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2013(Sun)

「人魚姫 探偵グリムの手稿」 北山猛邦著

読感/国内小説

「人魚姫 探偵グリムの手稿」 北山猛邦著/

11歳の少年ハンス・クリスチャン・アンデルセンは、海の国から来た人魚の姫という少女セレナと、風変わりな旅する画家ルートヴィッヒ・エミール・グリムとともに、王子殺害の真犯人を追う!現実と童話が錯綜する世界を舞台に描く、新感覚ミステリ。

↑本の内容紹介から。

アンデルセンにグリムと、童話作家の名前が出て来る北山さんの新作は、人魚姫をモチーフしたミステリです。
人魚姫の物語に出て来る人魚や魔女といったファンタジックな設定はあるものの、舞台はナポレオンが失脚し、同盟国だったデンマークもまた敗戦国となった時代と、歴史が絡んでくるお話です。
主人公は周りに馴染めない十一歳の少年ハンス君。
とある帰り道で黒装束の死神に出会ったハンス。その三日後、病に伏せっていた父が亡くなり、父の形見の人形を失くしてしまったハンスは人形を探している先で、再び死神と再会します。
実は死神じゃなく、旅をしている画家・ルートヴィッヒ(童話を書いたグリム兄弟その他の弟)。彼と共に形見の人形を探して海に向かったハンスは、そこで裸で倒れている少女を発見します。
彼女は人魚姫の姉セレナで、事件の犯人を見つけるために魔女に心臓を差し出し人の姿を得たという――。
現実に馴染めないハンスはセレナの話を信じ、彼女の犯人探しに協力することに。
孤独な少年と、事件解決のために色々なものを背負い(また失った)少女の物語としても、良いかと。
北山さんらしい物理トリックもありつつ、人魚姫の哀しい悲恋物語も上手く噛み合わせつつ、さらに歴史も絡んでとなかなか面白かったです。
あと人魚姫の姉妹たちもそれぞれ個性的で、面白かった。
ぽや~んとした次女が好きかも。
(セレナは四女で、童話「人魚姫」の姫は末姫ね。セレナも背負っているものがあるから張り詰めて、ちょっと突っ張っているところが、痛々しくも応援したくなる)
グリム探偵の飄々としたキャラが、お話自体を爽やかに締めてくれていますので、読後は悪くないです。
ただ、事件が解決したので、ミステリとしてそこで終わっても問題ないのですけれど。
あの人ととかあの人とかこの先の人生、問題山済みな気がするので、もう少し読ませて欲しかったかな?
(これは後日談的なエピソードが欲しかったという、私の我がままですが)
シリーズ化は、どうだろう?難しいかな。
あったら、読んでみたいと思います。
少年少女ものが好きな人に、オススメです。

人魚姫  探偵グリムの手稿人魚姫 探偵グリムの手稿
(2013/03/27)
北山 猛邦

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