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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「薔薇密室」 皆川博子著

「薔薇密室」 皆川博子著

ドイツ・ポーランド国境に、人知れず建つ古びた僧院。そこは、咲き乱れる薔薇に閉ざされた狂気の世界だった。やがて外界は第二次大戦の波に呑まれ、僧院は接収されるが―。現と夢幻のあわいを貫く物語が、歴史をも従えて迸る。

↑本の内容紹介から。

死にかけている士官を薔薇と融合させて生き延びさせようという禁断の実験を語る導入部分は、少々耽美的で、この調子で続くのはちょっと苦手かなーと思ったところで、視点が変わり、元男娼のヨリンゲルへ。
そして、ドイツに占領されたポーランドで暮らす少女ミルカが語り手へと、移行。
後は交互に入れ替わり、語られる。
ミルカから見る戦時の光景は、それはそれで興味深く読ませてもらいました。
また、ミルカとヨリンゲルの視点が変わることで、それぞれの記憶の曖昧さに、どこまでが本当の記憶で、どこからが幻覚なのか惑わすような展開に、先が(真実)気になり、読む手が止められず、500ページ以上の本を一気読みしてしまいました。
別々の、それでいてそこかしこに繋がりが見える物語が、一つの結末を描き出す過程は本当にドキドキ。
お、面白かった!
幻想小説と歴史小説が融合したようなお話、たっぷり楽しませて貰いました。
「死の泉」よりも、こっちの方が私は好きです。
この方の他の作品も読んでみたいと、強く思ったもん。
(「死の泉」の読後はそこまで思わなかった)

薔薇密室薔薇密室
(2004/09/25)
皆川 博子

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