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2008(Fri)

「人魚は空に還る」 三木笙子著

読感/国内小説

読感です。

「人魚は空に還る」 三木笙子著

「しずくは観覧車に乗りたい」富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、観覧車の客車から泡となって消えた。水神の怒りに触れて浅草は水中に沈んだのか。いや、地上という水底から人魚がその身を縛るもののない空へと還っていったのか――(表題作)。
心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれるデビュー作品集。

●収録作品
「点灯人」
「真珠生成」
「人魚は空に還る」
「怪盗ロータス」

↑本の内容紹介から。

明治を舞台にした探偵物語。
「超絶美形の天才絵師」という有村礼が、探偵役かと思っていましたら、違った!
作中の文章では高飛車なワトソン――でした。
「心優しき雑誌記者」の里見高広が――腰の低いホームズ。
その辺の設定は面白いかなと思いましたが、謎解きは劇的に明かされるという感じではなく……微妙に地味だ。探偵役が主張しないからなんでしょうか?(汗)
この二人の関係も坂木司さんのひきこもり探偵シリーズの鳥井さんと坂木さんに似ている感じがする。
全体的な雰囲気は嫌いじゃないです。登場人物はいい人たちが多く、温かい。
むしろ、好きな方だけれど……。
良かったと言い切るには、うーん。
オススメと言うにも、……言葉に詰まるな。
悪くはないんですが、突出したものがないから、誰に対してお勧めしていいのか、わからないという感じ。
笑えるお話なら、笑える小説をお探しの人にお勧めですと言えるんですが、そういう明確なものがない。
温かいお話も優しいお話も、この本を推薦するより他の本を勧める。
どこをとっても、他の作品に比べて薄味といいますか……。
悪くないんですよ、本当に。表題作「人魚は空に還る」と「真珠生成」は好きです。
デビュー作と言うから、次回作に期待して名前を覚えておこうと思ってます。
雰囲気は好きな方だもの。
でも、ここがこのお話の魅力!と言い切る決定的なポイントが、わからない……。
明治という時代背景なら、もっと妖しく書いても良かったのでは?

人魚は空に還る (ミステリ・フロンティア 47)人魚は空に還る (ミステリ・フロンティア 47)
(2008/08)
三木 笙子

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