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2011(Wed)

「贋作と共に去りぬ」ヘイリー・リンド著

読感/翻訳小説

「贋作と共に去りぬ」ヘイリー・リンド著/

アニーは伝説の贋作師である祖父仕込みの腕をもつ、画家兼疑似塗装師。贋作作りの前科のためにサンフランシスコの美術業界では干されている。キュレーターの元カレに呼び出され、古巣の美術館でカラヴァッジョの鑑定をしたところ贋作と判明、直後に殺人事件が起こり元カレは行方不明に。真作の行方を探すアニーのもとにはハンサムな探偵が…。小気味よいポップなミステリ開幕。

↑本の内容紹介から。

絵画ミステリーということで、期待してました。
贋作師を祖父に持つアニーが主人公のコージーミステリになるのかな?
まあ、コージーのほのぼの感やまったり感はない、どちらかと言えば、ドタバタ、ジェットコースターです。
美術館所有の絵画を鑑定したところ贋作と判明、直後に殺人事件が起こって――と、次から次へと息つく間もなく展開していくお話に飽きることなく、かなり楽しめました。
中盤にしても、有る処に訪問、侵入、死体発見、新たな侵入者とバトル、逃走、食べる、エアーホッケーでバトル、酔っぱらう、置き去りされ憤慨しつつ、アパートに帰ったらスタジオが放火されてるとの電話が!――などなど(この間、大体50ページぐらいと)
470ページ近くあるのに対し、一気読みするには時間が取れなかったので、どのタイミングで本を置くか、迷う迷う(笑)
お話の展開もさることながら、登場人物も個性豊かで魅力的。
主人公のアニーは伝説的な贋作師を祖父に持ち、贋作技術を仕込まれ、未成年の頃ちょっとばかし贋作を描いたことで警察の厄介になったために、警察に協力しなければという常識は持ってるものの、積極的にも関われない。
そうして、その過去で一方的に振られた相手でも心配するくらいにはお人好しで、絵を見る目は確かだけれど、ちょっとドジっぽい。
そんなアニーのスタジオの新たな家主として現われたのがフランクさんで、美形だけど堅物。でも、割といい人っぽい。
他にアニーの前に現われたハンサムな探偵マイケル。いや、この人がね、もう曲者っていうか。
(ネタバレになるから自重しますが、色々とやらかしてくれるわけで)

マイケル、ヒドイ!と言いながら、読み手の私は大笑い(アニーにしてみれば、笑い事じゃないけれど)

他にもアニーのお祖父ちゃん。今回は電話と未完の回想録だけの登場ですが、かなりマイペースというか。何と言うか、いい味出してます。

巻き込まれ系のような、首突っ込み系のような、ドタバタミステリです。
アニーの一人称での語りはユーモアがあって、クスクス楽しい。
続きが待ち遠しいシリーズが出来ました! 面白かった!

贋作と共に去りぬ (創元推理文庫)贋作と共に去りぬ (創元推理文庫)
(2011/08/30)
ヘイリー・リンド

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