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2012(Sat)

「フランクを始末するには」アントニー・マン著

読感/翻訳小説

「フランクを始末するには」アントニー・マン著/

フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され…。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集。

↑本の内容紹介から。

ちょっと変わった設定のお話が詰まった12編の短編集です。
「マロイとおれ」「緑」
「エディプス・コンプレックスの変種」
「豚」「買いもの」
「エスター・ゴードン・フリンガム」
「万事順調(いまのところは)」
「フランクを始末するには」「契約」
「ビリーとカッターとキャデラック」
「プレストン戦法」「凶弾に倒れて」――収録。
どの辺が変わっているかと言うと、刑事の相棒が赤ちゃんだったり(殺人現場を赤ちゃんがハイハイしてる!)、チェスが上手くなるために父親を憎めと教えられ、その通りにすると上達していったり、買いものメモだけで構成されていたり、と。
ちょっと現実離れしていたりしていたりします。
割とさらっと読み終えることができる短編集だと思うんですが、それだけで終わらせてしまったら印象に残らないけれど、話の題材とかテーマとか結構、根が深いような気がします。
(勝手に私が妄想しているだけかもしれませんが)
個人的には、ラストで彼は何と答えただろうと、書かれてあることより、書かれていないことの方が妙に気になった「凶弾に倒れて」。
中絶反対のテロによって、中絶医師であった父親を殺された少年の話なんですが。命を守る(?)主義主張する人間が命を奪う矛盾とか。罪がどの時点で、許されるのか、とか。

~略~ ヘンデルは刑務所に三年間はいっていたのちに、良好な服役態度ゆえの仮釈放が認められた。なにをもって良好な服役態度とするのかは、よくわからない。おとなしくテレビを観ていた? 本を読んでいた? 人を殺さずにいた? (P284より)

か、監視下にあったら、普通は暴れられないよね……と。今さらながら、↑どういう基準で許されるのかとか、考えてみたり。

「契約」などは、悲劇を売り物にするマスコミへの皮肉を書いているよね、とか。
他には「緑」(これって、社会における二ートの反抗?(笑)
「エディプス・コンプレックスの変種」「豚」「買いもの」「フランクを始末するには」が好みでした。
「買いもの」はうん、途中リストの中に変なものが混じり込んだりとかして、オイオイと想像力を刺激されます。これは、多分読んだ人によって色々な解釈が生まれるんじゃないかな。
(私は、買われなかったキャットフードが気になった!)
ちょっとホラーっぽかったり、皮肉が効いていたり、ユーモアがあったりと。
色々な短編で、先に言ったように、人によって解釈に幅があると思うから、万人向けとは言えないかもしれませんが、私は面白かったです!

フランクを始末するには (創元推理文庫)フランクを始末するには (創元推理文庫)
(2012/04/27)
アントニー・マン

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