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2008(Sat)

「夜の光」 坂木司著

読感/国内小説


「夜の光」 坂木司著

慰めはいらない。癒されなくていい。本当の仲間が、ほんの少しだけいればいい。

本当の自分はここにはいない。高校での私たちは、常に仮面を被って過ごしている。家族、恋愛、将来……。問題はそれぞれ違うが、みな強敵を相手に苦戦を余儀なくされている。そんな私たちが唯一寛げる場所がこの天文部。ここには、暖かくはないが、確かに共振し合える仲間がいる。そしてそれは、本当に得難いことなのだ。

↑本の内容紹介から。

高校生活を「戦場」に見立て、その中で少しばかり馴染めない自分を「スパイ」として、日常を描く語り口調が面白いです。
多分、誰もがひっそりと自分の中にある悩みを抱えながら、戦って生きている。
それを知られたくない。馴れ合いたくない。
馴れてしまったら、戦えなくなってしまうから。
そんな登場人物たちの気持ちがよくわかってしまうのは、私も馴染めない人間なんだろうなーと思います(自覚ありさ)
でも、戦っているのは自分だけだと思ってしまったら、駄目なんですよね。
人それぞれ、悩みの形は違えど、戦っているんだと思えたら、まだがんばれる。
ほんの少し、この不器用さを理解してくれる人がいたら――ただ、それだけでいい。
それがタイトルの「夜の光」つまりは星なんだろうな。
傍にはいないけれど、同じように戦っている存在を夜空に見つけられたら、このお話のとても優しい温もりに気づけるんじゃないかと……真面目に語ってみたりして。
とても、良かったです!

話変わるけれど、坂木さんのご本に出てくる食べ物が、本当に美味しそうだ!

夜の光夜の光
(2008/10)
坂木 司

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