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2010(Sat)

「緋友禅」 北森鴻著

読感/国内小説



「緋友禅」 北森鴻著/

わたしは宇佐見陶子と申します。骨董業―といっても旗師といいまして、店舗を持たずに競り市から競り市へ、骨董店から骨董店を渡り歩いて品物を仕入れ、流通させるバイヤーのような存在なのです。骨董の世界は、魑魅魍魎の住処と言われます。時に悲劇が、時に喜劇が、ない交ぜに流れて人々を押し流してゆく。そうした光景が日常的に観察される世界です。騙しあいと駆けひきの骨董業界を生き抜く美貌の一匹狼。古美術ミステリー。

陶子は、無名の作者のタペストリーに惚れこみ、全作品を買い上げることを即決。しかし作品は届かず、作者のアパートを訪れた陶子は彼の死体を発見する。半年後、陶子は意外な場所でタペストリーを再び目にする……。

↑本の内容紹介から。

骨董業界で生きる女旗師・冬狐堂シリーズの短・中編集です。
収録作は「陶鬼」「『永久笑み』の少女」「緋友禅」「奇縁円空」(中編)
先の長編二作「狐罠」「狐闇」と違って、短編だけど各話に盛り込まれた骨董の蘊蓄はやっぱり読み応えがあって、面白かった。
(萩焼、埴輪、友禅技法、円空仏など)
収録された話は全体的に死者に代わって、真実を明らかにするという形が、切ないほろ苦さを残します。
特に表題作の「緋友禅」が一番好きです。
「奇縁円空」の円空仏に対する仮説も興味深かったです。

緋友禅 (文春文庫―旗師・冬狐堂 (き21-4))緋友禅 (文春文庫―旗師・冬狐堂 (き21-4))
(2006/01)
北森 鴻

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