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2009(Mon)

「孔雀狂想曲」 北森鴻著

読感/国内小説


「孔雀狂想曲」 北森鴻著

日々是好日? 骨董品をめぐって今日も事件が…。
いつも開店休業状態の下北沢の骨董屋・雅蘭堂。でも人々の思いのこもった「モノ」をめぐって事件が起きれば、雅蘭堂主人は名探偵となって謎を解決! 傑作ミステリ連作短編集。

↑本の内容紹介から。

流行っているとは言い難い骨董屋「雅蘭堂」の、店主・越名集治と押しかけ女子高生アルバイト・安積のやり取りが可笑しくて、楽しいのに加えて、骨董品への興味をそそるうんちくの数々。
また、骨董品につきものの「贋作」を巡っての狸と狐の化かし合いなど。
短編なのに中身が濃い作品集でした。
特に越名さんの兄と因縁のある犬飼という骨董商とのお話は「古九谷焼幻化」「幻・風景」は面白かった。
時に殺人事件に発展しますが、直接事件に遭遇しているというわけではなく、物を挟んで遭遇しているのでそこまで生々しくなく。
上記に書いたやり取りが、殺伐さを解消して、読後は悪くない。
越名さんも取り立てて人格者とは言えないけれど、固くもなく、柔らかくもなく、熱血でもないけれど冷め過ぎてもいない。
絶妙なぬるさを感じる魅力的なキャラでした(←言ってて、よくわからない)
そんな越名さんの一人称で大抵は語られる(幾つかは他人視点が入っていたり)短編八編。良かったです。この作家さんの他の作品も読んでみたい。

↓気にいっているシーン(かわいそうな子を見るような表情を想像すると、笑う)

「その言い方、ひっど~い。安積だって傷つくんだからね」
「大丈夫だ、お前の打たれ強さは日本でも五本の指に入る」
「まあ、そこまで褒めてくれるんなら許してあげる」
 ――救いようのない性格だな。
 少しだけ不憫な気がして、それ以上の小言は止めることにした。

「孔雀狂想曲」 北森鴻著から


孔雀狂想曲 (集英社文庫)孔雀狂想曲 (集英社文庫)
(2005/01)
北森 鴻

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