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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「この世の涯てまで、よろしく」フレドゥン・キアンプール著

「この世の涯てまで、よろしく」フレドゥン・キアンプール著/

青年ピアニスト、アルトゥアは死んでから50年後の世界に蘇ってしまう。さらにひょんなことから知り合った音大生ベックに誘われ、幽霊以上に浮世離れしている学生たちと共同生活を送ることになった。突然の新しい人生には、なぜおかしな出来事ばかり起こるのか。幽体離脱ができるようになったり、不気味な“怪人”が現れたり、おまけに殺人事件まで発生するなんて……。不可解な事件をめぐり、青年ピアニストと音大生たちが走る走る! “謎”が奏でる秘密と再会の物語。訳者あとがき=酒寄進一

↑本の内容紹介から。

死んでから50年が過ぎたある日、突然蘇ったピアニスト・アルトゥアが遭遇した殺人事件を巡って奔走するお話と要約していいのか、どうか。
上のように説明すると、ミステリやファンタジーに分類される気がしますが、うーん、何か違うような?
かといって音楽小説かというと、そうでもないような(でも、音楽は沢山出てきますし、音楽への愛情は溢れています)ジャンルを特定するのが不思議なお話です。
死んでから蘇ったアルトゥアはいわば幽霊になるわけですが、比較的生身に近いです。物を食べるし、触れるし、見えるし(セックスもする
でも、眠っているときは幽体離脱し、その間は生きている人間を見ることができず、また生きている人間からも見えない(この間、同じ幽霊だけは見える)
そんなアルトゥアが蘇った現世と生前(戦中)が交互に語られながら進行します。
現世では同じように蘇ったパヴェルと再会した先、音楽生が殺されるという事件が起こる。
また生前ではフランスでピアニストとして生活していたのですが、ドイツの侵攻によってユダヤ人であるアルトゥアの身に危機が迫るという。
戦中、アルトゥアパヴェルが隠れ先で出会ったロシア人の老人と、音楽を通して距離を縮めていく中盤のエピソードが印象的でした。

読み終わった直後は、好きだなと思う部分もあるけれど、ちょっと物足りなさも感じていたのですが。
ラストはあっさりしていましたし、登場人物の掘り下げが浅い感も。
(でも、これは書き込まないことで、五十年前の人たちから見る現代人への偏見(ようするに、最近の若者は的な)を表現しているのだろう……と思わなくもない)

感想を書こうとして、色々と考えていたら、「これは何かしら、人生をかけるほど好きなものを持っている人とその同好の士に捧げられた物語だ」と、不意に感じた瞬間、何だかじわじわとこの作品の魅力が沁みてきました。
この物語では、「音楽」が中心にありましたが、その「音楽」の部分を他の何か、自分が好きなもの――例えば、「芸術」や「本」やそれこそ、「ゲーム」でも「アニメ」でも置き換えられる気がします。
同じ好きなものを語ることで、距離感が縮まったり、解釈の違いで憎悪が生まれたりする。
好きだからこそ許せないこと、好きだからこそ可能性を信じたいと言った感覚は……好きなものがある人にはわかるんじゃないかと!
ええっと、わかりませんかね?(笑)
訳者あとがきで、この本を友達にプレゼントするために一ダースも注文する人がいたとか。
うん、これは同じ物を好きな人と分かち合いたいお話かな。
(逆に、そうでない人には読んで欲しくないような)
この不思議な魅力に気づけたら、読んで良かったと思える本だと思いました。
あと、装丁が素敵だと思うんですよね!

表紙イラストを担当された方のサイト→「こちら
凄い素敵なイラストが一杯でした。

この世の涯てまで、よろしくこの世の涯てまで、よろしく
(2011/05/11)
フレドゥン・キアンプール

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