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2008(Thu)

「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万里著

読感/国内小説

「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万里著

1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。

↑本の内容紹介から。

少女時代に出会った舞踏教師オリガ・モリソヴナ。
彼女の謎を解いていくミステリー仕立ての、ソビエトのスターリン時代の粛清を描いた歴史小説とも言うべきですか。
とにかく、濃厚。
オリガ・モリソヴナという女性の謎を追いかける過程で、さまざまな人がオリガを語る。そこでの語り手の半生をも描いている気がします。
オリガ・モリソヴナの話でありながら、彼女と関わった女性たちの物語のようにも感じました。
粛清によって、逮捕され強制収容所での悲惨さ。それを乗り越える過程での、苦しみ。
痛々しく、色々と考えさせられ、けれど憂鬱にならないのは、反語によって罵倒し、その苦しみを乗り越えた強さを知るからか。
最初の志摩さんの回想で、オリガ・モリソヴナに魅了され、彼女を知りたいという欲求が主人公の志摩さんと同調し、ページをめくる手がなかなか止められない。
(さすがに、徹夜できないので途中で一端、本を閉じましたが)

面白かった!

オリガ・モリソヴナの反語が良いね!
彼女の反語は褒め言葉が痛烈な皮肉です。痛い痛い(笑)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
(2005/10/20)
米原 万里

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