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2010(Sat)

「修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集」 ピーター・トレメイン著

読感/翻訳小説



「修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集」 ピーター・トレメイン著/

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を痛快に解き明かす傑作短編集。巡礼として訪れたローマの教会で聖餐杯のワインを飲んだ若者が急死、偶然居合わせたフィデルマが犯人を突きとめる「聖餐式の毒杯」ほか、宿屋の幽霊騒動に巻きこまれる「旅籠の幽霊」、大王位継承をめぐる事件に挑む「大王の剣」など、バラエティ豊かな5編を収録。

↑本の内容紹介から。

七世紀のアイルランドを舞台に、法廷弁護士(ドーリィー)にして裁判官の資格を持つ修道女フィデルマを探偵役にしたミステリの短編集です。
シリーズ初読なので、とりあえず短編集からよんでみることにしました。
「聖餐式の毒杯」
「ホロフェネスの幕舎」
「旅籠の幽霊」
「大王の剣」
「大王廟の悲鳴」
――の、五編収録。

動機が俗物的で微妙に後味が悪いなと思っていたんですが、うん、犯行が権力や金、愛(と言っても純愛とは言い難い)といった私欲から発生したものなんですね。
そんな自己中な犯行で犠牲になった人たちのことを思うと、うわーって感じで。
「聖餐式の毒杯」「ホロフェネスの幕舎」なんて、事件が明らかになってみると(ネタバレ反転→殺される必然性などない人が犠牲になっていたりして
そして、フィデルマは事件を解いたら皮肉を残して、颯爽と立ち去っていく印象で(あくまで、私の印象)
読み手としては、置き去りにされた感じで、微妙な後味の悪さを覚えていましたが(三編ほど読み終わった辺りでは)よくよく考えてみると、私利私欲の犯罪を前に、フィデルマに感情のブレがないのが、いいように思えてきました。
私欲の犯罪に、探偵役が下手に同情するのはむしろ危険じゃん。ここは冷徹に(時に、偉そう!に)探偵役に徹しているフィデルマでいいじゃん!――と、五編を読み終わった頃には、他の作品も読んでみたいと思うようになっていました(笑)
何か、珍味にはまった感じ?
当時の五王国からなるアイルランド社会などといった描写にも、興味を惹かれました。
フィデルマって、王家の王女でもあるらしい(へー)
もう一冊の短編集や長編の方もポチッと注文したりした(←オイ)ので、今から読むのが楽しみです。

修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)
(2009/06/20)
ピーター・トレメイン

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