックの恐怖が残るヴィクトリア朝ロンドン。地に落ちた警察への信頼を回復するため、ロンドン警視庁に殺人捜査課が創設された。日々捜査に忙殺される中、仲間のひとりが無残な死体となって発見される。事件の捜査を命じられたのは、新米警部補のディだった―。巨大都市にはびこる犯罪の闇、それに立ち向かう刑事の光。斬新なスタイルで贈る傑作警察小説!バリー賞、「ストランド・マガジン」批評家賞ノミネート。

「刑事たちの三日間 下」アレックス・グレシアン著/

科学的犯罪捜査の先駆者キングスリー博士の助けを借りながら、ロンドン警視庁の殺人捜査課警部補のディは、同僚刑事殺害の謎を追う。一方で、卑劣な犯罪を目の当たりにしたハマースミス巡査は、密かに捜査することを決意する。その先に、罠が待ちうけているともしらずに…。刑事たちの終わらない捜査の日々の、わずか三日間のドラマを活写する、圧巻のヴィクトリア朝警察小説。

↑本の内容紹介から。

切り裂きジャック事件が世間を賑わせて暫くのロンドンで、民衆たちの警察への信頼が失墜しているで、一人の警察官の無残な遺体が発見される――という、かなりショッキングなところから始まります。
切り裂きジャック事件は直接は関係ない(間接的には少しだけ関わるけれど、犯人の謎に迫ったりはしない)ですし、この時代を舞台にしてはそうそう陰惨さはないかなと思います。
ほんの一部、ところどころにショッキングな描写が混じるけど、そこまでグロかったりはしないので、大丈夫じゃないかなぁ……と思いますが。
(こればっかりは人によるでしょうが、最初の衝撃がOKだったら、耐えられるレベルかと)
事件を担当するのはロンドンに出てきたばかりの新米警部補・ディ。
彼はロンドンに出てきたばかりで、凄く真面目な人です。一緒にロンドンにやって来た奥さんのクレア。
彼女とは結婚してそれほど経っていないけれど、奥さんの家は割と裕福なので、自分のような安月給の刑事の妻に迎えて良かったのか?みたいな、申し訳なさを感じているような、ディ警部補です。
(ここら辺の奥さんとのすれ違いが、じれったいロマンス好きな人にはイイかと!)
そんなディ警部補と組むのが、ブラッカー警部補でダジャレ好きな人です。
彼の下でこの事件の捜査に加わるのが、これまた熱血漢なハマースミス巡査と、服装に拘るプリングル巡査。
他にも、本来の仕事とは関係なく解剖を手伝う医師のキングズリー博士と、その娘フィオナ。警視総監のサー・エドワードと、皆、魅力的な人物描写が良いんですよ。
お話は多視点で綴られ、犯人は読者側にもわかるようになっているんだけど。
(なので、捜査陣が犯人に近づいたり、捜査の方向性が行き違ったりするのにじれったさを感じたり、ドキドキしたり)
この犯人がある意味、素人くさいというか。行き当たりばったりに近いような感じで何やらかすか、わからん。そこへ持ってきて、別の事件や様々な人たちの思惑が絡んできて、終始ハラハラドキドキでした。
また当時の庶民の生活も垣間見え、とても面白かったです!
シリーズの続きもあるようなので、読みたいです。
刑事たちの三日間 上 (創元推理文庫)刑事たちの三日間 上 (創元推理文庫)
(2013/07/27)
アレックス・グレシアン

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刑事たちの三日間 下 (創元推理文庫)刑事たちの三日間 下 (創元推理文庫)
(2013/07/27)
アレックス・グレシアン

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「刑事たちの三日間」が面白かった人は↓のシリーズも面白いですよ!
闇のしもべ 上 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)闇のしもべ 上 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)
(2012/09/21)
イモジェン・ロバートスン

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闇のしもべ 下 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)闇のしもべ 下 (英国式犯罪解剖学) (創元推理文庫)
(2012/09/21)
イモジェン・ロバートスン

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首斬り人の娘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)首斬り人の娘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2012/10/05)
オリヴァー ペチュ、Oliver Potzsch 他

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  • 2013
  • 08/16
  • Fri

DVD・アルバート氏の人生

アルバート氏の人生 [DVD]アルバート氏の人生 [DVD]
(2013/08/02)
グレン・クローズ、ジャネット・マクティア 他

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≪STORY≫
本当の自分は、タキシードの下に隠して生きてきた…。
19世紀アイルランド。モリソンズホテルでウェイターとして働くアルバートには、誰にも言えない重大な秘密があった。それは、“彼"が14歳の時からずっと、貧しく孤独な生活から逃れるため、男性になりすまして生きてきた“女性"であるという事実だった…。誰にも真実を打ち明けることなく、40年以上もたった独りで生きてきたアルバートだったが、ある日、ホテルにやってきたハンサムなペンキ屋ヒューバートに出会ったことで、固く閉ざされていた心の扉が開き出す…。

