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2011(Tue)

「黄昏に眠る秋」 ヨハン・テオリン著

読感/翻訳小説



「黄昏に眠る秋」 ヨハン・テオリン著/

霧深いエーランド島で、幼い少年が消えた……
母ユリアをはじめ、残された家族は自分を責めながら生きてきたが、二十数年後の秋、すべてが一変する。少年が事件当時に履いていたはずの靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに送られてきたのだ。急遽帰郷したユリアは、疎遠だったイェルロフとぶつかりながらも、愛しい子の行方をともに追う。
長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた父娘を待つ真実とは?
スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞、英国推理作家協会賞最優秀新人賞をダブル受賞した傑作ミステリ!

↑本の内容紹介から。

スウェーデンのエーランド島、夏は観光客で賑わうけれど、それ以外の季節は村人が数人という寂れたステンヴィーク。
そこで二十数年前に幼い少年・イェンスが消えます。
お話の主人公は、少年の母ユリアと祖父のイェルロフ。
イェンスが行方不明になったことを二十年近くたっても受け入れられずにいるユリア。
ユリアは現実を直視できず、いつかイェンスが成長して帰ってくるのでは、と思い続けている。そのせいで、周囲の人間との間に溝が……(周りはもうイェンスが死んでいると思っていて、それを受け入れないユリアに苛立ちを感じている)
ユリアの父親である元船長イェルロフとの間にもわだかまりができている。
でも、イェルロフの元に子供の靴が送られてきたことから、ユリアはステンヴィークに戻ってくる。
事件を調べ直そうとする現在(といっても1990年代)のお話と、戦前から島で悪名高いニルス・カントの生い立ちが挟まれてという形で進行していきます。
最初事件を調べる気などなかったユリアが、イェンスのことを受け入れていく過程などやイェルロフの後悔など(事件があってからユリアとの間に距離を置いてしまったこと)
登場人物たちが抱える物悲しさが、寂れた村の情景と重なって、タイトルにぴったりな雰囲気を醸し出してます。
関節痛から時に歩くこともままならない状況ながらも、がんばるイェルロフさんに目頭が熱くなったり。
派手さはないですけれど、静かに沁みてくる感じが、とても良かったです。

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2011/04/08)
ヨハン テオリン

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