14

January February March April May June July August September October November December
2010(Mon)

「ポロメリア」 Cocco著

読感/国内小説



「ポロメリア」 Cocco著

過去も未来も愛してるけど、“今”が要らないんだ―。朝一番グランドの隅っこで校舎の4階から飛び降りた私は地べたに転がって、まだ生きている。その花の香りと、二度と戻らない日々の記憶。アーティストCocco、初の小説。

↑本の内容紹介から。

中学生に入学した少女の一週間(回想で過去が色々と語られている)の、作者であるCoccoの自伝的小説です。
強く見えて、繊細な思春期がCoccoの歌の歌詞同様、ときに剥き出しで凶暴な、表現で綴られていました。
同時に沖縄や家族への溢れんばかりの愛情も。
中学生になって、少女から女性(初潮を迎えて)に変わった瞬間、「今」が「今」のままでは在り続けられないことを知ったから、未来に夢があって、愛すべき人たちに囲まれていても、投げ捨ててしまいたい「今」があるのかな、と感じたり。
Coccoの歌を知っていると、あの曲のエピソードだと思うところもありました。
「2 おさげ」の書き出しは、ママ譲りの赤毛~と「Raining」の唄い出しだったり。

後、昨今の基地移転問題があったから、小説の中で下の一文が余計に胸に響いて痛かったです。

 戦争はもう遠い昔の遠い国のお話だろう。ビッグジャパンから遊びに来る人や、転入生を見ているとそう想った。彼らにとって“戦争”はもう終わった出来事だった。繁華街や学校の裏に残るガマも、島中に眠る何万といわれる不発弾も、その爆破事故も、けたたましい米国の演習や、国道を普通に走る武装したトラックや戦車も、彼らにとっては、物珍しいオキナワの見所の一つのようだった。
(「ポロメリア」Cocco著 P69より)

ポロメリアポロメリア
(2010/05)
Cocco

商品詳細を見る

Edit