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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「一九三四年冬―乱歩」久世光彦著

「一九三四年冬―乱歩」久世光彦著/

執筆に行き詰まり、衝動に任せて麻布の長期滞在用ホテルに身を隠した探偵小説界の巨匠・江戸川乱歩。だが、初期の作風に立ち戻った「梔子姫」に着手したとたん、嘘のように筆は走りはじめる。しかし小説に書いた人物が真夜中に姿を現し、無人の隣室からは人の気配が…。耽美的な作風で読書人を虜にした名文家による、虚実入り乱れる妖の迷宮的探偵小説。山本周五郎賞受賞作。

↑本の内容紹介から。

テレビドラマの演出家など、活躍されていた久世光彦さんの新装・復刊本です。
他の方の読書エッセイなどで、度々名前は拝見しておりましたが、ご本の方は読んだことがなかったのですけれど、この機会にと読んでみたら、面白かった!
主人公は怪奇小説家として名を馳せた江戸川乱歩です。
乱歩がスランプに陥り、誰にも告げずホテルに身を隠した四日間、史実と虚構を織り交ぜて展開する幻想譚と言ってよいかな。
(一応、謎解きめいた部分もありますが)
濃厚と言ってよい、文章で描かれるイメージは映像の世界で活躍されていたことがあるからなのか、読んでいて絵が鮮やかに浮かび上がります。
小心者の癖に見栄っ張りで、薄毛を気にしたり、浮かれては絶望しと、浮き沈みの激しい乱歩は俳優の温水氏を想い浮かべると、文章を読んでいるのに脳内でドラマが再生される感じです。

~人はお世辞にも風格だの貫録だのと言ってはくれるが、そんな大層なものは要らないからフサフサした髪の毛の方がよほど乱歩は欲しい。~(p152より)
↑ここから養毛剤談義が始まっては、小説談義に走ったりと、いや、何度も吹き出し笑いしちゃった。

作中作の「梔子姫」は幼い頃中国から連れてこられ、声が出せなくさせられ、酢を飲まされ続けたことで身体が軟体化した奇怪な娼婦の娘とある男の幻想純愛譚。
乱歩とこの「梔子姫」が入り混じって進行していく物語は、自らの才能に疑問を持ち苦悩する乱歩の作家としての姿を描いているのですが、この乱歩像が↑に書いたように情けなくも、愛しい(可笑しい)
物語の結末は、明確な答えみたいなものがないので、「オチ」のないお話というものに抵抗がある人は向かないかもしれませんが。
(でも、人生の悲哀や葛藤などといったテーマは消化されていると思います)
とにかく乱歩が書くにしても読むにしても「小説」が好きだというところに、「小説」が好きな人は親近感がわくというか、惹かれるんじゃないかなー。
(特に探偵小説や怪奇小説が好きな人は、読書ガイド的な本にもなるのでは?)
乱歩のエピソードも一々、面白可笑しくって(紹介したいけど、それを始めたら尽きないのでやめておきます(笑)
私はとっても面白く読めました。オススメです!

一九三四年冬―乱歩 (創元推理文庫)一九三四年冬―乱歩 (創元推理文庫)
(2013/01/19)
久世 光彦

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他のご本も読んでみたいなと、軒並み絶版のなか入手した↓。
作中作「梔子姫」の中で、ちらりと出てきたしーちゃんのお話でした。

早く昔になればいい (新潮文庫)早く昔になればいい (新潮文庫)
(1998/11)
久世 光彦

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