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2010(Sun)

「泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。」 永嶋恵美著

読感/国内小説



「泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。」 永嶋恵美著/

このままじゃ、私殺される…!年下彼・英之のDVから逃げ回っていた梨沙は、ケータイに出ていたアヤシイ広告に飛びついた。「あなたの恋人、友だちのカレシ。強奪して差し上げます。」梨沙の依頼を受けた、“泥棒猫”こと皆実雛子が、英之の男心を“強奪”する方法は?そして、雛子の献身に、いつしか梨沙の心も癒されて…。恋のダークサイドを知ってしまった全女子必読のサスペンス。

↑本の内容紹介から。

「泥棒猫貸します」
「九官鳥にご用心」
「カッコーの巣の中で」
「カワウソは二度死ぬ」
「マイ・フェア・マウス」
「鳥かごを揺らす手」

――の、六編収録の短編連作です。サクサク読めましたー。
内容紹介をみるとドロドロした愛憎系のかな?って印象がなくはないと思うけど。
人助けが基本なので、読後は爽快です。
人の恋人を奪うお仕事ことで人助けというのが、新鮮でした。
恋人からの暴力に命の危険を感じて、「あなたの恋人、友だちのカレシ。強奪して差し上げます」という広告に縋るように電話をすると、現われたのはおさげを三本に赤いフレーム眼鏡、セーラーカラーのブラウスに吊りスカートという奇抜な格好の女性・皆実雛子。
いや、もう雛子さんがスゴイね!
↓の雛子さんの台詞に見られるように、人の何処を突けば、相手が嫌がるか、どんな反応を示すかというのをバッチリ把握している。
『あなたのためよっていう言葉、実はものすごく神経を逆なでするんです。親しい間柄であればあるほど』
永嶋恵美著「泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。」 P148より)


(ネタバレを考慮して反転→第一話の暴力男(というか、粘着男?)は、自分の行動パターン(恋人を待ち伏せしたり)を雛子さんに反芻されてビビッたり(←お前、自分の行動反省しろよ!)

問題のある男をときに自分に引き受けるので、雛子さん的には時に、損な役割じゃないのかな?と思うも、↓の台詞。
「誰にも助けてもらえなかった自分のために、誰かを助けてあげたい」
(永嶋恵美著「泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。」 P274より)

今回は依頼人側からの視点で、雛子さんやオフィスCAT側の事情が見えなかったので、続編があったら、そちらの方も読みたいです。
ヤな女(手切れ金で息子と別れろと言ってくる母親や)、ダメ男(暴力男、監禁男、二股男)などが多く出てくるも、不器用ながらも人を思う人たち(家族を心配して依頼する人たち)も描かれていて、胸がじんと熱くなったり。
各お話もワンパターンの展開ではなく、色々な角度から描かれていて、とっても、面白かったです!
個人的に「カッコーの巣の中で」が良かったです。

泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。 (徳間文庫)泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。 (徳間文庫)
(2010/11/05)
永嶋 恵美

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