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松原冬夜

Author:松原冬夜
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「孤児の物語2 (硬貨と香料の都にて)」キャサリン・M・ヴァレンテ著

「孤児の物語2 (硬貨と香料の都にて)」キャサリン・M・ヴァレンテ著/

皇女の婚礼の準備が進む“庭園”で、瞼に書かれた物語はふたたび始まる「飢えた王の物語」「蜥蜴の教訓の物語」「シナモンの靴の物語」…そしてすべての物語は収束し、驚異の結末を迎える奇書のなかの奇書。果てしなき『千一夜物語』。ミソピーイク賞受賞。

↑本の内容紹介から。

「孤児の物語 庭園にて」の続編です。
今作は、嵐の書、スカルドの書からの構成。
スルタンの庭園で魔物と呼ばれる女童が語る数々の物語は、前作同様に、語り手から語り手へと紡がれ、バラバラだった小さなお話はやがて大きな物語へと変わっていきます。
人だけではなく星や植物や動物に様々な人外の者たちを主人公にして、その一つ一つがとても魅惑的で面白かったです。
「嵐の書」は死者の島へと向かう七と呼ばれる少年の話から始まり、七と呼ばれる少年が持っていた金貨、本と紙出てきた貨幣工場、餓えに侵された領主、そこから生まれた(?)歯で出来た餓えの王、餓えの王に喰われた工場長、牝牛と人間と樹が混じり合った少女の話――などなど(これ以外にもまだまだ沢山のお話が語られています)
始まりが始まりだったので、死や別れがあって、どこかしら物悲しい雰囲気。
このまま、静かに終わるのかしら?と思っていましたが、スカルドの書は女童の瞼に書かれた物語の、女童が読めない部分を童子が語って聞かせるという展開に。
檻に閉じ込められたジン、ジンが女王になった話、最初のジンの話、門を守る巨人の話、ジャッカル頭の役者語る、ふたりの女公爵の話、竜になった金魚の話、囚われた火の鳥の話、蜘蛛の仕立屋の話)、食らうことで取り込もうとする鼠たちの話、火の鳥と鵞鳥の娘の再会、火の鳥と娘の話――などなど。
ふたりの女公爵とバジリスクの話や、蜘蛛の仕立屋、火の鳥と鵞鳥の娘のお話など、特に好みで良かった。
前の巻から色々と繋がって来るので、一巻を読んでいないとちょっと「?」と思う部分があるかと思われます。
間で挟まれる、女童や童子、それに童子の姉のお話、童子の姉は結婚を控え、未知なる結婚生活に恐れを抱いている。それに気づいた童子は、姉への愛情を感じたり、また現実に不安を覚えるからこそ、物語に何かを求めてしまうというのはよくわかる感じで。
そうして、ページが少なくなっていくのが堪らなく、寂しかったです。
もっともっとお話を聞かせて欲しと思うほど、読み終わりたくなかった。
あとモチーフとなったであろう童話などの欠片を探すのがまた楽しかったです。
今のところ、今年の翻訳本ではマイベスト1です。好き好き、大好き。
他の人にも是非とも読んで欲しいお話です、オススメ!

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(2013/06/28)
キャサリン・M・ヴァレンテ

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