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2012(Sun)

「楽園のカンヴァス」原田マハ著

読感/国内小説

「楽園のカンヴァス」原田マハ著/

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

↑本の内容紹介から。

2000年の倉敷で、美術監視員を務める早川織絵。彼女はかってルソーの研究家として名を馳せていた過去があったけれど、今はそれを誰にも知られないようにしていた。
でも新聞社が美術展の開催するための交渉に協力して欲しいと言ってきた。
それはあちらからの指名だという――第一章から、第二章は1983年の過去にさかのぼります。
過去編の視点はティム・ブラウン。
第二章から第十章までが、過去編で、ティムは伝説のコレクターに招待されたとある絵の真贋を見極めるように依頼されます。(↑内容紹介にある部分が、過去編)
そこにあったのはルソーの「夢」によく似た「夢をみた」
そうして、真贋を見極めた者に絵を譲るという対決で差し出された一冊は、ルソーや彼を取り巻く人々を語る物語。
この作中作で描かれているルソーの人生と彼を取り巻く人々の、ルソーへの愛に溢れた内容と情熱に読んでいて惹き込まれました。
その作中作も面白かったですが、ティムの上司がトム・ブラウンという人で。
依頼状は上司と間違って自分のところに来てしまったと思うも、ルソーへの興味からつい上司のふりをして招待を受けたものだから、色々と後ろ暗い(笑)
そこへ「夢をみた」を欲しがる人々の思惑が絡んできてと、ハラハラさせられました。
美術への興味も当然ながら、結末やティムが織絵に抱いた淡い恋心など、読みどころも一杯で面白かったです。
鑑定の対決内容が、講評による対決で、X線などの科学捜査ではないところが「あれ?」それで決めてしまっていいの?と思わなくもなかったですが

↓作中に出てきた絵画の名前など。後で検索するのも楽しかったです!

アンリ・ルソー「夢」「陽気な道化たち」「飢えたライオン」
「第二回アンデパンダン展への参加を呼びかける自由の女神」
「戦争」「平和のしるしとして共和国に挨拶に来た緒大国の代表者たち」
「詩人に霊感を与えるミューズ」「パリ近郊の眺め、バニュー村」
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「パイプを持つ少年」「扇子を持つ少女」「トルコ風呂」
パブロ・ピカソ「アヴィニョンの娘たち」 青の時代 
エル・グレゴ「受胎告知」 
ゴッホ「星月夜」
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ

楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

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