02

January February March April May June July August September October November December
2010(Mon)

「アルバトロスは羽ばたかない」七河迦南著

読感/国内小説



「アルバトロスは羽ばたかない」七河迦南著/

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか? だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』に続く、清新な本格ミステリ。

↑本の内容紹介から。

児童養護施設「七海学園」を舞台にした連作ミステリの第二弾です。
第一弾は「七つの海を照らす星」
転落事件を追う冬の章と、一年の間に春菜さんが遭遇したさまざまな事件を描く、春、夏、初秋、晩秋の章(各話の間に、冬の章が挟まる)構成です。
冬の章以外は、短編として、一つ一つ現代社会の問題を浮き彫りにしています。
虐待や養護施設の問題点、施設や児童相談所ができることの限界やまた子供たちの間でのいじめ問題など。
また、養護施設が舞台だけに、辛い思いをした子供が出てきたりしています。
置き去りにされた子供、親の抑圧に耐えきれなかった子供、その他事情があって親と一緒に暮らせない子供たち……。
お話は重たいけれど、違う解釈を与えることによって、作品の中では救いを描いていますが。
それは春の章で登場人物の海王さんが語っているように、希望(こうであったらいいという、願い)の物語。

その「希望」が最後の最後にまた、色々な意味でぐわっときます。

色々と考えさせられる内容とともに、ミステリとしても、騙され、驚かされました。
ただ……この作品を好きになればなった分だけ、ラストは辛いかな(苦笑)

もう、絶対に続きをお願いします!

アルバトロスは羽ばたかないアルバトロスは羽ばたかない
(2010/07/27)
七河 迦南

商品詳細を見る

Edit