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2010(Sat)

「瑠璃の契り」 北森鴻著

読感/国内小説



「瑠璃の契り」 北森鴻著/

魑魅魍魎が住まう骨董業界を生き抜く孤高の美人旗師・冬狐堂こと宇佐見陶子。目利きの命である眼を患った彼女を食い物にしようと、同業者がわけありの品を持ち込む。それは、不思議と何度も返品されてくる和人形だった―「倣雛心中」。他、表題作を含め全四篇を収録した古美術ミステリーの人気シリーズ第二弾。

↑本の内容紹介から。

冬狐堂シリーズの短編集第二弾です。
(長編の方は、講談社文庫から「狐闇」「狐罠」の二冊でています)

何度も返品される人形(「倣雛心中」)
陶子さんの美大生時代、その才能に打ち負かされ画業を諦める原因となった女性、その彼女の遺作を集めた画集が二十年の時を経て復刻された謎(「苦い狐」)
ガラス切り子(「瑠璃の契り」)
陶子さんの昔の夫であるプロフェッサーDが人形の謎を追って旅に出、陶子さんもまたDの後を追い、生き人形の謎に迫る(「黒髪クピド」)
の四編が収録されています。
うち二編が人形を取り扱ったもので、人形という題材が好きな私は大変興味深く読めました。
人形から陶磁器などといった蘊蓄も広がりをみせ、知識欲が刺激されるとともに、目の病を患い、脆く崩れそうながらも、それを乗り越える陶子さんが相変わらず、カッコよいです。
脆さと逞しさという相反するものを内側に秘め、人情深い面もある陶子さんが本当に魅力的です。
あー、もっと陶子さんのお話を読みたかったな。
これで冬狐堂シリーズ最後だというのが惜しいです。
(作家様がお亡くなりになられたのが、切なくてしょうがありません)

瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (文春文庫)瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (文春文庫)
(2008/01/10)
北森 鴻

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