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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「蘆屋家の崩壊」「ピカルディの薔薇」「猫ノ眼時計」津原泰水著

「蘆屋家の崩壊」津原泰水著/

三十路を過ぎて定職につけずにいる「おれ」こと猿渡が、小説家の「伯爵」と意気投合するに至った理由は、豆腐。名物を求め津々浦々を彷徨う二人に襲いかかる奇怪な現象。蘆屋道満の末裔が統べる聚落、闇夜に出没する赤い顔の巨人、蟲食う青年、そして湖の水牛。幽明の境に立たされた伯爵の推理と猿渡の悲喜劇の果てに現出する、この世ならぬ異景。書下ろし短篇を加えた完全版。

↑本の内容紹介から。

「反曲隧道」「蘆屋家の崩壊」「猫背の女」「カルキノス」
「ケルベロス」「埋葬蟲」「奈々村女史の犯罪」「水牛群」8編収録。
蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)蘆屋家の崩壊 (ちくま文庫)
(2012/07/10)
津原 泰水

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「ピカルディの薔薇」津原泰水著/

作家として歩み始めたものの、相も変わらず貧困と怪異から手招かれてばかりの「おれ」こと猿渡。これは酔夢か現か。五感を失った人形師、聖女の伝説に彩られた島、弾く者を過去へと誘うウクレレの音色、彼の祖父が目にした満洲―。ユーモラスかつ哀切に満ちた文章が織り成す、幻想と怪奇。「文体の魔術師」津原泰水の超人気シリーズ、書下ろし短篇を加え待望の初文庫化。

↑本の内容紹介から。

「夕化粧」「ピカルディの薔薇」「超鼠記」「籠中花」
「フルーツ白玉」「夢三十夜」「甘い風」「枯れ蟷螂」「新京異聞」9編収録。
ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)
(2012/07/10)
津原 泰水

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「猫ノ眼時計」津原泰水著/

幻想怪奇譚×ミステリ×ユーモアで人気のシリーズ、最新刊。
火を発する女、カメラに映らない友人、運命を知らせる猫――。
猿渡は今日もこの世ならぬ出来事を引き寄せる。
シリーズ唯一の長篇「城と山羊」を経て堂々の完結へ。

↑本の内容紹介から。

「日高川」「玉響」「城と山羊」
「続・城と山羊」「猫ノ眼時計」5編収録。

猫ノ眼時計 (幽明志怪)猫ノ眼時計 (幽明志怪)
(2012/07/10)
津原 泰水

商品詳細を見る


「猫ノ眼時計」の刊行において幽明志怪シリーズ三部作完結ということで、「蘆屋家の崩壊」は新装で文庫化。「ピカルディの薔薇」は初文庫化、と三作同時発売で、完結なので勿体ないと思いつつも、一気読みしました。
無類の豆腐好き猿渡さんと怪奇小説家の伯爵コンビが遭遇する怪奇短編連作集です。
どれぐらい豆腐好きかと言えば、

(略)かく云うおれも豆腐屋に行った帰りに我慢しきれず一丁まるごと貪り食ってしまいその足で別の店に買いに行くほどには豆腐には目がなく、旨いと評判の豆腐を食うためだったら東北へでも関西へも遠征するくらいである。(「反曲隧道」P10より)
「伯爵、旨いよ」と云ったら同時に両目から涙が零れた。おれは泣きながら残りを食った。
「美味しいですね」
 伯爵もハンカチで目を拭っていた。旅はいい。(「蘆屋家の崩壊」P30より)


というくらい、豆腐のためなら西へ東へ。そうして旨い豆腐に出会えば、涙して食すという。
巻き込まれ体質な猿渡さんと怪奇に精通し、どこか飄々としている小説家伯爵の二人が旅先で遭遇したり、猿渡さんが巻き込まれたりした怪異譚や災難がユーモアたっぷりの語りで、綴られています。
「猫ノ眼時計」ファンだと言って、伯爵を追いかけようとするアイダベルを止めようとする猿渡さんとのやり取りは、コントかっ!ってなくらい、可笑しくって何度噴き出したことか。
短編集なので、実に幅広く、ときにゾクリとする怖さもありながら、それでいてときに切なく、夢現の境界を取っ払って展開する話には惹き込まれます。
「蘆屋家の崩壊」は怪奇色が、「ピカルディの薔薇」は幻想色が(伯爵の登場が少なめな分、コメディ色も若干抑えめ)、「猫ノ眼時計」はミステリ色がと、短編集それぞれにも色合い様々で、飽きることなく次から次へと。
面白かったです。その分、これでシリーズ完結というのが、寂しくて堪らない!
そして伯爵のヤドカリ嫌いになった経緯が聞けなかったことがちょっと残念でした(笑)
時系列はバラバラなので、どの本から読んでも大丈夫です。
「猫ノ眼時計」の最後に収録されている猿渡さん年表で、話を追うのもいいんじゃないかな。
ユーモア小説が好きな人、怪奇ものが好きな人、幻想小説が好きな人にオススメです!
とりあえず、読んだ後は豆腐竹輪が気になること請け合い!(笑)

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