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2009(Sun)

「ブラン・マントー通りの謎」 ジャン=フランソワ・パロ著

読感/翻訳小説

読感です。

「ブラン・マントー通りの謎」 ジャン=フランソワ・パロ著

イギリスとの戦に明け暮れていたルイ15世治下のフランス。
ブルターニュから上京し、パリ警察総監の下で見習い警視を務める若きニコラ青年は、ある警視の失踪事件の担当を命ぜられ困惑していた。
なぜ経験もない自分が任命されたのか?
悩みつつも捜査を開始したニコラだが、失踪事件はやがて陰惨な殺人事件へ、そして王宮をもおびやかす一大事へと発展する・・・・。
18世紀のパリを鮮やかに描いたフランスの人気シリーズ登場!

世間知らずで、妄想癖があり、くよくよ悩みがち。
そんなちょっと頼りない、でも正義に燃える若き警視(見習い)が、18世紀パリ裏通りを駆けまわり、おぞましい殺人事件の謎を解く!


↑本の内容紹介から。

青い文字の紹介文に思わず心揺さぶられ(何?)買ってしまった本書。
どうにも、私の中でイメージが先行しすぎた感が……。
思ったほど、妄想爆発といった感じではなかったかな(妄想爆発なんて、一言も紹介文には書いていないし!)
ニコラは田舎から上京してきたので、確かに世間知らずなところもあります。
それでいて恋に夢見ているうぶなところも(でも、ちゃっかり別の愛人を作っている……というと語弊があるような気がしますが)
まあ、やたらと感激屋なところは可愛いかなと思わなくもないです。
できれば、ニコラの一人称で書かれていたらなー。夢想していたとか、三人称なのでどうにも説明的な感じがしてしまいました。
殆ど、ニコラに寄り添ってお話が進行していくので、一人称でも良かったんじゃないかな(いえ、これは完全に一人称好きの、私の好みの問題でしょうが)

そんなニコラが警視の失踪事件を追いかける。
上の紹介文にあるように、事件は入り組んで、思わぬ展開を見せて行きます。
ただ、私の想像していたところに落ち着いたので、びっくりというほどのびっくりはなかったですが……。
ミステリとしては丁寧な方だと思います。

それよりも、舞台となる18世紀の様子が実際にこの目にしているような、描写の細かさ。
カルナヴァルで騒ぐ街の賑やかさやモルグの陰鬱さなど、臭気を感じるほど細かく描写されています。
特に食べ物の描写に力が入っているような(料理の手順まで書いてある!)
当時の衣装も、ふむふむ。
他、実際に歴史上の人物を出してきたり(後にルイ16世を処刑したサンソンとか、ポンパドゥール夫人など)
作者はこの時代の歴史を専攻していたようなので、本当に細かく描かれています。時代物の参考資料として手にとっても良いのではないかな。

ブラン・マントー通りの謎 (ランダムハウス講談社文庫)ブラン・マントー通りの謎 (ランダムハウス講談社文庫)
(2008/11/10)
ジャン フランソワ パロ

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