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2010(Sat)

「ミスター・セバスチャンとサーカスから消えた男の話」 ダニエル・ウォレス著

読感/翻訳小説


「ミスター・セバスチャンとサーカスから消えた男の話」 ダニエル・ウォレス著

1954年アメリカ。
ある日突然、サーカス団から一人の魔術師が姿を消した。
ヘンリー・ウォーカー――黒人の魔術師だった。
謎の失踪について、そしてヘンリーの人生について、様々な語り手たち――
団長、奇体の団員、私立探偵――が各々に語りだす。
702号室で出会った魔術師のこと、彼と交わした「血の誓い」、「愛のマジック」、殺人、黒人ではないこと・・・・。
次第に見えてくる、ヘンリー・ウォーカーという魔術師とは。

↑本の内容紹介から。

黒人の魔術師ヘンリーが、サーカスから消えた。
大恐慌時代に財産をうしなったウォーカー家の転落、出会った魔術師、妹の喪失、黒人魔術師としての活躍や戦争、そして――。
彼の人生を数人の語り手たちが変わりながら語っていきます。
しかし、語り手が変わることで、事実だと思っていたことが少しずつぶれていく。
(内容紹介にあるように、割と早くに明かされますが、実は黒人じゃなく白人だったとか ←正直、カバーの内側でこれを見たとき、ネタバレじゃないかと思いましたが、驚愕は他にもありました)
何が本当で、何が嘘なのか。
(こういう翻弄されるお話、大好き!)
ヘンリーが辿った人生の悲哀が、胸を切なく締めつけながらも、お話がどこに転がるかわからない面白さがありました。
そうしながら、白人と黒人という、外見や思い込みで判断することの愚かしさをひっそりと訴えているような(これは私が感じ取っただけかもしれないけれど)お話でした。
良かったです。

ミスター・セバスチャンとサーカスから消えた男の話ミスター・セバスチャンとサーカスから消えた男の話
(2010/04/22)
ダニエル ウォレス

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