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2008(Tue)

「ジャムの真昼」 皆川博子著

読感/国内小説

読感です。

「ジャムの真昼」 皆川博子著

叔母のアトリエにあるジャムの壺はぼくのもの。だからいつも舐めている。アトリエに通ってくる男たちの好きなジャムは、叔母の両腿のあいだから流れるもの…表題作、言葉と映像の甘美で危険な交歓が紡ぐ作品集。

↑本の内容紹介から。

短編集「蝶」が和であったなら、こちらは洋です。
そして、「蝶」が詩句などから紡ぎだされた物語だったのに対し、こちらは写真や絵画から物語が紡がれます。
淡々とした語り口調のお話は、幻想的でどこか壊れているようにありながら、事実を知れば痛々しく切ないです。
この方の書くお話は、じんわりと沁みてくる。
お話はもちろんのこと、題材とされた写真や絵画も幻想的で、正直、写真でこういう表現ができるのかと驚かされました。
(写真って、何だろうな。一瞬を切り取る、そんな感覚しかなかったけれど)
「少女戴冠」に添えられていた写真は、愛くるしくも痛々しい、それでいて凛とした姿に目を奪われる。
表紙の絵も「ジャムの真昼」を読めば、その絵からお話が紡がれたと納得する。現実と幻想の境界線に惑う。
実に素晴らしい短編集でした。

ジャムの真昼ジャムの真昼
(2000/10)
皆川 博子

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