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2011(Sun)

「儚い羊たちの祝宴」 米澤穂信著

読感/国内小説

「儚い羊たちの祝宴」 米澤穂信著/

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。

↑本の内容紹介から。

「身内に不幸がありまして」
「北の館の罪人」
「山荘秘聞」
「玉野五十鈴の誉れ」
「儚い羊たちの晩餐」

――五編収録の連作短編集です。
上流階級に属する人々とそこに仕える人たちが主人公と言いますか、登場人物たちです。
財産家で地元でも有力な名家のお嬢様や、それに仕えるメイドとか。
昭和の前半ぐらいかな?(ちょっと言及されていないけれど)
故に各話の語り口はお上品です。
なのに話の中身は、ブラック! 
特に描写自体は、先も言いました通り、上品なんです。
残虐な描写がそんなにあるわけではない。でも、その上品さの奥にはとても残酷な毒が隠されていて、ラストの一撃とでも言いましょうか。
最終的に、「……うわぁぁぁぁっ!」みたいな(←どんなだよ)
いや、もう本当にね。
怪奇ではなく、あくまでも現実よりで話が展開していくので、これは狂気なのか、それとも悪意なのか。
背筋を冷たい指でなぞられる様にぞくりとしたり、お話の毒に痺れたり。
ある意味、とっても後味の悪いお話です。
個人的にはこういうお話、嫌いじゃなくむしろ大好きなので(←人格を疑われそうですが)、面白かったです。

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
(2011/06/26)
米澤 穂信

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