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2013(Wed)

「ブラウン神父の無心」G.K. チェスタトン著

読感/翻訳小説

「ブラウン神父の無心」G.K. チェスタトン著/

ホームズと並び称される名探偵「ブラウン神父」シリーズを鮮烈な新訳で。「木の葉を隠すなら森の中」など、警句と逆説に満ちた探偵譚。怪盗フランボーを追う刑事ヴァランタンは奇妙な二人組の神父に目をつける…「青い十字架」/機械人形でいっぱいの部屋から、血痕を残して男が消えた。部屋には誰も出入りしていないという。ブラウン神父の推理は…「透明人間」。

↑本の内容紹介から。

「青い十字架」「秘密の庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」
「透明人間」「イズレイル・ガウの信義」「間違った形」
「サラディン公の罪」「神の鉄槌」「アポロンの目」
「折れた剣の招牌」「三つの凶器」

ブラウン神父の名推理を描く12編の短編集です。
名は聞いたことがあるものの、読んだことがなかったブラウン神父。新訳が出ていたので、いい機会と購入。
「大空のドロテ」瀬名秀明著で、著者のチェスタトンが、実にカッコいい役回りで登場したので、初読みチェスタトンしてみました。(笑)
そしたら、何、これ、凄く面白いんですけどっ!!!
第一話、とある泥棒(この怪盗フランボーが、アルセーヌ・ルパンを彷彿とさせるような人物で、ルパンファンとしたら、オッとなる)を追うフランスの警視。
そんな警視の前に、二人連れの神父が奇妙な行動をとる。
そうして追跡して見れば――と。
古い作品なので、ミステリをある程度読み慣れていると、何となく先がわかる部分もあったのですが、それでも
第一話から、第二話のある人物については「まさか」というところを突いてきたり。
短編なのにどれも読み応えがあって面白かった。
盗みを企んでは、現場で神父さんと遭遇し、邪魔をされ、いつの間にか友情を結んでいるブラウン神父とフランボー(笑)のキャラも面白い。
あと、色彩表現が豊かで、風景描写がイメージしやすい、訳文が凄く好みでした。

 森の千本の腕は灰色で、百万の指は銀色だった。濃い青緑がかった石瓦色の空には、星が氷のかけらのように寒々しく燦いていた。深い森に覆われて住む者もまばらなこの地方全体が、硬い大霜に凍りついていた。樹の間の黒い隙間 ~略~
(「ブラウン神父の無心」P310より)


他の作品も読んでみたいですが、出来ればこの方たちの訳文で読みたいなー。
今後の新訳展開に期待してます。

ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)
(2012/12/10)
G.K. チェスタトン

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