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2011(Mon)

「カササギたちの四季」 道尾秀介著

読感/国内小説

「カササギたちの四季」 道尾秀介著/

開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない―。

↑本の内容紹介から。

「―春―鵲の橋」
「―夏―蜩の川」
「―秋―南の絆」
「―冬―橘の寺」

――の、四編収録。

リサイクルショップの二人の従業員華沙々木さんと日暮さんと、中学生の少女南見菜美ちゃんの一年を書いた四編の短編連作です。
語り手は日暮さんで、日暮さんは何と言いましょうか、ぼけぼけホームズの活躍を影から支える有能ワトソンといったところ。
華沙々木さんを名探偵と誤認している(その辺りのエピソードは「南の絆」で書かれてます)菜美ちゃん落胆させないよう、謎めいたことがあれば誰も頼んでないのに首を突っ込む華沙々木さんの間違った推理を、いかにも本当らしく見せるよう人知れず奮闘する日暮さんの苦労にクスクスと笑いがこぼれます。
短編連作ということで、パターンを繰り返しているように見せかけて、またと思うところを変化を付けてきたりと。
構成も面白く、どのお話も優しさに包まれていて、とても温かかったです。
最近の道尾さんの作品からしたら、かなり明るいですが、テーマなどは道尾さんらしい。
明るいといっても、軽いばかりではなく、ときに苦い挫折も描かれていますが、それでもそこから次へと、どこか前向きさを感じさせてくれます。
ファンの人も、今までの作風にちょっと手を出しそびれていた人にもオススメです。
人が死なないミステリですので、安心してどうぞ!(笑)
ミステリ好きな人も華沙々木さんの謎解きと、日暮さんの謎解きの二つの推理を楽しめますので、是非!

カササギたちの四季カササギたちの四季
(2011/02/19)
道尾秀介

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