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2011(Fri)

「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」 三上延著

読感/国内小説

「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」 三上延著/

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。

↑本の内容紹介から。

古書の持ち主にまつわる日常の謎系の短編連作。

第一話 夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)
第二話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
第三話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
第四話 太宰治『晩年』(砂子屋書房)

本を読みたいけれど、幼い頃の体験がきっかけで長時間、本に向かい合っていることが出来なくなった大輔さん。彼の一人称でお話が語られます。
第一話が、大輔さんが本が苦手になったきっかけをつくった祖母の本。亡くなったその本に漱石のサインらしきものが入っており、その査定に向かった古書店(まあ、巡り巡って病院に辿りつくんだけど)の、骨折した古書店店長・栞子さんが入院中のベッドの上で、店に持ち込まれた本に絡んだ謎を解く安楽椅子もの。
古書店が舞台といいますか……謎解きはベッドの上です(笑)
栞子さんは人見知りが激しく、ろくに口もきけなくなるんですが、本のことを語るときだけ饒舌になり、本にまつわる謎を明確に解き明かします。
本にまつわるといっても、本そのものの謎ではなく、本の持ち主に関する謎で、ライトノベルな表紙ですけれど、中身は地面に足が着いたまっとうなミステリでした。
(各話の扉にイラストが一枚入っているだけで、お話にイラストが口を差し挟んで来ないのでイラスト付きの小説が苦手という方でも大丈夫かと思います)
第三話の話が微笑ましくて、好きです。
また本に関するお話に、読んでみたい本が出てきたり。
シリーズ化するといいな、とひそかに期待しております。

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
(2011/03/25)
三上 延

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