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2009(Wed)

「悪童日記」 アゴタ・クリストフ著

読感/翻訳小説





「悪童日記」 アゴタ・クリストフ著

戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。

↑本の内容紹介から。

『感情を定義する言葉は、非常に漠然としている。その種の言葉の使用は避け、物象や人間や自分自身の描写、つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうがよい。』P43より

と、作中にあるように、この作品は平易な文章で、感情を削ぎ落とし淡々と綴られています。
そしてまるで日記のように、一つ一つのエピソードが短い。なのに引っ張られる。
戦時の悲惨さ、悲哀、悲劇を感情で語ることなく、強かに生きていく双子を通すことで、人間の皮肉と愚かさ狡さが際立ってくるような気がしました。
ラストはその後が気になる終わり方で、三部作の他の作品が読みたくなった。

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
(2001/05)
アゴタ クリストフ

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