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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「全身翻訳家」鴻巣友季子著



「全身翻訳家」鴻巣友季子著/

食事をしても子どもと会話しても本を読んでも映画を観ても旅に出かけても、すべて翻訳につながってしまう。翻訳家・鴻巣友季子が、その修業時代から今に至るまでを赤裸々かつ不思議に語ったエッセイ集。五感のすべてが、翻訳というフィルターを通して見える世界は、こんなにも深く奇妙でこんなにも楽しい。エッセイ集「やみくも」を大幅改編+増補した決定版。

↑本の内容紹介から。

翻訳家である著者のエッセイ集です。
代表作は「嵐が丘」の新訳になるのかな? ……割と翻訳ものは読んでいる方だと思うんですが、この方の訳書は読んだことがなかったり……。
(「嵐が丘」は気になっている本なので、いつか読んでみたいです)
五章仕立てで、さらに細かく分かれていて、一つ一つのエピソードは2~3ページなので、とても読みやすいと思います。
翻訳のお仕事の話に留まらず、日常、子育て、旅や料理に読書と幅広く、保育園の連絡ノートの↓エピソードはくすりと笑った後、行政の在り方に怒ったり。

 先日は、「お風呂で子供が急に『ママ、お顔が汚れてるからふいてあげるね』と言って、タオルでごしごしやってくれました。ただ、それは汚れではなく肌のシミだったのです……」という自虐ネタを書いたのに、先生から反応のコメントがなく、密かに傷ついた。(P244より)

↑思わず、ぶっと吹き出した。↓続き。

われながら馬鹿かと思うが、しかし、である。自分が書いた文章をすぐに読んで、コメントをつけて返してくれる人がいるというのは、なかなかいいものなのだ。「書いているときには読者はいない、読まれている場には自分はいない」というのが、物を書いて発表(出版)するということで、書き手は常に孤立している。だから~

書き手、読み手として、共感するところも色々とあって、とても良かったです。
書評もされているからか、本のことが語られていると、思わず読みたいと思わせる文章。そして、子育てでは娘さんを語る視線が、「子供」という庇護すべき存在といった感じではなく、何だろうな、一人の人間として敬意を持った眼差しというか。(私が勝手にそう読みとっているだけかもしれませんが)
すごく温かくて、好きだな~。
日常話にしても一つ一つの出来事を受け止め方が面白い。
エッセイって、あんまり読んだことがなかったんですが、これから色々と読んでみたいと思える内容でした。
オススメです。

全身翻訳家 (ちくま文庫)全身翻訳家 (ちくま文庫)
(2011/08/09)
鴻巣 友季子

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