05

January February March April May June July August September October November December
2011(Sat)

「死をもちて赦されん」 ピーター・トレメイン著

読感/翻訳小説


「死をもちて赦されん」 ピーター・トレメイン著/

ウィトビアでの歴史的な教会会議を前に、アイオナ派の有力な修道院長が殺害された。調査にあたるのはアイオナ派の若き美貌の修道女“キルデアのフィデルマ”。対立するローマ派から選ばれたサクソン人の修道士とともに、事件を調べ始める。フィデルマの名を世に知らしめることになる大事件と、後に良き相棒となるエイダルフとの出会いを描いた、ファン待望の長編第一作遂に登場。

↑本の内容紹介から。

日本での刊行が変則的で、長編四作目にしてシリーズ一作目が登場!
というのも、アイルランドのドーリィー(法廷弁護士)である主人公・フィデルマが活躍する今作の舞台は、アイルランドじゃない!
アイルランド文化を堪能できるところまで、読者が待ってくれるのか?という編集さんたちの考えで、刊行の順番が入れ替えられたようです。
うん、シリーズを読破して、その判断は正しかったかなと思いました。
アイルランドの文化、ブレホン法などを既刊で把握していたから、フィデルマがこの作品内で犯罪者に対する処罰に激怒するところなど――あの整った法律の下で暮らしていたなら、こちらの法律は……。
そんな二国間の文化の違いなどが、変則刊行である意味で楽しめたような。

と、話を元に戻して。

ローマ派とアイオナ派という、二つの宗派。
ノーザンブリア王国はどちらの宗派を主とするかという、教会会議を前に修道院長が殺される。
その目的は教会会議を操ろうという陰謀では?――と、捜査を任されることになったフィデルマですが、公平さをきすためにローマ派からも一人。
そうして、選ばれたのが今後フィデルマの良き相棒となるエイダルフ修道士。
ノーザンブリア王国の王様(アイオナ派)が何気に話のわかる人でしたが、その息子(ローマ派)がまあ、フィデルマとビチバチと火花を散らすバトルを繰り広げたりとか。
それを額に汗かき、ハラハラしまくるエイダルフ修道士とか。
フィデルマとエイダルフ修道士の出会いと共に、当時のローマ派とアイオナ派との宗教的対立など、大変興味深く読めました。
二つの宗派の勢力に二分する王国内。内乱の危機に発展しそうな流れで緊迫感が生まれ、事件解決をせかされる状況にハラハラドキドキと、犯人探しだけに留まらないお話の盛り上げ方の巧さは第一作から健在でした。
面白かったです。
次はいつ頃出ますかね(←気が早い)

死をもちて赦されん (創元推理文庫)死をもちて赦されん (創元推理文庫)
(2011/01/26)
ピーター・トレメイン

商品詳細を見る

Edit