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2011(Tue)

「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン著

読感/翻訳小説

「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン著/

ハリーは冴えない中年作家。シリーズもののミステリ、SF、ヴァンパイア小説の執筆で食いつないできたが、ガールフレンドには愛想を尽かされ、家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末だった。だがそんなハリーに大逆転のチャンスが。かつてニューヨークを震撼させた連続殺人鬼より告白本の執筆を依頼されたのだ。ベストセラー作家になり周囲を見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に向かうのだが…。ポケミスの新時代を担う技巧派作家の登場! アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補作。

↑本の内容紹介から。

 小説は冒頭の一文が何より肝心だ。唯一の例外と言えるのは、結びの一文だろう。結びの一文は、本を閉じても読者の中で響きつづける~(P11より)

――という冒頭から始めるのは、売れない売れないゴーストライター(ポルノ雑誌のライター、SF、ヴァンパイアもの、ミステリと、ペンネームを使い分けて活動しているけれど、自分の名前や顔を出して出版したことがない)ハリーの物語です。
売れないので、女子高生クレアの家庭教師になってみれば、課題の代作をするアルバイトをクレアをビジネスパートナーにして始めていたり(←オイ)
また時にはヴァンパイアもの(女性著者として書いてる)の著者近影をしてくれていたお母さんが亡くなってしまったので、しょうがなく女装したりとか。
この人が主人公なの? 大丈夫なの? と心配してしまう、駄目駄目ヘタレなハリーが連続殺人で死刑を宣告された死刑囚の告白本を書くことに。
売れるチャンスを前にしても、尻込みしたりして、クレアから尻を叩かれる(比喩ですよ)ハリーの駄目駄目っぷりを楽しむかのような、前半でしたが。
200ページを過ぎたところで、これはミステリというような事件が。
後、終盤(ネタバレ反転→死刑囚の告白が……はい、残酷描写がすさまじく)個人的に重かったです。
でもジャンル小説への考え方とか、作家としての考え方など、(「読者のいやがる場面を書くとき、いや、何より自分自身が不快に感じる場面を書くとにこそ、作家はどこよりも力を入れるべきなんだ~」と語っている部分などなど)、あいだにハリーの小説(↑に書いたヴァンパイアものやSF、ミステリ)色々と興味深かったです。
あと、何だかんだと、ハリーの成長ものでもありました。

血が苦手な方は、ちょっと用心が必要かなと思われます。

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2011/03/10)
デイヴィッド・ゴードン

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