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2012(Tue)

「破壊者」ミネット・ウォルターズ著

読感/翻訳小説

「破壊者」ミネット・ウォルターズ著/

女は裸で波間にただよっていた。脳裏をよぎるのは、陵辱されたことではなく手指の骨を折られたことだった。―そして小石の浜で遺体が見つかる。死体発見現場から遠く離れた町では、被害者の三歳の娘が保護されていた。なぜ犯人は母親を殺し、娘を無傷で解放したのか?凄惨な殺人事件は、被害者をめぐる複雑な人間関係を暴き出す。現代英国ミステリの女王が放つ、稀代の雄篇。

↑本の内容紹介から。

初ミネット・ウォルターズです(積読本の中に一冊、他のがあったけれど)新刊が出たのを機に読んでみました。
暴行され海に捨てられた被害者。一体誰が、彼女を――と。
冒頭から酷くて、眉を顰めてしまいました。
だからこそ、こんな酷いことをした犯人を捕まえたい!(いや、捕まえるのは私じゃないけど)
そんな一心で、犯人を追う警察官たちの心情と同調しながら、読み進めるんですが。
犯人候補は少ないのに、嘘の多い証言に被害者の印象すら、(可哀想な女性から、打算的な小悪魔みたいな印象に変化していったりして)読み進めれば進めるほどわからなくなって、最後まで犯人がわからなかったです。
途中、警官たちも容疑者候補に同情的になれば、読んでるこちらも「犯人じゃないかも」と惑わされたりしてね!
そんなミステリ部分の間に、地元の警官ニックとマギーのロマンスが挟まれて、これが個人的にかなりツボでした。
二人は遺体発見の地元の人間で、直接事件とは関係がないから、安心した立ち位置で読めたのもあったんですが。
上流階級の出だったマギーは結婚詐欺に引っ掛かって、今は生活も余裕がない。そして、結婚詐欺の相手をニックが突き止めていたのでわだかまりがあるんですよ。
だから、なかなか素直になれないマギーに、ニックも気がある風を見せながらクールっていうか。
読みながら、二人の進展が気になる気になる!と、かなりのめり込んで読んでました。
終盤の演出が好きで(ネタバレっぽいので、反転→犯人の自白と並行して、警官が事件のあらましを関係者に語るっていうのが、何だかドラマの最終回っぽいというか。スタッフロールが流れながらも、ドラマは続いて最期の締めでニックとマギーのロマンスの結末というか、始まりが語られる)、陰惨な事件でしたが読後は割とスッキリと読み終えられました。
面白かったです!

破壊者 (創元推理文庫)破壊者 (創元推理文庫)
(2011/12/21)
ミネット・ウォルターズ

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