映画公開前から観たいと思っていたものです。
残念ながら近くで公開がなかったので、DVD待ち。出ていたので、ポチっと。
もうとっくの昔に観たよという人も多いかもしれませんが、とりあえず感想を。
知らない方が、色々と驚く部分もあるかなと、ネタバレ部分は反転したり、ぼかした言い方で行きます。

舞台は19世紀のアイルランドです。
貧困がはびこり、職を失えば路頭に迷う、そんな時代。
ホテルで働くアルバート氏。よく気が利くことで客からも信頼熱い彼は、ホテルオーナーから仕事の間、ペンキ屋のヒューバートを自室に泊めるように言われます。
アルバート氏としては、困惑。なぜなら彼は、実は「女性」だったから!
オーナーにも誰にも秘密にしていることなので、当然ながら断る理由もないに等しく、しぶしぶ泊めることになったその晩、危惧していた事態になります。
ヒューバート氏に女性であることがバレちゃった!

こう書くと、コメディのように思われるかもしれませんが、何しろアルバート氏が性別を偽った理由が理由なので、全体的に物静かにお話は流れます。
秘密を知られたことで、他の人にもばらされるのではないかとハラハラするアルバート氏にヒューバート氏は(彼もまた男装している女性であることを明かします
その秘密を知ったことで、アルバート氏はヒューバート氏と同じように幸せな家庭が作れるのではないかと、夢を見ます。
ヒューバート氏は同じく女性と結婚していた
いずれ貯めたお金で、お店を開くというのが夢だったけれど。結婚して――と膨らむ夢にアルバート氏は、意中の相手にデートを申し込みます。
しかし、その意中の相手には既に恋人がいて……と。
多分、アルバート氏にとってその相手は性的なものではなく、昔の幸せだった頃の象徴のような存在だったのではないかな
不器用なアルバート氏と、そんなアルバート氏からお金を絞り取ろうとする×××の恋人と――。
そうした中、ホテルでチフスが発生して――と。

結末は、もう何というか……色々と。色々と。もう。(←ネタバレしないようにと思うと、言葉が出ない)

何にしても、とても良かったです。
男装していたアルバート氏が、女もののドレスを着るシーンがあるのですが。
そこは長年男装していたという設定があるから、どう見ても女装にしか見えなかったりするのだけど。
少し表情が砕けると、女性っぽさが見えてくるところが、何と言うか、役者さんって凄いと思わされました。
この辺りの時代はとても好きなので、衣装なども見ていて楽しめました!

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  • 2013
  • 08/15
  • Thu

「死んでも負けない」古処誠二著

終戦記念日ですね。
沢山の人の生死の上に築かれた平和が、子子孫孫、いつまでも続きますように。

読感です。

「死んでも負けない」古処誠二著/

祖父はビルマ戦の帰還兵で、口を開けば戦争中の自慢話だ。当時4歳だった僕にイギリス兵を素手で殺したという話や、自分が現地の娘にモテたことなどを、得意満面に語る。いいかげん聞き飽きたが、話を聞かないと鉄拳制裁が待ち受けている。我が家の生活もすべて祖父の意志が大優先だ。その祖父が倒れて入院した。そしてベッドの上で、あり得ない言葉を呟いた…。

↑本の内容紹介から。

「ルール」や「接近」など多数の戦争小説をお書きになっている古処さんの新刊は、今までの戦時中を舞台にしたお話とは違って、現代です。
(正確には、二十一世紀を迎える一つ手前)
語り手は孫の小笠原哲也くんで、可愛いガールフレンドありの高校生。
そんな哲也くんの祖父である武也お祖父ちゃんは、ビルマ帰りの帰還兵。
この頑固で負けず嫌いの祖父は、何かにつけては戦争で出征していたビルマのことを語り出す。
話を聞かないと鉄拳制裁が下る。寝ても覚めてもビルマ、ビルマ。
カレーを食べているときでさえ、戦場でお腹を壊したときの×××(←食事中の方がいるといけないので、自粛(笑)の話を平気で語るという。
そんな祖父に振り回される孫の苦労を綴ったユーモア小説です。
今までのどっしり重厚な戦争小説からしたら、軽快で笑えるところも。
でもそこはやっぱり古処さんらしく、ユーモアで引っ張りながらも、端々にはやはり戦争の陰惨さを見せて、色々と考えさせられます。

 ~略~ 祖父から見た僕は平和にふやけた高校生でしかなく、父は平和にふぬけたサラリーマンでしかないのである。いずれも、恵まれていることに気づかず不平不満ばかり言う愚か者の世代なのである。

