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2008(Wed)

「七つの海を照らす星」 七河 迦南著

読感/国内小説

読んでから、間が空きましたが。
読感です。

「七つの海を照らす星」 七河 迦南著

様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。
孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル……七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。

繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。

↑本の内容紹介から。

●収録作品
「今は亡き星の光も」「滅びの指輪」「血文字の短冊」
「夏期転住」「裏庭」「暗闇の天使」「七つの海を照らす星」

児童養護施設「七海学園」に勤める保育士、春菜さんが子供たちを通して謎に出会い、児童相談所の福祉司、海王さんが「新しい物語」として語ることで謎を解く、日常の謎(殺人が起きない)系ミステリです。
七つの短編一つ一つに新しい物語を紡ぎながら、「不思議なことは不思議のまま」残された謎が最後に繋がって、また一つの物語を作るという仕掛けは意外なところから伏線が張られており、思わず××を見返してみたり。
児童養護施設ということで、ときにハードな家庭環境にある子供たちが出てきたりしますが、そんな子供たちをこの作品は何というか、「可哀想」という部分を描くのではなく、その辛い過去などを抱えながらも生きている子供たちを、乗り越えた大人を描いていて。
その「強さ」が凄く、キラキラして眩しく見える。
日常ミステリは優しいお話が多いし、そういう話が私は好きだけれど。
このお話のキラキラした眩しさは、初めて出会った気がしました。それがこのお話が好きだと思えたところです。
後、やっぱり作者さんも私と同じように日常ミステリが好きなんだろうなーと思える部分が感じられて、何だか勝手に親近感を覚えるというか。
書きたいことが色々とあったりもしましたが、思いのままに書いたら、まとまりのない感想になりそうなので、短く端折りましたが。
出会えて良かったと思えた本でした。
シリーズ化されるようだったら、次も買います!

七つの海を照らす星七つの海を照らす星
(2008/10)
七河 迦南

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