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2012(Mon)

「クローバー・レイン」 大崎梢著

読感/国内小説



「クローバー・レイン」 大崎梢著/

作家=小説を書く人。
文芸編集者=小説のためになんでもする人。

老舗の大手出版社に勤める彰彦は、過去の人と目されていた作家の
素晴らしい原稿を偶然手にして、どうしても本にしたいと願う。
けれど会社では企画にGOサインが出なくて――。
いくつものハードルを越え、本を届けるために、奔走する彰彦。
その思いは、出版社内の人々に加えて、作家やその娘をも巻き込んでいく。
本に携わる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる一作。

↑本の内容紹介から。

出版社文芸編集の青年が主人公のお仕事小説です。
舞台となる出版社は同じ作家さんの「プリティが多すぎる」の千石社。
老舗の大手で文芸の編集者を務める・工藤彰彦さん。人気作家を担当し、そこそこ順調の編集者人生(まだ二十九歳だけど!)
そんな工藤さんがある賞のパーティーで、酔っぱらって寝込んでしまった作家・家永さんを家に送り届けた先で、まだ発表されていない長編原稿を見つけます。
是非にと読ませて貰い、惚れ込んだ彼は、この小説を本にしたいと思うのですが、家永さんからは渋るような声。
「どうしても」という工藤さんに家永さんもようやく頷いたものの、そこには思わぬ壁が。
過去は売れていたけれど、多作になったことで小説の質が落ち、今では過去の作家となっている家永さんの本を出すには、大手のブランドと格が合わないみいな……。
もう一度、世間的に評判になったらと――編集長からもいい返事が来ない。
それでも諦めきれない工藤さんの奮闘ぶりを読んでると、読み手の手元に届くまでには、沢山の人の想いと時間が積み重ねられているのを、改めて実感しました。
(編集長が認めたところで、今度は営業。そして本が作られたところで、それが売れなければ、文庫化の際には他の出版社に持って行かれる――などなど)
また家永さんの原稿に書かれた一編の詩。そこに見え隠れする、作家さんの家族のすれ違い、と。
その問題を通しての工藤さんが自分が作った本を読んで欲しいと思う人との、複雑な関係など。
本が好きな人、本が出来上がるまでの過程に興味ある人だけではなく、誰かに何かを届けたい人――そういう人には色々と感じるところがあるのではないでしょうか。
何にしても、本好きさんにはオススメです!

「クローバー・レイン」と「プリティが多すぎる」のコラボ小説が、公開中とのこと。→「こちら
未読の方も、チェックしてみては。

クローバー・レイン (一般書)クローバー・レイン (一般書)
(2012/06/07)
大崎梢

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プリティが多すぎるプリティが多すぎる
(2012/01)
大崎 梢

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