平和が当たり前すぎて、平和の尊さを忘れがちになっている現代人にチクリと棘を刺す。

まあ、とにかく強烈なお祖父ちゃんの存在は、身内には持ちたくないというような感じですが、お祖父ちゃんのこの性格が戦争に行っていなかったら?と思うと、またジワリと来る。
戦争で戦った人たち、個々は「国を守るため」「家族を守るため」という、その想いに間違いはなかったのだと思いますが、やはり戦争は悲しい。辛い。

そうしてこのお話が、二十一世紀になる手前というところに、戦争を語る世代が少なくなってきた現実を実感します。
それでも、本や映画などといった様々な形で、戦争の悲惨さを後世に伝えようとしている人たちがいることもまた事実なら、「知らなかった」では今後は済まされないことではないかな。
日本が経験した(また諸外国に与えた)戦争の悲惨さが、決して繰り返されぬよう、学んで考えていく。
そんなきっかけになる本ではないかなと思います。

死んでも負けない死んでも負けない
(2012/12/19)
古処 誠二

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ルール (集英社文庫)ルール (集英社文庫)
(2005/07/20)
古処 誠二

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線 (角川文庫)線 (角川文庫)
(2012/07/25)
古処 誠二

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七月七日 (集英社文庫)七月七日 (集英社文庫)
(2008/06/26)
古処 誠二

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接近 (新潮文庫)接近 (新潮文庫)
(2006/07/28)
古処 誠二

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  • 2013
  • 08/08
  • Thu

お着物。

オークションでお人形さんのお着物を落札しました!
華やかで、可愛いです。

でも、お着物って、着付けが難しいですね!

そんなこんなで、お披露目。
instagramで、加工した写真です。
正方形に切り取られるので、足元辺りが写っていませんが。

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  • 2013
  • 08/07
  • Wed

「ある奴隷少女に起こった出来事」ハリエット・アン・ジェイコブズ著

「ある奴隷少女に起こった出来事」ハリエット・アン・ジェイコブズ著/

1820年代のアメリカ、ノースカロライナ州。自分が奴隷とは知らず、幸せな幼年時代を送った美しい少女ハリエットは、優しい女主人の死去により、ある医師の奴隷となる。35歳年上のドクターに性的興味を抱かれ苦悩する少女は、とうとう前代未聞のある策略を思いつく。衝撃的すぎて歴史が封印した実在の少女の記録。150年の時を経て発見され、世界的ベストセラーになったノンフィクション。

↑本の内容紹介から。

奴隷制度が敷かれていた1820年代のアメリカで、好色な主に目をつけられた奴隷少女がそれから逃れる為に取った手段、逃亡、潜伏、それから北部に逃れてから自由を得るまでを綴ったノンフィクションです。
元々偽名で綴られていたので、フィクションと思われていた本書は、アメリカでも忘れられていた存在だったようですが、歴史学者が作者の実在を証明したことにより、ノンフィクションとして新たに光を与えられたようです(訳者あとがきから)
フィクションと思われる要因になった部分は、実際に読めばわかると思うんですが。
逃亡し北部に逃げたと思わせておいて、実は祖母の家(お祖母さんは主だった人によって、自由黒人となっていた)の屋根裏で七年間も、身動きすらままならない状況で潜伏していた――と。
また奴隷の女性に対して、主が手を出し(相手側の意に沿わぬ形が横行し)、子供を産ませるなどと言った、現代の常識からしても、また当時奴隷制度を認めていない北部の人間からしても、そんな人権を踏みにじった(奴隷制度自体が踏みにじっているわけですが)ことが行われているなど。
ハッキリ言って、想像を絶するほどの過酷さがあるから、にわかに信じ難かったと思います。
産まれた子供は母親に属するので、母親が奴隷である限り、また子供も奴隷であるとか。
子供でさえ、主の思惑ひとつで家族と引き離され、売られてしまう。
とにかく好色な主から逃れるべく、ハリエット(本書の中では、リンダ)はある策に出ます。
別の白人男性との間に、子供を作るという(この男性は、子供たちの権利を買うのですが、結局のところ自らの手で自由にしてあげることはなかった)
主人となった人が例え、良い人でも「所有する権利」を奴隷本人に帰すことをしない限り、本当の意味では自由にならないといった現実に、戦慄します。
そうして子供が出来たことで、主から愛想を尽かされ、別の人に売られるだろうと計算していたハリエットですが、主であるドクターはますますハリエットに執着していく。
奴隷女性たちが男性主たちの好色の犠牲になること、それがまた自分の娘に降りかかる災いとなる。
このままではいけないと、ハリエットは逃亡を企て、そして子供たちを含めて自由になるまでの過程は、ときに冒険小説のようでハラハラドキドキ(この辺りも、フィクションと思われた理由かと)
文章は読みやすいので、低学年の人も充分読めると思います。
十代の少女に対して、いい年をした男性が人格を否定するような罵詈雑言を始終口にしたりなどと言ったことは、権利があったとしても、人として行って良いことと悪いことがあり、そこでの行いにその人の品性が明かされるのだなと思いました。
言論の自由があったところで、言っていいことと悪いことがある、そんな当たり前のことが当たり前でなくなっている昨今の風潮に、他人の自由を踏みにじることに無自覚になっていないか、色々考えさせられました。

