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2012(Mon)

「深い疵」ネレ・ノイハウス著

読感/翻訳小説


「深い疵」ネレ・ノイハウス著/

ホロコーストを生き残り、アメリカ大統領顧問をつとめた著名なユダヤ人が射殺された。凶器は第二次大戦期の拳銃で、現場には「16145」の数字が残されていた。司法解剖の結果、被害者がナチスの武装親衛隊員だったという驚愕の事実が判明する。そして第二、第三の殺人が発生。被害者の過去を探り、犯罪に及んだのは何者なのか。ドイツで累計200万部突破の警察小説シリーズ開幕。

↑本の内容紹介から。

ドイツの警察ミステリです。
先程感想を書いた「湿地」と同じく、本邦初翻訳なんですが、シリーズ三作目になります。
(翻訳出版の厳しい現状に……落涙)
紹介文から察するに、戦争、ナチというところで、かなりシンドイ話を覚悟していたけれど、国家レベルというより個人レベルの話の枠だったので、想像していたよりは重たくなかったかな。
(とはいえ、かなりドン底レベルを想定していたこともあるので、個人によっては十分、重いよ!と思われるかもしれませんが)
と、第二次大戦を生き残ったユダヤ人が殺害されたが、解剖の結果、実はナチの隊員だったことがわかります。
捜査するのは貴族の出で感情を表に出さない首席警部オリヴァーひきいるチームで、相棒的立ち位置に部下であるピア警部は割と感情で動くタイプと。
この二人の性格的には正反対のコンビが割と、個人的には新鮮だったかな。
多分、シリーズを通して、少しずつ信頼関係を築いてきたんじゃないかなと感じるところが。
(その辺りも読みたいので、是非とも売れて、全シリーズを翻訳して欲しいところです)
殺された老人の意外な過去に戸惑いつつ、捜査が後手後手に回って、次々と犠牲者が出て来るところはもどかしさがありつつも、最後まで緊迫感がありました。
ミスリードも仕掛けられ、意外な犯人と。飽きることなく、ページを捲らされました。
(ちょっと、伏線が足りないかな?と感じる部分もあったのですが、それは私が読み落としただけかも……)
重たくはないといいつつも、とある人物が戦中に負った心の傷は深く、また戦時という場で試される人間性には、色々と考えさせられました。
本筋とはまったく関係ないけれど、個人的にはオリヴァー警部の娘の片想い話が何か和みました。
もしかして、過去にその辺り書かれているのかな?
とりあえず、もう一冊は翻訳が決まっているそうなんですが、他の本も翻訳して!

深い疵 (創元推理文庫)深い疵 (創元推理文庫)
(2012/06/21)
ネレ・ノイハウス

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