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2010(Tue)

「晩夏」 図子慧著

読感/国内小説



「晩夏」 図子慧著/

夜が明けても伯母は帰らなかった。今泉酒造の奔放な家付き娘ながら、無断外泊は一切したことのないあの伯母が。愛する瑞生の美しい横顔をみつめながら、想子は不安にとらわれる。彼は、何を知っているのか―。夏の気怠い空気の向こうに次第に浮かび上がる、殺人事件の意外な真相とは。実力派作家が夏の終わり、少女の時間の終わりを繊細な筆致で綴った上質な青春恋愛ミステリ。

↑本の内容紹介から。

消えた伯母の事件を軸に、少女のひと夏を描く青春恋愛ミステリです。
書かれたのは19年前で、文庫化に辺り家電製品を最新型に変えたそうです、パソコンやらDVD(笑)
この小説を書くにあたっての注文は、ライトノベルを卒業した年齢の女性向けということで、心理描写を控え目に行間の余韻を味わうような感じです。
穏やかな水面に波紋がゆっくりと広がっていくような雰囲気。(毎度ながら、伝わりにくい例えをしてます)
主人公の想子さんが、病弱で儚げな印象の彼と謎めいた大人の男性、唐沢さんの二人の間で、ひっそりと戸惑い揺れる感じが何とも、良い。
(瑞生くんに恋しながら、それでもどこかに迷いが生じつつある。でも、事件を通して想子さんが大切なものを守ろうと、立ち向かう成長過程も良いです、良いです)
それと同時に、想子さんと明彦君の姉弟関係が微笑ましかったので、(泣かされた弟のために大人に喧嘩売っちゃうところとか、終盤の危機とか)ハラハラしました。
直接的に書かれていない、静かながらも熱い(情熱とでも言いましょうか)その辺りが好みで良かったです。
お気に入りの一冊になりました。

晩夏 (創元推理文庫)晩夏 (創元推理文庫)
(2010/10/28)
図子 慧

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