ある奴隷少女に起こった出来事ある奴隷少女に起こった出来事
(2013/03/29)
ハリエット・アン・ジェイコブズ

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余談。
お話の中で、ハリエットは主に従うくらいなら「プランテーションに行った方がまし」という選択をするのですが。
プランテーションでの過酷さなどは、「マーチ家の父」などが参考になるかと。
(この中では、まだマシな主が描かれていますが)
マーチ家の父 もうひとつの若草物語 (RHブックス・プラス)マーチ家の父 もうひとつの若草物語 (RHブックス・プラス)
(2012/07/11)
ジェラルディン ブルックス

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  • 2013
  • 08/04
  • Sun

「HHhH (プラハ、1942年)」ローラン・ビネ著

「HHhH (プラハ、1942年)」ローラン・ビネ著/

ユダヤ人大量虐殺の首謀者、金髪の野獣ハイドリヒ。彼を暗殺すべく、二人の青年はプラハに潜入した。ゴンクール賞最優秀新人賞受賞作、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞受賞作。

↑本の内容紹介から。

ナチスの金髪の野獣・ハイドリヒ暗殺事件を描く歴史小説です。
しかし、歴史だけを綴っていないところが、この本の面白いところ。
語り手は作者で、ある日手にした本について教師である父親から話を聞いて、いつかそれについて書きたいと思う。
自然、その出来事に関連する本を集めたり、それを題材にした映画などを観たりといった、この本を執筆するに至った作家の姿を悩みや想像(創造)丸ごと呑み込んで綴ったノンフィクション(ドキュメンタリー番組)のような、手触りです。
この独特のスタイルが興味深かったです。
普通、小説を書くに至って、作者の声は表に出るものではないし、正直、私は作品は作品として楽しみたい派なので、例え作者だとしても裏話は要らない(インタビューで聞かれたこと以外、喋らないでくれ)と思う性質なのですが。
ちょっと文章を書いている人間なら、読み手に言い訳したい部分など、出てくるわけで。
(こうして感想を書いていても、ここは「要らない」かなーと削ったり。どうしても舌っ足らずになってしまう部分を補足してしまいたくなる気持ちとか)
色々、わかる!
まあ、そんなところを全部、作者自身を語り手としてある意味、登場人物として組み込んだところにこの作者としての巧さを感じました。
っていうか、ここは「創作部分なんだ」とか、「この数行を書くために、これだけの資料を読んだんだよ!」とか。
本来、語られない苦労話を聞かされたら、こう、真剣に向き合わざるを得ないというか。
(けど、そういうものを読む前に読んでしまったら、絶対に読まなかったと思うんですが(苦笑)これは、もうそれ自体も本の一部になっていたので、あまり気になりませんでした)

僕はいつものようにオスカー・ワイルドのことを考える。思い出すのはいつも同じ話だ。「午前中ずっとかかって、ある文を直そうとして、結局はコンマひとつを取るにとどめた。午後、私はそれを戻した」(「HHhH」P152より)

そうして作者が書きだす歴史は(ハイドリヒがナチスの高官として上り詰める過程やチェコスロヴァキアを占領し、恐怖で支配するなど、暗殺事件だけではなくそこに至るまでの背景も描いており)、遠い過去のようで、だけど今現在もこの世から戦争がなくならない限り、決して無縁とは言えない出来事。
気がついたら、同じような局地に立たされていないことを願わずにはいられないと同時に、

「戦争か不名誉か、どちらかを選ばなければならないない羽目になって、諸君は不名誉を選んだ。そして得るものは戦争なのだ」(p94より)

ナチスが行ってきた非道が繰り返されないことを祈るばかり。
そうして、ナチスに抵抗するべく送り込まれた二人のパラシュート隊員がハイドリヒ暗殺したその後を追えば、
作家が感情移入すればするほど、終盤の彼らの運命に同じように夢を見たくなる。
(歴史を知っていれば、彼らがどうなるかわかっているわけだけど。小説の中では幾らでも、運命を書きかえられることができるだけに、史実に拘る作者の葛藤が、真に迫ってきました)


HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)
(2013/06/28)
ローラン・ビネ

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